メッセージを送った後、真琴はやはり少し心配で、時折、株価の状況を確認してしまう。相変わらず、下落の一途を辿っている。心の中で大まかに計算すると、少なくとも数百億は蒸発しているだろう。まさか、自分が興衆実業を離れた影響が、これほど大きいとは……何しろこれまで、誰も彼ら夫婦がうまくいっているなんて思っていなかったのだから。真琴も健介の言葉を信じていた。「影響はない、うまく処理できる」と。もしこうなると分かっていたら、当時、会社には入らなかったし、この副社長にもならなかった。やはり若すぎて、自信過剰だった。興衆実業の株価が急落し、一瞬にして、トレンドのあのゴシップニュースなど、どうでもよくなる。自分が送ったメッセージを見つめ、数年前のあの大きな火事を思い出す。信行が身を挺して自分を抱き出してくれたことを思い出し、真琴の心は、申し訳なさでいっぱいになった。本来は、恩返しをするつもりだったのに、まさか仇を返すことになるとは。メッセージ画面を閉じ、何か他のことをして気を紛らわそうとした時、スマートフォンがすぐに鳴った。手に取って見ると、信行からの返信だ。メッセージを開くと、その返信はとてもシンプルで、彼がこんなに早く返信してくるとは思っていなかった。【大した問題じゃない。対応中だ。心配するな】その短い一文に、真琴の張り詰めていた心はようやく、ほっと息をつく。そうだね、仕事において、信行は絶対に信頼できる人だ。両手でスマートフォンを持ち、すぐにまた返信する。【分かりました。もし私に何かできることがあれば、教えてください】喧嘩は喧嘩、離婚は離婚。でも、会社の利益に影響を与えるわけにはいかない。信行はすぐに返信する。【分かった】分かったとは言ったものの、その後、一日中、彼は真琴に連絡してこず、祐斗からも連絡はない。彼らは彼女に何も求めてこなかった。これは思ってもみなかったことだ。以前のように、広報として矢面に立つ必要があると思っていたのに。夕方五時、もうすぐ退社しようとした時、信行から電話がかかってきた。その見慣れた電話番号を見て、スライドして応答キーを押し、電話に出る。「もしもし」電話の向こうで、信行は穏やかな声で言う。「じいさんたちが、夜、本家に帰って食事をするよう
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