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第13話(35)

 執拗に内奥を擦られて、熱くなって震えるものの先端から、透明なしずくを滴らせる。その様子を、鷹津はまばたきもせず凝視していた。「……なるほど。最初にお前を抱いたときにわかったつもりだったが、今日また、実感した。お前は――いい〈オンナ〉だ。とことん男を悦ばせて、狂わせてくれる」 片足だけを抱え上げられて、指で綻ばされた内奥の入り口に、鷹津の欲望が擦りつけられる。「うあっ……」 性急に押し入ってきた鷹津のものを、意識しないまま和彦の内奥は締め付ける。すぐに鷹津は腰を使い始め、苦しさに喘ぎながらも和彦は、深々と貫かれていた。「――佐伯」 鷹津に呼ばれて見上げると、半ば強引に唇を塞がれる。熱い舌に口腔をまさぐられ、唾液を流し込まれているうちに、和彦は口づけに応えていた。舌を絡め合う頃には、鷹津が内奥深くをゆっくりと抉り始め、官能を刺激されて腰が揺れる。「あうっ、うっ、ううっ」 円を描くように内奥を掻き回されると、抵抗を覚えながらも和彦は、鷹津の背に両腕を回してしがみついていた。ほとんど癖のようになっているが、刺青のせいで独特の質感を持つ肌をまさぐろうとして、戸惑う。刑事である鷹津の背に、当然のことながら刺青などない。 和彦の行為の意図を察したのか、鷹津は薄く笑んだ。「お前はいつもそうやって、ヤクザの男たちを可愛がっているのか? お前のこの手つきにかかったら、強面のヤクザもペットみたいなものだな」「うる、さい……」 鷹津の返事は、貪るような口づけだった。その合間に内奥を突き上げられ、抉られて、和彦は肉の悦びに酔う。鷹津にしがみついたまま身を震わせ、噴き上げた絶頂の証で下腹部を濡らしていた。 上体を起こした鷹津は、内奥の淫らな蠕動を堪能するように激しく腰を使い、和彦は仰け反って放埓に声を上げる。「ああっ、あうっ、うっ、んあっ」 鷹津が乱暴に腰を突き上げてから、動きを止める。和彦は、自分の中で力強い脈動を感じ、身震いするほどの興奮を覚えた。どんな男であろうが隠しようのない、素直な反応だ。例え、心底嫌な男である鷹津で
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第13話(36)

 侮辱されたと思い、和彦は唇を引き結んで鷹津を睨みつける。しかし鷹津は痛痒を感じた様子もなく、和彦の濡れた肌を両手でまさぐってくる。 触れられないまま凝った胸の突起を抓られ、感じた疼きに身を捩った途端、内奥深くに収まった鷹津のものが蠢き、官能を刺激される。和彦は上擦った声を上げ、その声に唆されたように、鷹津が胸の突起にしゃぶりついてきた。「はあっ、あっ、あっ――ん」 内奥を犯されながら胸を愛撫され、和彦はベッドの上でしどけなく乱れる。そんな和彦の姿を、鷹津は目でも楽しんでいるようだった。目を細め、口元に嫌な笑みを浮かべている。 そんな男から与えられる口づけにすら、和彦は感じてしまう。獣のような粗野さで口腔を舌で犯されながら、内奥もふてぶてしい欲望で犯されるのだ。無意識のうちに、腰を揺らして求めていた。「感極まる、というやつだな。さっきから、お前の尻が締まりっぱなしだ」 口づけの合間に下卑た言葉を囁かれたが、もう和彦は睨みつけることもできなかった。羞恥して目を伏せると、誘われたように鷹津の唇が目元に押し当てられる。 求められるまま和彦は、差し出した舌を鷹津と絡め合っていた。どんなに嫌な男でも、今、強烈で深い快感を与えてくれているのは、この男なのだ。 鷹津の欲望が内奥で爆ぜる。注ぎ込まれる熱い精を和彦は、小さく悦びの声を上げながらすべて受け止めた。** いつの間にか体の下に敷き込んだバスタオルに、うつ伏せの姿勢のまま和彦は頬をすり寄せる。行為の間中、このふかふかとした感触をずっと握り締めていたような気がする。「――お前は、刺青は入れないのか」 突然、頭上から声が降ってくる。わずかに視線を動かして見上げると、何も身につけないままベッドにあぐらをかいて座った鷹津が、グラスに注いだワインを飲んでいた。「ぼくは、ヤクザじゃない。なんでそんなものを入れないといけないんだ」「入れろと言われないか」「……たまに」「この体に何か彫ったら、凄まじく、いやらしくなるだろうな」 性的趣向が賢吾と似ているのではないかと思わせることを言っ
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第13話(37)

