キラーリ公主がベッドに横たわっていた頃。全身黒ずくめの女性がスタジアムに入る正目面玄関を見上げていた。あたりに人の気配はない。スタジアムからはザワザワと人の声が聞こえてくる。「みなさん、お静かに願います」 アナウンスの声が響いてくる。 ここはセレネイ王国地上中心部フルムーン・シティに建設された「ムーン・パーク」。 ムーン・パークとはセレネイオ王国地上中心部にある円形の公園である。面積約十ヘクタール。東側に正面出入口があり、公園の中心には円形の花壇に囲まれた噴水がある。これだけで二ヘクタールの面積。 花壇には、月だけに存在する「ムーン・リバー」という花がたくさん植えられている。この花は一年中、ゴールドに輝くきらびやかな花をちりばめながら、太い茎がほぼ一直線に空に伸びる。最高で成層圏に達するほどまで生長すると云われ、「ムーン・リバー」のひとつは八キロの高さまで達していた。 「スカイ・ウォーター」と呼ばれる噴水は、月の成層圏十一キロメートルの高さまで噴き出す。 花壇の回りにはいくつものテーブルやベンチが置かれ、恋人同士や家族連れが、花壇の花々と空高く噴きあがる噴水を見て喝采を叫んでいた。この周辺には数多くのミニショップが集まり、軽食や飲み物、スィーツや玩具を販売していた。 北側には野外ステージがあり、休みともなればミニコンサートや演劇、映画などの催し物で賑わう。キラーリ公主やエブリー・スタインが主催する交流会やコンサート、「キラーリ公主を撮影しよう ボランティア・撮影会」などのイベントも開催され、若者たちの人気である。野外ステージに接して成層圏まで伸びる「スペース・コースター」をはじめとする乗り物広場があって、家族連れに圧倒的人気である。 南側は、野外レストランの立ち並ぶスペースとなっており、花や草木などの自然や小鳥のさえずりを楽しみながら、野外に置かれたテーブルで食事の時間を過ごすのだった。 だがムーン・パークの西側を見てみよう。そこだけはほかのスペースとは、全く印象が違っていた。うっそうとした森に囲まれ、寂莫とした雰囲気に包まれている。森を抜けると目の前にスタジアムが表われる。 スタジアムの正面玄関の前には、赤い立体文字が宙に浮かび上がっていた。 ぞっとするように案内だった。<本日セレネイ王国特別法国家
Terakhir Diperbarui : 2025-08-01 Baca selengkapnya