Semua Bab 「仲良しな親友」の君は、今でも私のヒーロー: Bab 21 - Bab 30

51 Bab

21話 燃え上がる独占欲と、裏切りの光景

 だが、自分の腕に絡むヒナの指の温もりが、それが紛れもない現実であったことを告げていた。ヒナのシャンプーと、彼女自身の甘く、どこか艶めかしい混じり合った香りが、まだ鼻腔をくすぐり、全身の感覚を呼び起こす。 (どうして、あんなに積極的だったんだろう……? 嫌がるどころか、むしろ俺を誘うような……) 熱を帯びた身体の奥から湧き上がる、じわりとした快感の余韻。ヒナの瞳の奥に見た、あの潤んだ輝きが、ユウマの胸を締め付けた。初めての経験だったはずなのに、まるで長年愛し合ってきた恋人のように、彼女はユウマの全てを受け入れた。その記憶が、ユウマの思考を支配する。 二人は自然と腕を組み、朝のまぶしい光の中を大学へと向かった。腕に絡むヒナの指先から伝わる柔らかな感触と体温が、ユウマの心臓を穏やかに揺らした。アスファルトの照り返しが眩しく、蝉の声が降り注ぐ中、二人の足音だけがリズムを刻む。 「ねぇ、ユウくん、昨日の夜さ……」 ヒナが耳元で囁くように話しかけてくる。その声は、まだ少し眠たげで、そしてどこか甘い響きを含んでいた。ユウマの顔が、また熱くなる。 「しっ……誰かに聞かれるだろ」 ユウマもまた、ヒナの耳元に顔を寄せ、小声で返した。二人の間に、まだ朝のエッチの余韻が漂っている。ヒナはくすりと笑い、ユウマの腕に絡ませた指を、そっと絡め直した。その仕草一つ一つが、ユウマの胸を甘く締め付ける。 「だって、ユウくん、顔真っ赤だよ? 可愛いー」 ヒナは楽しそうに、ユウマの顔を覗き込む。その瞳はキラキラと輝き、まるで悪戯を仕掛けた子供のようだった。ユウマは思わず目をそらしたが、ヒナの笑顔が眩しくて、心臓がドキドキと高鳴るのを止められない。二人の間には、誰にも邪魔されない、甘く、そして少し恥ずかしい秘密の空気が流れていた。 教室に入り、講義が始まっても、ユウマの意識は一向に集中できなかった。黒板の文字も、教授の声も、遠い世界のことのように霞んで聞こえる。彼の頭の中を占めているのは、ただひたすらヒナのことばかりだった。彼女の笑
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-06
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22話 彼の嫉妬と、彼女の純粋な告白

 明日は大学に行かないと……。しかし、ヒナには会いたくないな……。ユウマは、布団の中で一人、深く息を吐き出した。 翌日は体調不良を理由に大学を休み、家に籠っていたユウマ。そして二日後の朝、重い足取りで家を出ると、マンションの前にヒナが立っていた。彼女は俯き、その目元は腫れ上がっている。一体いつからそこにいたのだろうか。 ユウマの心臓が、激しく、そして苦しく脈打った。まるでバグを起こしたかのように、不規則な動悸が胸を襲う。このまま気づかないふりをして、人混みに紛れてしまいたかった。 「ユウくん!! ちょっと待って!」 その時、今、一番聞きたくない声で自分の名前が呼ばれた。無視しようにも、すでにヒナの泣き声が周囲の注目を集めてしまっている。 はぁ、と心の中で深いため息をつき、ユウマは観念して振り返った。その瞬間、ぽふっと柔らかい衝撃と共に、ヒナが抱きついてきた。 「ユウくんのばかぁ……約束破った! 連絡も無視した! いじわるした!」 ヒナが一方的に文句をぶつけてくる。しかし、ここで言い返せば、通行人の邪魔になるのは明らかだった。ユウマは言い返したい衝動を必死に抑え込む。 公園……? いや、公園も周りの迷惑になるだろう。では、家か。 「あまり誘いたくないけど……家に来て」 ユウマは、感情のこもらない声で一方的にそう告げた。ヒナの答えを聞く間もなく、彼はマンションの入り口へと引き返す。ヒナもまた、無言のままユウマの後を追ってきた。 部屋に入ると、ユウマはそのままリビングへと進み、ソファに座った。ヒナは、玄関で靴を脱ぎながら、ユウマの背中を不安げに見つめている。「……ユウくん……どうしたの? お、怒ってるみたい……」 再会した時とは、ヒナの表情が明らかに変わっていた。先ほどまでの、自分が悪くないとばかりに一方的に文句を言っていた態度や
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-07
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23話 彼の存在と、ヒナの小さな嘘

