閉ざされた扉の前で、アレクは立ち尽くしていた。 騎士たちに命じれば、扉を破るのは容易い。しかしそんなことをしても、エリアーリアの心は開かないだろう。 その時、店の入口からアルトとシルフィが顔を出した。 なかなか戻って来ないアレクと母を心配しているのだ。「かあさま、どこ?」 アルトが言う。家の中に母の姿が見えず、不安そうな表情だ。 アレクは子どもたちの前に膝をついて、話しかけた。「エリアーリアは、俺が急に来たので驚いてしまったようだ。奥の部屋に行ってしまってね」「そうなの? ……ねえ、かあさま、出てきてよ。王様が来てるんだよ」 シルフィが扉をトントンと叩く。返事はない。 アレクは想い人の内心を思って、ため息をついた。 本当はここで一度引き下がるべきなのかもしれない。けれど彼は、どうしても彼女と離れたくなかった。◇ 扉の向こうから聞こえてくる双子の声に、エリアーリアは胸が張り裂けそうになる。 彼女は扉に背を預けて座り込んだ。 もっと冷静に、子どもたちのことを含めて話し合うべきだ。理性はそう告げているが、荒れ狂う感情が心をかき乱している。判断ができない。 今ここで扉を開けてしまえば、もう一度アレクの姿を見てしまえば、全てが後戻りできなくなる。 必死に自分を押さえつけることしかできなかった。◇「少し、二人だけにしてくれないか」 アレクは双子にそう頼んだ。「うん、分かった。外で騎士さんと待ってる」 アレクが心配そうに頷くと、シルフィも言った。「王様、かあさまをいじめないでね」「いじめないよ。話をするだけだ。君たちは優しい子だね」 アレクは双子の頭を撫でると、小屋の扉から外へ出るよう促した。 一人になった彼は、改めて扉の前に進み出る。王としてではなく一人の男として、扉の向こうの愛しい人に語りかけた。「エリア
Huling Na-update : 2025-11-06 Magbasa pa