生理的な嫌悪感が込み上げてきて、私は一語一語、噛みしめるように言った。「時生、もうそういうこと言って私の気分を害さないでくれる?私たち、二十年以上の付き合いで、結婚してもう四年以上よ。四年前、指輪を持ってプロポーズしてきたのはあなたでしょ。一生を共にしたいって言ったのもね。なのに今さら、兄妹みたいな感情と男女の気持ちの区別もつかないって言うの?」時生は突然、私の手をぎゅっと握った。「昭乃、もう一度チャンスをくれないか?優子のことは、必ず早く片づける。たとえ子どもが生まれても、お前に影響なんて絶対に与えない。あの母子は海外に行かせる。二度と戻ってきて、お前や心菜の前に現れることはない。お前がうなずいてくれれば、あとは全部俺がなんとかする。いいだろ?」私は力いっぱい手を引き抜き、深く息を吸い込んだ。どっと押し寄せる疲労感に、体が沈んでいく。ただ、静かに少し眠りたかった。この息苦しい現実から、逃げたかった。「時生……」私は目を閉じたまま、かすれた声でつぶやいた。「先に出ていってくれる?眠い……もう寝たいの」彼はゆっくりと手を離し、立ち上がって布団の端を整えた。「わかった。ゆっくり休め。俺の話、ちゃんと考えておいてくれ」……今回の発熱は、まるで体中の力を全部奪い去ったようだった。目が覚めると、もう外は明るい。頭はまだ少しぼんやりしているが、熱のときのあの全身の痛みは引いていて、ただ手足に少し力が入らない。すぐそばから、規則正しい寝息が聞こえる。顔を向けると、心菜が布団にくるまって、ぐっすり眠っていた。私が動いた気配に、無意識に寝返りを打ち、口をもごもごさせながらまた眠り続ける。胸の中に、ふと疑問が浮かぶ。――昨夜、時生は心菜を連れて帰らなかったの……?そう思ったそのとき、外からかすかに鍋や食器の触れ合う音が聞こえた。胸がざわっとして、私はすぐに布団をはねのけてベッドを降り、スリッパを引っかけて足早に外へ出た。キッチンの入口で、時生が腰をかがめてシンクの上の鍋をじっと見つめていた。足音に気づいて振り返り、まるで自分の家にいるように自然な口調で言う。「起きたのか?熱は下がった?」「どうしてまだいるの?」私は眉をひそめて彼を見る。「時生、ここはあなたの家じゃない」時生は私の言葉など聞こえていない様子でガスの火
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