 ユウマと離れたことで、張り詰めていた緊張の糸がぷつりと切れ、急激な眠気がヒナを襲った。まるで重い鉛を背負ったかのように体が重く、頭の中がぼーっとしてくる。足元がおぼつかないまま、廊下を歩いていると、前から仲の良い友達のグループ数人が、心配そうな顔で近づいてくるのが見えた。 「どうしたの? ヒナ? 体調でも悪いの?」 仲の良い女子の友達が、ヒナの顔を覗き込むようにして、優しい声で話しかけてきた。その声が、遠くで聞こえるように感じられた。「ううん。えへへ♪ ちょっと寝不足―」 ヒナは、ごまかすように笑って見せた。「へぇ~珍しいね。ヒナが寝不足なんてさー……ん? え? もしかしてー彼氏でもできたの~?」 女子の友達が、ニヤニヤとしながらヒナの顔を覗き込む。その時、近くにいた男子が驚いた顔をして、声を荒げた。「はぁ? ヒナに彼氏? あり得ねぇー鉄壁の防御のヒナにか!? アハハ!」 男子の言葉に、仲の良い女子も乗っかるように否定してきた。「だよねー」 ヒナは、悔しくて唇を噛んだ。ユウマとのことを、彼氏と胸を張って言いたい気持ちをぐっと我慢する。その代わりに、少しだけ意地悪な笑みを浮かべた。「ふんっ。そのまさかかもよっ」 そう言って、ヒナは彼氏っぽい存在をアピールしておいた。友達の驚いた顔を見るのは、少しだけ気分が良かった。「「はぁ!?」」 その場にいた友達数人が一斉にヒナを見た。「……はい? お、お前……仲の良い俺らでも近くによると逃げるのにかよ? 男嫌いなんじゃねーの?」「そうそう、王子様を探すとか言ってたよね? あれ? ヒーローだっけ? その方の為にーって、彼氏を作らないとか」「んふふ♪ ひみつぅぅぅー♡」 ヒナがニヤリと笑い、ふわっとした感じがすると眠さの限界が訪れ、近くにいた男子の腕を掴んでしまった。「「はぁ!?」」 その場にいた友達数人が一斉にヒナを見た。彼らの口は半開きになり、目を見開いて、まるで宇宙人でも見たかのような表情を浮かべている。特に男子たちは、信じられない、といった様子で顔を見合わせ、呆然と立ち尽くしていた。「……はい? お、お前……仲の良い俺らでも近くによると逃げるのにかよ? 男嫌いなんじゃねーの?」 一人の男子が、眉をひそめ、訝しげな視線をヒナに向けた。その声には、明らかに動揺が混じっている。もう一人
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-08
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24話 15分の遅刻と、消えた彼

「真面目そうで優しそうだもんね。でも、ちょっと暗そうだけど……ヒナが明るいからちょうど良いのかもね」 仲の良い女子が、ヒナの顔色を窺うように、ユウマのことを評するように言った。その言葉に、ヒナは内心でハッとする。 え? ユウくんって……暗いかな? あぁ……そういえば、いつも一方的にわたしが話して、ユウくんは楽しそうに頷いてくれてたかも! 仲の良い女子の「ちょうど良いかもね」という言葉に、ヒナは褒められていると思い、ついニヤついてしまう。 時間が気になり、ヒナはスマホをポーチから取り出した。画面を確認すると、すでに昼を過ぎていた。慌ててユウマにメッセージを送り、すぐに電話を掛けた。 しかし、ユウマは電話に出ない。メッセージの既読もつかない。「あぁ……ユウくん……怒っちゃったかも……」 ヒナは、不安げに唇を噛みながら呟いた。「へ? な、なんで?」 友達の一人が、不思議そうにヒナの顔を見た。その表情には、純粋な疑問が浮かんでいる。「お昼に約束してて……遅れたからぁー……」 ヒナは、消え入りそうな声で答えた。その声には、後悔と、そしてユウマへの申し訳なさが滲んでいた。彼女の瞳は、今にも涙が溢れ出しそうに潤んでいる。「は? 遅れたって言っても15分くらいだろ? そんなんで怒るかなぁ?」 仲の良い女子が、眉をひそめ、少し呆れたように言った。彼女はヒナの肩を軽く叩きながら、さらに続けた。「まぁー付き合いだして……楽しみにして待ってるだろーけど。お互い予定もあるんだし、そんなに気にしなくてもいいんじゃない?15分くらい」「そんなんで怒ってるような人だったら、この後ツラそうじゃない? かなりの束縛するタイプの人かもよ……ヒナ、やめときな?」 続いて別の仲の
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-09
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25話 彼の誤解と、ヒナの献身

