隼人は、月子の言葉に思わず振り返った。彼女が彼の体の上に覆いかぶさるようにしているせいで、ゆったりとしたパジャマの襟元が大きく開き、胸元が見えてしまっていたのだ。前回、その魅力的な胸元に触れてからというもの、二人の仲はさらに深まっていた。月子は、家で風呂に入った後は下着を着ける習慣がなかった。目の前の光景に、隼人は思わず息を呑んだ。そして、すぐに視線を逸らした。月子の問いただすような視線は、姉としての貫禄を感じさせた。きっと、子供の頃は弟の洵にも、同じように接していたのだろう。隼人は月子より5歳近く年上だった。だから普段なら彼女のすることなすことは全て可愛らしく思えた。だが、今の彼女の迫力はまた、可愛らしさとはほど遠く感じた。そんな矛盾した魅力に、隼人はますます月子に触れたくなった。「気に入ったよ」隼人の声は、かすれていた。月子は信じられないといった様子で言った。「プレゼント気に入ってくれたなら、せっかくネクタイも結んであげたのに、どうして私を見てくれないの?どういうつもり?」「言えない理由があるんだ」「全然意味が分からない。なぞなぞかけてるの?」月子は、こんな返事が返ってくるとは思ってもいなかった。一体、何が言いたいのかさっぱり分からなかった。「……今、それについて話すのは、お互いに良くない」隼人の声には、少しだけ甘い響きがあった。しかし、彼は本当に説明する気がないようだった。月子は面白くなくなり、彼のネクタイの先をぐいっと引っ張った。その強さは、隼人の首を締め付けるほどだった。だが、大人の男である隼人は、そんな仕打ちにも動じず、冷静な目で月子を見つめ返した。まるで、何をされようとも、余裕綽々でいられる、とでも言いたげな様子だった。そして、彼女が次に何をするのか、静かに見守っていた。それは、単に気迫の問題ではなく、男性と女性の違いがあるのかもしれない。月子がどんなに抵抗しても、隼人には子供っぽい悪戯のように思えるが、逆に、隼人が少しでも力を入れようものなら、彼女は抵抗する間もなく一瞬で押し潰してしまうのだろう。月子は、腕が痺れた時のことを思い出した。サイズが全く合っていないと感じていた。彼女はXSサイズ、隼人はXXLサイズ。体格差もあった。隼人の鍛え抜かれた筋肉質な体に比べれば
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