「だから、その気はないと言ってるだろ」「オンナの言い分を聞いてくれるうちは、まだいいが、長嶺は蛇みたいな男だぞ。……そのうち、お前の言うことなんて無視して、押さえつけてでも入れるかもしれない」 のっそりと和彦の背に覆い被さってきた鷹津が、肌を舐め上げてくる。まだ情欲が冷めていない和彦は、心地よさに身を震わせた。「あんたなら、刺青を入れた〈女〉を抱いたことがあるだろ」「ああ。ヤクザとは無縁の、興味本位で入れたっていう若い女だ。……あんな体じゃ、普通の男は腰が引けて逃げ出すな。今頃は本当に、ヤクザかチンピラの女になっているかもしれない」「……悪徳刑事と寝るぐらいなら、ヤクザも怖くないかもな」 和彦のささやかな皮肉に対して、返ってきたのは低い笑い声だった。そしてふいに、背にひんやりとした液体を垂らされる。反射的に身を起こそうとしたが、鷹津に肩を押さえつけられた。空になったグラスが目の前に放り出されたため、背にワインを垂らされたようだ。「自分のことを言ってるのか、佐伯?」「ぼくは……ヤクザは怖い」「怖いのに逃げ出さないのか」 うるさい、と囁くように応じた和彦は、微かに喘ぐ。鷹津が、背に垂らしたワインを舐め取り始めたのだ。背骨のラインに沿って舌が這わされ、手慰みのように強く尻を揉まれる。「俺が知っているヤクザの女は、独特の色気がある。不健康で、危うくて、見るからに厄介そうで。だからこそ、放っておけない。――お前は、逆だ。男で、一見して健康的で健全で、恵まれた環境にいる、真っ当な社会人に見える。だけど内に抱えたものは、下手なヤクザの女より、厄介で、複雑だ。そういうお前にとってヤクザの男どもは、相性がいいのかもな。体の相性は、俺ともいいが」「……勝手に決めるな」 和彦はゆっくりと仰向けになると、自分もワインが飲みたいと鷹津にせがむ。思った通り鷹津は、口移しでワインを飲ませてくれた。そのままベッドの上で絡み合い、再び鷹津と一つになる。「あっ、あぁっ――…&he
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第13話(38)

 鷹津の背に爪を立てた和彦は、何げなく視線を窓のほうに向ける。いつの間にか日は落ち、夜の闇に街並みの人工的な明かりが浮かび上がっていた。ここで和彦は、自分が昼から何も食べていないことを思い出す。「先日といい、あんたと寝ると、空きっ腹を抱えたままになる」「今から、ルームサービスを頼んでやろうか?」 ニヤニヤと笑いながら鷹津が言い、ぐうっと内奥深くを突き上げてきた。和彦は唇を噛んで顔を背ける。痺れるような快感が、腰から這い上がってくる。こうなると、答えは一つしかなかった。「――あとで、いい……」** コーヒーを一口啜った和彦は、テーブルの上に置いた携帯電話を取り上げる。時間を確認すると、ごく普通のビジネスマンならそろそろ出勤している頃だ。 そういえば、と和彦は視線を正面に向ける。コーヒーを飲みながら、鷹津は優雅に新聞を開いていた。「……あんた一応、公務員だろ。仕事に行かなくていいのか」 新聞から顔を上げた鷹津が、芝居がかった動作で自分の腕時計を見る。「もう一回楽しめるぐらいの時間はあるぜ?」「冗談じゃないっ」 ムキになって言い返した和彦だが、すぐに、この反応ははしたないと思い、顔をしかめた。そんな和彦を、鷹津は口元に笑みを湛えて眺めていた。「そんなツレない言い方をしなくてもいいだろ。仮にも俺は、一晩過ごした相手だぞ」 鷹津の言葉に、知らず知らずのうちに和彦の顔は熱くなる。確かに、鷹津の言う通りだった。 昨日から今朝まで、ずっとこの部屋で過ごしていた。しかも大半の時間は、ベッドの上で絡み合っていた。情欲が鎮まっても、まるで嫌がらせのように鷹津は、和彦を離してくれなかったのだ。「今朝は目覚めがすっきりだ。なんといっても、ヤクザに踏み込まれる心配もなく、お前とこうしてのんびりと、ルームサービスで頼んだコーヒーを味わえるんだからな」「あんたはゆっくりすればいい。ぼくにはもうすぐ、迎えが来るんだ」 これは、本当だ。ロビーで待ち合わせることになっており、その時間は近い。和彦はもう一度携
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第13話(39)