 その日は結局、ユウマを見つけることはできず、友達に心配され、半ば強引に家に連れ返されてしまった。 翌日、ヒナは朝早くからユウマのマンションへ向かった。彼が出てくるのを、昼までじっと待った。しかし、ユウマの姿は現れない。午後からは、焦る気持ちを抑えきれず、再び大学中を探し回った。スマホを握りしめ、何度も電話を掛け、メッセージを送るが、どれも反応がない。自分の無力さと、ユウマに関する知識のなさを、身をもって痛感した。彼が普段どこへ行くのか、どんな交友関係があるのか、ヒナは全く知らなかったのだ。 さらに翌日も、ヒナは朝早くからユウマのマンションの前で待ち続けた。冷たい風が吹き、肌を刺す。諦めかけたその時、いそいそと人混みに紛れるように立ち去る、見慣れた後ろ姿を見つけた。ユウマだ。その瞬間、安堵と、これまでの不安と悲しみが一気に押し寄せ、ヒナの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。震える声で、彼の名前を呼んだ。・♢・ユウマ視点・♢・「わたしは……すきだよ。だって、仲良しのお友達だもん!」 ヒナのその言葉で俺が告白まがいの言葉を発して、どんな反応をしてくれるのかと期待もしていたが、その思いが一瞬にして醒めた感覚を覚えた。 心の中でため息をつき、再び考える。 ヒナは『仲良しのお友達』=『恋人』なんだよな? たぶん。ヒナは無自覚で俺には近すぎるほど近いが、他の男子には近寄らないと言っている。まだ、付き合いが浅くて真実なのかは分からない。ウソや誤魔化しかもしれない…… 仲良しのお友達からスタートしてみるのも良いかもしれないな。恋人だと思うから独占欲やヤキモチといった感情が湧いてくる。そう、ヒナの言う通り”仲の良い友達”だと思えばいいんだ。 仲の良い友達が寝不足でふらついて、近くにいた男子の腕を掴んだだけだ。それのどこにヤキモチを妬く必要があるんだ?と自分に言い聞かせた。 ユウは、ヒナの言葉の裏にある微かな動揺を敏感に察知した。彼女が屈託のない笑顔で「仲良しのお友達」と言い切るたびに、胸の奥がきゅっと締め付けられるような、甘くて苦い感覚が押し寄せる
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-10
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26話 友達以上、恋人未満の朝

 ユウは、ヒナが慌てて自分のTシャツを掴む手のひらの熱を感じた。それは、まるで子猫が必死にじゃれつくような、弱々しくも確かな力だった。ヒナの焦った表情と、今にも泣き出しそうな瞳に、ユウは胸を締め付けられる。 ヒナが慌てて言い直した「心配だし」という言葉が、ユウの心にじんわりと温かさを広げた。彼女の言葉は、まるで固く閉ざされたユウの心の扉を、そっとノックするようだった。 ユウは、ヒナの髪からふわりと香る、甘いシャンプーの匂いをそっと嗅いだ。それは、ヒナという存在がすぐ近くにあることを、五感すべてで実感させる。 ユウは、ヒナの頭を優しく撫で、その髪の柔らかさを手のひらに感じた。「そうだな。じゃあ、お言葉に甘えて……」 ヒナは、ユウの言葉にホッとしたように、小さく笑った。その笑顔が、ユウの心に差し込んだ光となり、暗く冷え切っていた心を、ゆっくりと温めていく。 二人の間に流れる空気は、さっきまでの張り詰めたものとは違い、甘く、柔らかなものに変わっていた。ヒナは、ユウのTシャツを掴んだまま、安堵の表情でユウを見上げていた。その瞳は、ユウの心を揺さぶるほどに、美しく潤んでいた。 飲み物を取りに行こうと立ち上がった時、ヒナは俺のTシャツの裾をぎゅっと掴んだまま、口を開いた。「わたしが……」 ヒナも立ち上がろうとする。二人でキッチンに向かうが、相変わらず距離が近い。俺がふと立ち止まると、ヒナは軽く俺の背中にぶつかった。柔らかい胸がむにゅりと背中に触れる。ヒナはすぐに離れるかと思いきや、甘えるように俺の腰に腕を回し、後ろから抱きしめてきた。「うぅ……ごめんなさいっ」 その声は小さく、消え入りそうだった。「え? なにが?」 俺の頭の中は疑問符でいっぱいになる。この謝罪は、一体何に対してのものだろう。男子の腕に掴まっていたこと? それとも、あの男子のことを「仲の良い友達」と表現したことに対してか? やっぱり、あの男子とは本当に仲が良かったのだろうか。それとも、他にも何か謝るようなことがあったのだ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-11
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27話 彼女のヤキモチと、新たな波紋

