ジェニファーを庇う為、抱きしめたニコラスの右腕が撃ち抜かれて、血がほとばしった。「うっ!!」あまりの激痛にニコラスが呻く。「キャアアアアッ!! ニコラスッ!!」ジェニファーが悲鳴を上げる。「くそっ!」警察官が、ホルスターから拳銃を引き抜こうとした時。「ニコラス様っ!!」拳銃を携えたシドが部屋に飛び込み、そのまま窓に銃口を向けて引き金を弾いた。ドーンッ!!銃声が鳴り響き、木の上にいた刺客の胸が撃ち抜かれた。「グアッ!!」悲鳴を上げ、そのまま木の上から刺客は落下していく。「ニコラス! 腕が……!」ジェニファーが悲痛な声を上げる。ニコラスの白いシャツが血で真っ赤に染まっていた。「ニコラス様!」シドも駆け寄り、ニコラスの腕を見て眉を顰める。「……申し訳ございません、外で見回りをしていたばかりに……」悔しそうに唇を噛んだ。「お、俺のことはいい……それより伯爵が……」伯爵は床に倒れたまま、ピクリとも動かない。警察官は必死になって呼び掛けていた。「伯爵! フォルクマン伯爵!」「は、伯爵……」ニコラスに付き添っているジェニファーの顔は青ざめ、震えている。そこへ銃声を聞きつけた警察官たちが駆けつけてきた。警察官たちは床に倒れている伯爵を用意していた担架に乗せて丁寧に運ばれて行ったのだった。「テイラー侯爵様も病院へ行きましょう」先程、事情徴収を行っていた警察官がニコラスに声をかける。「は、はい……」痛みを堪えながら、ニコラスは頷くとジェニファーが訴えてきた。「ニコラス様! 私も付き添わせて下さい!」「ジェニファー……」ニコラスは驚いたようにジェニファーを見つめ、次に警察官に視線を移す。「ええ、我々の方では構いません。では一緒に参りましょう」「ありがとうございます!」「ニコラス様、では俺も……」シドもついて行こうとすると、ニコラスは首を振った。「いや、シドは大丈夫だ。その代わり、この城を頼む。まだどこかに残党が潜んでいるかもしれないしな」「ですが……!」「大丈夫です。テイラー侯爵は今度こそ、我らがしっかり警護しますから」「はい……」そう言われてしまえば、シドは引き下がるしか無かった。「頼んだぞ、シド」「分かりました、ニコラス様」シドが返事をすると、ニコラスは警察官とジェニファーと共に部屋を出て行
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