「あれだけベッドの中でいろいろ話したのに、まだ俺に聞きたいことがあるのか」「……あんたは、どうでもいいことしか言ってない。役に立ちそうなことは何も言ってないだろ。――秦のことだ」 鷹津は大仰に驚いた表情を見せた。「あの色男がどうした?」「今のあんたなら、秦が何者なのか、もうわかっているんだろ。あんたが、秦絡みの件で動くとしたら、多少は事情を聞いたはずだ」「あいつのことを知ってどうする」 口元に薄笑いを浮かべながらも、鷹津の眼差しは鋭かった。その眼差しに気圧されたわけではないが、和彦は咄嗟に言葉が出なかった。 秦のことを知ってどうにかしたいわけではない。ただ、気になるだけだ。秦という個人に対してであれば抑えられた好奇心かもしれないが、和彦は、その秦に執着している中嶋と〈友人〉なのだ。秦と中嶋の事情に少しとはいえ立ち入ってしまうと、知らない顔はできない。「別に、どうもしない。気になるだけだ。どうして組長は、秦の後ろ盾になる気になったのか、とか」「ヤクザは、自分の利益にならないことでは、指一本動かさんぞ。これは、基本だ。そして俺が、お前に教えてやれる唯一のことだ」 つまり、教える気はないということだ。 和彦は鷹津を睨みつけてから、テーブルの上の携帯電話を取り上げる。コートのポケットに突っ込んで、足早に部屋をあとにしようとしたが、鷹津があとを追いかけてきた。いきなりドアに押さえつけられ、威圧的に鷹津が迫ってくる。「おい――」「まだ、時間はあるだろ」 次の瞬間、唇を塞がれた。和彦は間近で鷹津を睨みつけはしたものの、痛いほど唇を吸われているうちに、応じずにはいられなくなる。「んっ……」 強引に侵入してきた舌に口腔を犯されてから、唆されるように引き出された舌に軽く噛みつかれる。そのうち舌を絡め合っていた。 鷹津は、容赦なく和彦を貪ってくる。唇と舌を吸い、唾液すら啜ってくる。狂おしい口づけの合間に、掠れた声で鷹津が囁いた。「――早く、次の仕事を持ってこい。そうじゃないと、褒美としてお前を与えられないからな。&
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第14話(1)

**** 物が増えていくに従って、この部屋の居心地のよさが増していくのは、果たしていいことなのだろうか。 横になってぼんやりとテレビを眺めながら、和彦はそんなことを考える。 この部屋の何もかもが心地よく、愛しい。必要最低限のものを揃えただけのワンルームは、何日かに一度、一晩を過ごすぐらいしか使っていない。それでも、ここで確かに生活している空気や匂いが染み付いている。――二人分の。 和彦に腕枕をずっと提供してくれている男は、体にかけた毛布の下で和彦の肩先が冷えていないか確かめるように、ときおり思い出したようにてのひらを這わせてくる。大きくて温かい、さらりと乾いた感触のてのひらだ。 てのひらだけではない。体を横向きにしている和彦は、ずっと背に、包み込むような体温を感じていた。 和彦は、テーブルの上に置いた小さなテレビからそっと視線を外し、目の前にある大きな手を見る。腕枕をしている三田村の手だ。和彦はその手に、自分の手を重ねる。すかさず、ぐっと握り締められた。「――眠っているかと思った」 背後から和彦の耳に唇を押し当て、ハスキーな声をさらに掠れさせて三田村が囁いてくる。和彦は自然に笑みをこぼした。「ああ、軽くウトウトしていた。……気持ちよくて」 外で食事を済ませてから、夕方、この部屋を二人で訪れた。シャワーを浴びて、ベッドの上で体を重ね、そのまま三田村に抱き締められながら、少し眠っていたのだ。 和彦が目を覚ましたとき、買ったばかりのテレビがついており、夜のバラエティー番組が流れていた。漫然と観てはいたものの、実は内容はよくわからない。音量がかなり抑えられているせいだ。番組を観たいというより、電気を消した部屋での、照明代わりということだろう。「邪魔なら、テレビを消そうか?」「いい。あんたと一緒の夜は、夜更かしすることにしているんだ」 三田村が笑った気配がしたあと、肩に唇が押し当てられた。 三田村は、いつでも和彦に優しい。その態度は、和彦が鷹津に抱かれたあとでも変わらない。 和彦も三田村も、普通の恋愛関
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第14話(2)