 ヒナが持ってきたお盆の上には、湯気を立てる色とりどりの料理が並んでいた。こんがりと焼けたベーコンは、その脂がじゅわっと溶け出し、焦げ付いた端が食欲をそそる。その横には、つやつやとしたスクランブルエッグが盛られていた。ふわふわと柔らかそうで、口に入れたらとろりと溶けそうだ。そして、焼き加減が絶妙なトーストは、きつね色に輝き、表面に塗られたバターが熱で溶けてキラキラと光っている。部屋に広がる香ばしい匂いは、この朝食の匂いだったのだと気づいた。「どうかな? 味、大丈夫かな?」 不安そうに尋ねるヒナに、俺はトーストを一口ちぎって口に運んだ。サクッとした歯ごたえの後に、ふんわりとした柔らかさが広がる。ベーコンはカリッとした食感と、噛むたびにじゅわっと溢れる塩気がたまらない。スクランブルエッグは、とろけるような舌触りで、まろやかなバターの風味が口いっぱいに広がる。「うん、めちゃくちゃ美味しい」 俺が正直な感想を伝えると、ヒナは嬉しそうに目を細めた。「よかったぁ! わたし、料理するの好きなんだ。ユウくんは普段、何作って食べてるの?」「適当に……。でも、ヒナが作った朝食、すごく美味しいから、また作ってほしいな」 俺がそう言うと、ヒナは顔を真っ赤にして俯いた。「も、もちろんだよ! いくらでも作ってあげる!」 その言葉は、まるで朝の光のように俺の心を温かく照らしてくれた。俺たちは、美味しい朝食をゆっくりと味わいながら、穏やかな時間を過ごした。 二人でいつものように仲良く大学に着くと、一人の可愛らしい女の子が駆け寄ってきた。小柄な体型に、ミルクブラウンのさらさらとしたセミロングヘア。光に透けるとほんのりとピンク色に見えるのが特徴的だった。丸くてぱっちりとした瞳に、ゆるめのフード付きトップスとショートパンツという出で立ち。性別の境界線が曖昧で、「男の子っぽくて可愛い」という印象を受ける。「へー! 彼がヒナの言ってた人なのー? かっこいーじゃん!」 彼女は俺の顔をじっと見つめ、人懐っこい笑顔でそう言った。「えへへ♪ そーでしょー!」 ヒ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-12
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28話 ボーイッシュな彼女と、揺らぐ感情

「ハルってゲームとかするの?」 俺がそう尋ねると、ハルは少し首を傾げた。「え? うぅーん……パズルゲームくらいかな。そんなゲームは得意じゃないかなー」 意外な答えに俺は少し驚く。あの活発そうな雰囲気からは想像できなかった。「へー、俺も同じでさ、〇〇ってやつやってる」「わっ。それそれ! わたしも、それやってるー!」 ハルは嬉しそうに目を輝かせ、身を乗り出してきた。共通の話題が見つかったことで、俺たちの会話は一気に盛り上がる。気がつけば、俺たちは授業の内容が全く耳に入らないほどに話し込んでしまっていた。時間を忘れて夢中になってしまうくらい、ハルとの会話は楽しくて、自然と笑顔になっていた。 中性的な雰囲気のこはるには、少年のような気軽さしか感じていなかったため、ユウマも全く緊張せずに話に夢中になっていた。その時だった。うっかり手元が狂い、筆箱を床に落としてしまった。中身がカシャカシャと音を立てて、鉛筆やシャーペン、マーカーが散らばる。 慌てて身をかがめ、床に散らばった文房具を拾い集めていると、こはるの明るい声が聞こえた。「あ、ユウくんそっちにもあるよー!」 反射的に顔を上げ、視線をこはるの顔へ向けたその途中、ユウマの視界に、こはるが穿いていたショートパンツのわずかな隙間が飛び込んできた。 普段の元気でボーイッシュな印象からは想像もつかない、柔らかく淡いピンク色のショーツが、肌に吸い付くようにぴったりとフィットしている。フリルやレースの装飾は一切なく、シンプルなデザインが、かえってこはるの健康的な肌の滑らかさを際立たせていた。その布地はわずかに透け感があり、奥に薄っすらと見える肌の淡い影が、ユウマの視線を捕らえて離さない。 ユウマの視線に気づいたこはるは、はっと息を呑んだように目を丸くした。頬が薄いピンク色に染まっていく。そして、まるで小さな動物が身を隠すように、細い指で慌ててショートパンツの裾を隠そうとした。その一連の仕草が、今まで感じたことのないほどに色っぽく、ユウマの胸にストンと落ちてきた。ああ、そうか、この子は女の子なんだ――。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-13
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29話 間接キスの誘惑と、彼の動揺

