Semua Bab 誰が悪女だから幸せになれないって?〜契約結婚でスパダリを溺愛してみせる〜: Bab 11 - Bab 20

86 Bab

11.新しい自分の世界

「よし、投稿完了!」新しく買ったばかりのランチョンマットの上に、ゴールドが光り輝くカトラリーを並べる。花瓶には、鮮やかで大ぶりなダリアの花を挿した。自分で作った料理を新調したお皿に盛りつけ、テーブルコーディネートを施し、一枚の写真に収める。そして新しいSNSアカウントにそれをアップロードした。結婚して、平日の昼間に自由に会える友人はほとんどいないため、せっかく高級サロンで髪やネイルを整えても、誰も気づいてくれない。その寂しさが胸の奥でチクチクと刺さっていた。(律さんが相手をしてくれないなら、興味を持ってくれる人に発信するまでだわ。)私は、顔や素性は明かさず都内在住の「セレブ妻」として日々の生活を投稿することにした。結婚前は、ハイブランド風に見えるとネットで噂される物を探しては安く手に入れていたが、今は違う。本物を買うことができる。買い物をしている時と、SNSに「素敵ですね」と反応があった時だけは、少しだけ優越感に浸っていられた。今まで愛用していた本物に似ているといわれていた品も、実際に比較すると、鞄なら革の厚みやステッチの細かさなど見た瞬間にその違いは歴然だった。アクセサリーも同じで、光の輝き方や石の大きさ、透明度が全く異なる。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-20
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12.インフルエンサーの誕生?

「商品の紹介!?有名なインフルエンサーに声がかかるって聞いたけど、これって商品PR?私のところに来たの?認められたってこと?」DMを読んだ瞬間、頭の中に浮かんだのは、オーガニックコットンの部屋着やカシミアのニットなど高級感のある商品や、まだ日本では知名度の低い海外ブランドのバッグや靴・時計を身につえ、微笑む自分の姿だった。(白い大理石のテーブルにお花を添えて商品と一緒に撮ったら、すごく華やかになりそう。あと細部も分かるように写真もいろんな角度から撮れるように、スタンドや照明も買っちゃおうかしら!)たった一通のDMから、夢は無限に広がっていく。いつか、企業と共同開発で監修商品を作る会議に参加する自分の姿まで思い描いていた。そして、期待に胸を膨らませて添付してあるHPを確認すると、目に飛び込んできたのは、セクシーな下着や、フェムテック商品が並ぶ大人の女性向けの商品ページ。(ファッション用品とは書いてあったけど、思っていたファッションと全然違う!!しかも着用画像って何?下着姿をSNSで晒せっていうの?)みんなが憧れる『洗練されたセレブな女性』でいたかった私にとって、布地の少ない下着のPRは不快でしかなかった。それどころか、自分を低く見られたような気がして腹立たしさがこみ上げてくる。怒りをどうすることもできずに、スマホをソファに投げ出すと、画面が明るくなり、メッセージを知らせる通知音が鳴る。次に表示されたのは『律』の名前だった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-20
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13.良き妻と『セレブ妻』の演出

「明日、叔母の還暦を祝うパーティーを行うことになった。用意しておけ」律からの用件だけの簡潔で無駄のない文章は、心が感じられず腹が立つ。 「どうせこれも秘書が打った文章でしょ。用意しておけ、って…それなら自分から言いに来なさいよ!妻へのメッセージじゃなくてただの業務連絡じゃない」 部屋で一人、スマホを睨みつけながら毒づいていたが、その怒りはすぐにある名案へと変わった。(そうだわ、パーティーなら律さんもきちんとした格好をするはず。それに、私は『セレブ妻』なんだもの。夫らしき存在をたまには出さないと偽物だと思われるかもしれない。再来週は写真を撮る絶好のチャンスよ!)先日、腕を触っただけで嫌がられたことを考えると、一緒に写真を撮るなんてハードルが高いことは承知している。けれど、この機会を逃すわけにはいかない。「分かりました。叔母様へのプレゼントを用意したいので、好みを教えてもらえますか?」律の良き妻を演じるために、今から準備しようと甲斐甲斐しく返信をした。すると、しばらくしてから八文字の短い返事が返ってきた。「知らない、任せる」(は?任せるって、多少の好み知らないと選ぶの難しいじゃない!)
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-21
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14.秘められた家族

