【久しぶりだね。みんな元気にしてる?】【紗里?どうしたの、急にグループ作って?】紗里はすぐに北斗の話題には触れず、こう返した。【ここ数年、みんな忙しかったでしょ。なんだか久しぶりに話したくなって。とりあえずグループ作ってみたの。そうそう、私、もうすぐ帰国する予定だから、時間が合えば集まろうよ】【いいね、私は大丈夫】【最近、みんな何してるの?】しばらく他愛もない会話が続いたあと、紗里は何気ないふりをして切り出した。【ねえ、今でも奈穂と連絡取ってる人いる?】【いや、ないけど。伊集院グループに入ったって聞いたよ】【そりゃそうでしょ、北斗が彼氏なんだから】【奈穂って運いいよね。お金持ちの御曹司を捕まえて】その言葉を見た瞬間、紗里の表情が一気に冷えた。指が勢いよくスマホを叩く。【何が『運がいい』よ。奈穂と付き合えたこと自体、北斗がとんでもなく運が良かっただけでしょ?それなのに、あのクズ、全然彼女のことを大事にしなかったんだから!】【大事にしなかったって、どういう意味?何か知ってるの?】【もう別れてるの!しかも北斗の浮気が原因!】その一言で、グループは一気に騒然となった。【え、本当?あり得なくない?二人ってずっと仲良かったじゃん。それに、最初は北斗のほうから猛アプローチしてたよね?あれ、相当派手だったし!】【奈穂あんなに綺麗なのに、浮気?】【綺麗かどうかは関係ないでしょ。男なんて……はぁ】【全然そんな人に見えなかった。人は見かけによらないって本当だね。私なんて、てっきり彼がまともな男だと思ってたのに。最悪】【紗里、どうしてそんなこと知ってるの?】【それは詮索しないで】紗里はそう書き込んだ。【とにかく、誰かが北斗を褒めてるのを見るだけでムカつくの。あとね、『奈穂は金持ちと付き合えて運がいい』とか言うのもやめて。彼女の実家だって十分裕福だし。奈穂は北斗に一途だったのに、あいつは平気で裏切ったのよ。気持ち悪すぎる!】【分かる……浮気する男って本当に無理】野次馬根性であれ、正義感であれ、この話を聞いたグループの面々は、次々と北斗への非難を口にした。そして噂は、一から十、十から百へと瞬く間に広がり、特に彼らと同じ学年の大学同級生の間では、ほとんどの人がこの件を知ることになった。ほどなくして、その話は北斗の
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