 ヒナから香る甘い女の子らしい匂いとは異なり、こはるからは石鹸のような爽やかな香りがした。思ったより重くない身体の軽さから、ユウマは再び、こはるが女の子なのだと再認識させられた。 ユウマが自販機でジュースを買い、ベンチに腰かけていると、隣に座ったこはるが話しかけてきた。「ちょっと喉が渇いちゃってさ……」「そっかー、誘ってくれればいいのに」 こはるはそう言いながら、スマホのパズルゲームを再開する。そして、画面から目を離さないまま、無邪気な笑顔でユウマにおねだりをした。「それ、一口ちょーだいっ」「……しょうがないなぁ……」 ユウマが飲みかけのジュースを渡すと、こはるは「にぃー」と口角を上げ、嬉しそうにジュースをコクコクと飲み始めた。潤んだ唇がストローに触れるたび、ユウマの視線は吸い寄せられる。飲み終えたこはるは、潤んだ唇でユウマに視線を向けた。「なぁー、これって……間接キスー!」 そう言って、こはるは無邪気に笑う。ユウマは「そんなこと……」と心の声が漏れてしまいそうだった。こはるは言葉にしたことで、ようやくユウマが意識していることに気づいたのか、顔を赤らめる。 そんなこはるの姿をユウマはチラリと盗み見る。パズルゲームに夢中になっているこはるの、潤んだプルンとした唇を見て、ユウマは動揺を隠しきれないでいた。心臓がドクンドクンと鳴り響き、全身に熱がこもっていくのを感じた。もう、少年のような気軽さではいられない。目の前にいるのは、紛れもなく、一人の女の子なのだ。「次は、ハルは何の授業だ?」 ユウマは、何とか平静を装ってそう尋ねた。喉の渇きは相変わらずで、ジュースのストローを噛む力が無意識に強くなっていた。「ん? 次? 同じ授業でしょ? 続きだよ?」 こはるは不思議そうな顔で、ユウマを見つめ返した。え? あぁ……そっか、同じか……。ユウマは内心で、深い溜息をつ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-14
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30話 無防備な少女と、彼の罪悪感

「イヤじゃないって……他の男子とも近いのかなーって思っただけ」 ユウマが曖昧にそう返すと、こはるはテーブルに置いてあったユウマのジュースを手に取った。「あ、飲みかけ? ちょっとだけちょーだい♪」 ユウマの返事も待たずに、こはるはストローを口に含み、コクリと喉を鳴らす。先ほどの「間接キス」を意識してしまい、ユウマは自分の心臓がドクドクと鳴るのを感じた。 それにしても……ふと視界に入った、こはるの太ももが色っぽく見えて仕方ない。健康的な肌の色をした太ももがショートパンツから伸びていて、ユウマはチラチラと視線を送ってしまう。その視線に気づいたこはるは、楽しそうに微笑んだ。「ん? どーしたの? わたしの足、きになるー?」 その言葉にユウマはドキリと心臓を跳ね上がらせた。「え? あ、きれいな足だなって……」 こんなセリフ、生まれて初めて言ったかもしれない。ユウマは自分の言葉に耳まで熱くなるのを感じた。恥ずかしすぎる……。もう、何もかもが平常心でいられない。ヒナとは違うタイプの、無邪気で大胆なこはるに、ユウマは翻弄されっぱなしだった。「ふぅーん、触りたいとかー?」 こはるは目を細めて、ユウマの顔をじっと見つめてくる。まるでユウマの心の奥底を見透かすかのような視線に、ユウマは身体が強張るのを感じた。「違うって……」 ユウマが焦って否定すると、こはるは少しだけ残念そうな表情を見せた。その顔は、ユウマの心をざわつかせる。「なーんだ。違うのか……別に触るくらい良かったのにっ」 (うわーーもう、こはるって何なの!?) ユウマは内心で叫んでいた。その言葉と表情のギャップに、ユウマは完全にペースを乱されていた。少年のような無邪気さと、時折見せる女の子の色っぽさ。ヒナとは全く違う種類の、こはるの言動に、ユウマの心は振り回されっぱなしだった。 ユウマは頭を抱えそうになった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-15
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