澄依は、年齢にそぐわないほど落ち着いた眼差しで彼女を見つめ、差し出された手書きの手紙を受け取った。そこには、相馬が友人である優奈と和人に、澄依を児童養護施設から引き取って面倒を見るよう依頼した旨が書かれており、最後にはサインまでされていた。澄依はまだ幼いものの、父の筆跡には日頃から触れてきている。見間違えるはずがなかった。彼女は手紙を握ったまま顔を上げ、ぐるりと辺りを見回し、道端の車や行き交う人々へと視線を向けた。優奈は不思議そうに尋ねる。「澄依、どうしたの?」澄依の瞳に、子どもらしい戸惑いと不安がわずかに浮かぶ。「パパは?来てるの?」優奈は言葉に詰まった。――相馬は来られない。澄依は彼女を見て、また通りへと目を向ける。通り過ぎる人影を一人一人追いながら、なおも父の姿を探していた。優奈はゆっくりと近づき、そっと彼女の肩に手を置く。「澄依、今日はパパは来ないの。先におばさんと一緒に行こう?」澄依は視線を落とし、やがて優奈を見上げて問いかけた。「一緒に行けば、パパに会える?」優奈はどう答えていいか分からず、声をやわらげる。「......パパはまだ出張中で、しばらくは会えないの。でも......」彼女は澄依の手にある手紙を指して言った。「パパがあなたを迎えに行ってほしいって頼んだの。だから、一緒に行ってくれる?」澄依は手紙を見つめ、しばらく黙り込んだ。先生が、つないでいた手を軽く揺らす。「澄依?」澄依は顔を上げて言う。「ついていったら、パパに会える?もうずっと会ってないの。澄依、パパに会いたい」子どもが父に会いたいと願う、ごく当たり前の言葉のはずなのに、その口調は妙に落ち着いていて、年齢に似つかわしくなかった。だがその言葉は、大人たちの胸をやわらかく締めつけた。優奈も、どう答えるべきか迷う。澄依は彼女を見つめ、先生の手をそっと離し、代わりに優奈の手を握った。「おばさん、ついていったらパパに会える?もう一ヶ月も会ってないの。パパがどこにいるか、知ってる?」視線を落とし、小さく俯いたまま、かすれた声で続ける。「澄依、なにか悪いことしたのかな......だから迎えに来てくれないの?ほかの子はみんな、お迎えが来るのに、澄依だけ来ない」優奈の胸が締めつ
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