「話というのは、何だ。手短に言ってくれ」リビングに入るなりすぐさま本題に入る律に、分かっていながらもムッとした。彼は私に背を向けたまま、ジャケットを脱ぎ、ネクタイをゆるめている。話を聞く気はないらしい。「叔母様の好みを知らないなら、せめてお写真とかないの?服装や雰囲気からイメージを考えたいの」私の言葉に、律は少し意外そうな顔をして手を止め、テーブルに置いたスマホを取って何かを探してくれた。「親戚の結婚式で親族一同で撮った写真があった。真ん中の緑の服を着ているのが叔母だ」見せられたのは、五十人をゆうに超える大勢の親族が映る集合写真だった。顔と首元までしか映っておらず雰囲気を掴むのは難しいが、無いよりはマシだ。とても還暦には見えない、肌も髪も綺麗に手入れされた上品な女性が、新緑のように鮮やかな緑色のノースリーブのワンピースを着て微笑んでいる。五十代でノースリーブを着こなすのは相当美意識が高く、自信があることがうかがえる。「それにしても、すごい人数ね。映っているのは全員親族なの?」「ああ。俺もほとんど知らない」これだけたくさんの親族がいるなら、知らない人がいても無理はない。そう思いながら写真に目をやっていると、中央には、律の姉の香澄さんや、彼女と同い年くらいの女性が微笑んで
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-21
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17.煌びやかで侘しい生活

「わー、素敵なお店。こんなオシャレなお店で食事できるなんて夢みたい」この日、学生時代の友人とランチをするために自由が丘のレストランにやってきた。外のテラス席では、綺麗にトリミングされ、洋服を着た犬たちがリードに繋がれてペット専用の食事を美味しそうに頬張っている。「ね、でもこんな高そうな店、本当にいいの?」友人は、周りに聞こえないように身を乗り出して小さな声で尋ねてきた。「大丈夫。夫に市場調査をしてきてほしいと言われていてね。だから顔は映さないからお料理の写真を撮ってもいい?」笑顔で尋ねると、友人は目を輝かせて「もちろん!」と答えた。「でも、いいな。大企業の御曹司と結婚なんて、凛は幸せ者だね」「そんな……」そこまで言ってから、止めて言葉を濁した。謙遜ではなくて、愚痴や不満を言って、それが万が一律の耳に入り契約解除になったら困るからだ。私は、自分の料理とさりげなく友人の分の皿も映り込んだ写真を撮った。最近は、夫婦二人の食卓をイメージして、二人分と思われるハンバーグを焼いたフライパンなどの写真も投稿にあげていた。「わー、美味しそう。旦那様、幸せ者ですね」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-23
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18.著名人並みの盛大なるパーティー

「この度は、おめでとうございます」この日、律と二人で叔母の還暦パーティーに出席した。その規模は、「パーティー」と呼ぶにはあまりに盛大なものだった。会場には、ステージのように大きなグランドピアノが置かれ、叔母の娘のピアノの先生でプロのシンガーソングライターでもある女性がお祝いの生演奏を披露している。会場中央には、生け花の先生による色鮮やかなモニュメントが飾られており、その圧倒的な存在感に言葉を失った。(何これ。啓介の創立パーティーの時くらいに豪華じゃない……。)元彼・啓介の結婚の邪魔をしようと、啓介の会社の創立に忍び込んだあの日のことを思い出す。ホテルの会場を貸し切り、百人ほどの従業員や家族が集まり賑わっていた。今日は、親族や叔母と親交のある友人だけと聞いていたが、それでも百人近くが参加している。会社の経営に携わっていない叔母のために、これだけの人が集まることに私は驚きを隠せないでいた。「あら、律と凜ちゃんも来ていたの」律がトイレで席を立ち、一人になった私を見つけて、律の姉・香澄さんが声を掛けてくれた。彼女の隣には、小型犬のような愛くるしい顔立ちで柔らかな印象の男性が立っている。彼は私に会釈をした。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-23
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20.リードはどちらが握るのか?

「なんで、お前がここにいる?」その日の夕方、私はルームキーを使って律の部屋に入り、リビングのソファで彼の帰りを待っていた。玄関の靴を見て、私がいることが分かった律は怪訝そうな顔で部屋に入ってきた。「昼間の行動はなに?なんで私を帰らせたの?あなたの言う通り、変なことはしていないわ」「では、なんで隼人さんと二人きりで話をしていたんだ」律は、冷たい瞳で私を睨みつけている。「それは、香澄さんが声を掛けてくれた時に隼人さんもいたからよ。最初は三人で話をしていたけれど、香澄さんが呼ばれて二人きりになったの」「それにしては、隼人さんと距離も近くて親しそうだったな。何を企んでいるんだ。隼人さんに何を聞いた?」「それは、隼人さんから近付いてきて、私は何もしていないわ!」「近づいてきて……ね。隼人さんには近づくな。勝手な真似をされては困る。」仮にも今は律の妻なのに、蓮見家の事情も隼人のことも何も教えてもらえない。それどころか、私の言葉を信用せず、隼人の行動は、私が故意に誘い込んだと決めつけるような物言いに、腹わたが煮えくり返った。「何よ、さっきから言わせておけば偉そう
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-24
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