人間界に戻ってから一週間。リリムは地獄との連絡役として、正式に人間界での活動を認められた。「つまり、もう罰ゲームじゃないってこと?」朝の食卓で、総一がコーヒーを飲みながら聞く。「そう! 今度は正式な任務よ」リリムが嬉しそうに答える。制服も新しくなった。以前のような露出の多い黒革スーツではなく、上品なブレザーとスカート。それでも彼女らしい可愛らしさは健在だった。「で、具体的には何をするんだ?」「契約システムの改革に向けた調査と、問題のある契約者のサポート」ヴェルダが資料を広げながら説明する。「つまり、今までと大して変わらないわね」「でも今度は公認よ」リリムがにっこり笑う。「堂々と悪魔らしい活動ができる」「悪魔らしい活動って何だよ……」学校では、リリムの存在が正式に認められることになった。もちろん「転校生」としてだが。「えー、今日から転校してきた、リリム・アズです」教室の前で自己紹介するリリム。クラスメイトたちはざわめいている。「めちゃくちゃ可愛い」「モデルか何か?」「外国人?」「よろしくお願いします」リリムが軽く頭を下げると、教室から拍手が起こった。席は総一の隣。彼女が座った瞬間、教室の空気が一変した。「おい、霧島」隣の席の男子が小声で話しかけてくる。「あの子と知り合いなのか?」「まあ……」「羨ましいな。紹介してくれよ」「やめとけ。お前じゃ無理だ」「なんでだよ」「彼女、悪魔だから」「あー、悪魔的に美しいってことね」総一は苦笑いを浮かべる。まさか本当に悪魔だなんて言えるわけがない。昼休み、屋上でいつものメンバーが集まった。「いやー、リリムちゃん大人気だな」カイが弁当を食べながら言う。「もうすでに三人から告白されてるぞ」「え、本当?」リリムが目を輝かせる。「人間の男子って、こんなに積極的なのね」「お前、まさか乗り気じゃないよな?」総一が不安そうに聞く。「んー、どうかしら」リリムがにやりと笑う。「ちょっと遊んでみる?」「やめろ」「冗談よ。わたしには総一がいるもの」リリムが総一の腕に抱きつく。「うお!? 学校でそういうことするな!」「何よ、恥ずかしいの?」「当たり前だ!」でも、内心では嬉しかった。リリムの気持ちが自分に向いていることが分かって。そんな平和な日常を過ごしてい
Terakhir Diperbarui : 2025-08-18 Baca selengkapnya