潤は明里に電話をかけたが、繋がらなかった。一度目は、入浴中か何かで手が離せないのだろうと思った。時間を置いてもう一度かけてみたが、やはり誰も出ない。留守電にメッセージを残し、聞いたらすぐに連絡をくれるよう伝えた。結局三十分以上待ったが、明里からの返信はなかった。再度かけてみると、今度は「電源が入っていない」というアナウンスが流れた。潤は自分に言い聞かせた。何か用事で忙しくてスマホを見る暇がなく、そのうちにバッテリーが切れてしまったのだろうと。よくあることだ。だが、しばらく座っていると、どうにも落ち着かなくなってきた。宥希が気持ちよさそうに眠っているのを確認してから立ち上がり、足早に階下へと向かう。車のエンジンをかける前に、ダメ元でもう一度明里に電話をかけたが、やはり電源は切れたままだ。明里の住むマンションの下に到着して初めて、家政婦の鈴木の電話番号を登録していなかったことを後悔した。少し考え、胡桃に電話をかけることにした。胡桃はちょうど激しい嘔吐が収まったところで、樹に支えられながら口をすすいでいた。樹の顔にもありありと不安が浮かんでいる。スマホの着信音に、胡桃が力なく視線を向ける。樹が急いでスマホを取り上げ、画面の名前を見て一瞬固まった。「潤から電話?」胡桃が震える手を伸ばして通話ボタンを押して、スピーカーにした。「もしもし、潤?」「俺だ。明里ちゃんと連絡がつかない。そっちにいるか?」「連絡が取れない?どういうこと?」胡桃の声が弱々しいことに気づいたが、潤も気遣っている余裕はなく、手短に状況を伝えた。「何度かかけたんだが誰も出ない。今は電源が切れている状態だ」「鈴木さんに電話して聞いてみるわ」「俺は今、彼女のマンションの下にいる。連絡がついたら、すぐに折り返し電話をくれ」胡桃が頷いて電話を切ると、すぐに鈴木に電話をかけようとした。樹が彼女をベッドに横たわらせ、スマホを取り上げた。「俺がやる」彼も鈴木のことは知っている。胡桃は全く力が入らず、素直に彼に任せることにした。樹が鈴木の番号を探し出し、発信する。鈴木は早寝なので、すでにベッドに入っていた。コール音がしばらく続いてから繋がり、眠気の混じった声が聞こえた。「胡桃ちゃん?どうしたの?」「
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