だが――叔父たちが眉をひそめ、考え込む様子を目にした瞬間、誠一の胸の奥がひやりと冷えた。「叔父さんたち……まさか本気であいつの話を信じてるのか?」叔父が静かに口を開く。「彼の言い分にも筋は通っている。もし本当にお前に復讐するつもりなら、なぜわざわざ朝陽を拉致する必要がある?」落ち着いた声で続けた。「人に報復する方法はいくらでもある。そのやり方は、リスクの割に見返りが小さすぎる」誠一は思わず声を荒げた。「それは……あいつが俺だけじゃなく、叔父さんとも対立してるからだ!」叔父はわずかに首をかしげる。「さっきから聞いているが……お前たちの間に、そこまでの因縁があるのか?」誠一は一瞬、言葉に詰まった。口を開きかけて――閉じる。もともと、朝陽が星を嫌っていたのは、明日香の件がきっかけだった。だがその後、星が葛西先生に気に入られたことで、朝陽の立場や利害を侵した。朝陽が星を嫌う理由は理解できる。だが、星は得をした側だ。恩恵を受けている彼女が、朝陽を恨む理由はない。まして――朝陽が裏で星や仁志にしてきたことなど、ここで口にできるはずがなかった。仮にすべて話したとしても、仁志を追い詰められる保証はない。それどころか、自分の首を絞めるだけだ。――そんなのは、自爆に等しい。そのとき。澄んだ、落ち着いた声が再び響いた。「説明が難しいようでしたら、俺が代わりに話しよう」仁志だった。「なぜ俺が、誠一が朝陽を拉致したと考えるのか――理由は単純だ。明日香の存在」周囲の視線が一斉に集まる。「ご存じの通り、朝陽と誠一。この叔父と甥は、どちらも彼女に想いを寄せている」わずかに口元を上げる。「そして――明日香が強い男を好むのも、有名な話だ」場の空気が変わる。「朝陽がいる限り、誠一に勝ち目はない……もちろん、仮に朝陽がいなくなったとしても、誠一が当主になれる可能性は低い」淡々と突き刺す。「だが誠一にとっては――賭けに出れば、美人も地位も手に入るかもしれない。これ以上ない好機とも言える」誠一の拳が震える。仁志は構わず続けた。「聞いた話では、明日香の婚約騒動の後、お前は噂を流した者たちを処罰し、さらには公の場で彼女の潔白を主張したとか」一拍。「あるいは――」
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