「はあ!?同じなわけないじゃない。腰の使い方が似てたの?それとも攻め方?」ミキは心底がっかりしたように声を張り上げる。「男によって全然違うものでしょう?長さとか、太さだって千差万別なんだから!」詩織は慌ててミキの口を塞いだ。店中の視線が突き刺さる。恥ずかしさで顔から火が出そうだ。だが、嘘をついたわけではない。本当に、同じように感じたのだ。あの夜、意識が朦朧とする中で、詩織は相手を柊也だと錯覚していた。失恋の傷が癒えず、脳が彼を求めて幻を見せたのだと思っていた。彼女にとって「セックス」の基準は、すべて彼に刻み込まれたものだったから。ミキがこれ以上、際どい発言をしないと確信してから、詩織はようやくその口を塞いでいた手を離した。ミキは「やれやれ」と肩をすくめ、愉快そうに鼻を鳴らす。「なによ、それじゃあ結局、何も覚えてないってこと?損な役回りねえ」「……いいから、食べなさいよ」運ばれてきた料理を前にしても、ミキの視線は料理よりも、給仕する「裸エプロン」のマッチョたちに注がれていた。ようやく追及の手が緩み、詩織は密かに安堵のため息をつく。だが、物珍しさも束の間、ミキはすぐに飽きたのか、今度は品評会の審査員よろしく独断と偏見に満ちた点数をつけ始めた。「右の彼、体格だけは立派だけど、ああいうのは見掛け倒しで『あっち』は小粒に決まってるわ」「そっちのは……うん、一分持たなそうね。早漏顔だわ」「真ん中の子は、ちょっとそっちの気があるんじゃない?」散々こき下ろした挙げ句、ミキは深いため息を一つついた。「……悔しいけど、顔の偏差値だけなら、あのクソ也の方が上ね」「ゴホッ、ゲホッ……!」またしても詩織は盛大に咽せた。「ちょっと、そんなに動揺しなくてもいいじゃない。あんたの男選びのセンス『だけ』は認めてるって褒めてるのよ。あくまで外見の話だけど。性格はゴミ以下だけどね!」ミキに差し出されたナプキンを受け取り、詩織は苦い顔で頷いた。「……それは否定しないわ」クズな男を罵ることにかけては、二人の息は完璧に合っていた。所変わって、会員制ラウンジ『ノクターン』。「ハクションッ!」柊也が、立て続けに何度かクシャミをした。隣でグラスを傾けていた太一が、ひょいと首を傾げる。「なんだよ、風邪か
Read more