「うっ……。」僕は体を起き上がらせた。頭の奥がズキズキと痛み、視界がぐらりと揺れる。何が起こったのかを確認すると、つい先ほどまでどす黒い雲に覆われていた空に、満点の星が輝いていた。一体どれほど気を失っていたのだろう。少なくともかなりの時間、意識を失っていたのは確かなようだった。僕は周囲を見渡し、美琴を探した。なのに……同じ場所にいたはずの彼女の姿がどこにも無い。焦りが込み上げてくる。心臓が嫌な音を立てて、激しく脈打った。「美琴ー!!!」叫んで、辺りを見渡す。山頂に僕の声だけがむなしく響き渡り、彼女からの反応はなかった。それから十数分後、僕は山を降りながら、必死に美琴の姿を探していた。なぜか、どこにも見つからない。心臓の鼓動が……どんどん速くなっていく。悪い予感ばかりが、僕の胸を締め付けた。「美琴ぉー!!!!!」いくら叫んでも、彼女が姿を現すことはなかった。ついさっきまでこの場所を支配していたおぞましい呪いは祓われ、あの重苦しい雰囲気が嘘のように浄化された空気なのに、彼女だけが、いない。その事実が、僕の心を深く切り裂いた。僕は諦めることができずに、それから数十分もの間、彼女を探し続けた。喉が枯れ、足が棒のようになっても、彼女を見つけ出すまで止まるわけにはいかなかった。 ***「どうして見つからない……! どこにいる……!」霊力を使い果たした身体の疲れと焦りが、限界を迎えていた。喉は枯れ果て、足元はふらつく。それでも、美琴を見つけられない焦燥が僕の心を支配していた。その時、微かな、しかし確かな声が聞こえてきた。「悠斗君っ!!!」「っ!!!」僕はばっと後ろを振り返る。そこにいたのは、僕が必死に探し求めていた彼女だった。「美琴!!!」僕は彼女へと駆け寄り、その身体を強く、強く抱きしめた。ああ……!良かった……!!本当に、本当に良かった……!!生きていてくれた。その事実だけで、僕の心は安堵に包まれた。目頭が熱くなり、僕の瞳からは止めどなく涙が零れ落ちた。「悠斗君も……無事でよかった……!」美琴もまた、僕の
Terakhir Diperbarui : 2025-08-02 Baca selengkapnya