「ならさ……。オレが一緒にその店探してやるよ」「え……?」すると、社長はそのあたしの言い訳には何も触れず、それどころか思ってもいない言葉を告げる。「一緒に……って?」「その想い出の店。オレもどんな店か見てみたい」「……それは、社長にも見てほしいですけど……。でも一緒にっていうのは……?」「きっと逢沢一人で探すのは限界あるだろうし。それならまぁオレ車も出せるし、もっと範囲広げられるだろ?」「いや、それはそうですけど……」「プロデュースしてる側のオレからしたら、単純に逢沢がそうやってずっと忘れられないような幸せに感じて想い出になってる店っていうのが、どういう店か知りたい」あっ、そっか……。社長は単純にプロデュースしてる立場から、そうやって人の心を動かすお店がどういうものかを知りたいんだ……。別にそれ以外に深い意味はない……ってことだよね……。「だから、時間が空いた時や休日にでも、その店探しに行こう」「え……。社長忙しいのにそんな無駄な時間……!」「無駄じゃないよ」「え?」「オレも時間空いた時は、いろんな店研究しに行ってるから」「え、そうなんですか?」「うん。だから、逢沢が勉強しにそうやって店回ってるって聞いた時、他人事に思えなくてさ」「そうなんですね……」「だから、オレが研究しに行く時も特別にお前も連れて行ってやる」「え!?」「オレだけで行くのもお前が一緒でも変わんねぇし。それならお前もうちの会社が関わった店だけじゃなく、夢の為の勉強になんだろ?」「はい……。それはそれで大変有難いですけど……」「じゃあそうしよう」「社長……ありがとうございます」「あと、ちゃんとオレがプロデュースしてる店にもオレがこれから1つずつ連れてってやるから」「えっ!? 社長が、連れてって……くれるんですか?」「そう。直接オレが連れて行って、その店の経緯とかコンセプトとか全部教えてやる」「え……どうして、そこまで……」「……素直に嬉しかったから」「嬉しい……?」「そう。逢沢が、この会社に入って夢叶えたいって言ってくれたことが」「そんな……それはただのあたしの思いなだけで……」「それが、嬉しかった。オレの会社でその夢を叶えようとしてくれてることが。その夢を叶える為に、プロデュースした店いくつも勉強してくれてることが」「それが社長
Last Updated : 2025-09-13 Read more