スマホには、苓さんの名前。私は急いでスマホのロックを解除して、連絡を確認する。すると、そこには「駐車場で待ってますね」と言う苓さんからの連絡が来ていた。「もっ、もう着いたの!?」もしかして苓さんは、定時前にこちらに向かっていたのでは。私は急いでやり残した仕事がないかを確認して、パソコンをシャットダウンする。バッグとコートを掴み、足早に本部長室を後にした。地下駐車場。カツカツとヒールの音を鳴らし、急いで駐車場に向かう。駐車場に着くと、すぐに苓さんを見つける。車の外でドアに凭れてスマホを操作している姿すら、とても絵になっている。シャープな横顔から覗く苓さんの瞳が、スマホに落とされている。まだ、私がこの駐車場に着いている事に気づいていないのかも。そう思った私に、ちょっとした悪戯心が芽生えた。苓さんを驚かせてしまおうか?そう考えた私は、ゆっくり苓さんの背後に移動して、足音を立てないように気をつけて歩いて行く。細身に見えるけど、広い背中にがっしりとした肩幅。苓さんに抱きしめられると、服の下に確かしっかりと付いた筋肉の厚みを感じられる。苓さんは背が高くて、立っている苓さんには背伸びをしても目を塞げない。じゃあ、どうやって驚かせようか。後ろから背中を叩いてみる?抱きつくのは、ここは私の会社だし、社員に見られてしまったら恥ずかしい。お父様に見られてしまったら恥ずかしい所じゃない。私は、無難に苓さんの背中を叩く事にした。苓さんのすぐ背後までそっと近づいた私は、自分の手を伸ばした。ちらり、と苓さんを見上げて気づいていないかを確認しようとした私は、苓さんの肩が小さく震えている事に気付いた。けど、伸ばした手はすぐには止められない。苓さんの肩に私の手が触れる瞬間、苓さんがくるりと振り返った。「茉莉花さん、ただいま」「──えっ、あ!きゃあっ!」一歩後ろに下がった苓さんの肩を叩き損ねた私は、バランスを崩してそのまま前方につんのめってしまう。けど、苓さんが倒れ込ま私をすっぽりと危なげなく抱きとめた。「〜っ、れ、苓さん、気付いていたんですか!?」「ふっ、ふふ。ええ、茉莉花さんが降りてくる足音に気づいてました。そっと俺に近付く茉莉花さんが可愛くて。悪戯を仕掛けようとしたんでしょう?」ぎゅうーっと苓さんに抱きしめられる。嬉しそうに笑
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-12-10 อ่านเพิ่มเติม