 先週は、ホテルの部屋で鷹津と一晩中絡み合い、今は、こうして三田村と特別な部屋で一晩を過ごそうとしている自分を、怖い生き物だと和彦は思う。怖いほど、貪欲で淫奔だ。ときおり自己嫌悪に陥ったりもするが、完全に呑み込まれてしまわないのは、結局、自分を取り巻く男たちのおかげだ。 皮肉なことだが、今の閉鎖的な環境の中で和彦は、ヤクザでないからと拒否されるどころか、守られているのだ。 和彦を守ってくれる男の一人である三田村は、慈しむように何度も、肩に唇を押し当ててくる。くすぐったくて小さく笑い声を洩らすと、背後からしっかりと抱き締められた。 三田村の腕の中は、何よりも心地いい。この部屋の空間だけでは不完全で、三田村の存在があって初めて、和彦が寛げる居場所となる。 毛布の下で足を絡めながら、腰に三田村の生々しい存在を感じる。もう少しで、新たな欲望の高まりが起こりそうだと予感しながら、それでも和彦は穏やかな気持ちでいられた。 こんな気持ちに浸っていると、不思議と賢吾の思惑というものが見えてくる。 賢吾は、さまざまな男と関わり、交わる和彦の精神的なバランスを、気づかっている節がある。サソリのような鷹津と一晩を過ごした和彦に、こうして三田村と過ごす時間をくれたのは、和彦の精神状態を落ち着かせようとしているからだろう。 鷹津という男の強烈な〈アク〉に慣れてしまったら、配慮されることもなくなるのだろうかと、ふとそんなことを考えた和彦は、腕枕をしている三田村の腕にてのひらを這わせた。すると背後から、さらに強く三田村に抱き締められる。 求められていると実感していると、思惑も理屈も、どうでもよくなってくる。三田村が優しいのも、こうして抱き締めてくる腕の感触も現実で、それは和彦と三田村の二人だけが知っていることだ。 三田村の体温を感じながら、思い出したように他愛ないことを話していたが、和彦の視線はテレビに吸い寄せられる。あるイベントには欠かせない、白と赤が特徴のコスチュームが映っていた。「――……そういえば、今月だったな……」 思わずぽつりと洩らすと、三田村の息遣いが耳に触れた。「先生?」
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第14話(3)

 和彦は寝返りを打ち、体ごと三田村のほうを向く。その三田村は、テレビに視線を向けていた。和彦がなんのことを言っているのかわかったらしく、小さく声を洩らす。「ああ、そうか……」 申し合わせたように二人は、同じ単語を口にした。 クリスマス、と。 物騒なヤクザが口にするには不似合いな言葉だなと思った途端、和彦はつい声を洩らして笑ってしまう。そんな和彦を、三田村は優しい眼差しで見つめてくる。「クリスマスの日は、イブも含めて、先生は大忙しだろうな」「どうかな。案外、みんな予定が入って、ぼくは一人で過ごすかもしれない」「それはないだろう。……もし仮にそうなったら、俺が喜んで、先生の予定を押さえさせてもらう」 和彦は三田村の頬を撫でてから、囁く。「ぼくより忙しい若頭補佐が、何言ってるんだ」 三田村は、淡く苦笑した。否定しなかったということは、実際、忙しいのだろう。こうして一晩過ごす時間も、スケジュール管理をある程度自由に行える和彦とは違い、組の都合が優先の三田村は、賢吾の命令とはいえ苦労して作っているはずだ。「クリスマスまでの浮ついた空気は好きだけど、クリスマス自体はあまり興味はないんだ、ぼくは」 つい先日、澤村と会ったときにクリスマスの話題が出たというのも、すっかり忘れていたぐらいだ。普通の暮らしをしていれば、他愛ない世間話として耳に入ることもあるだろうが、今の和彦の生活は、そういうものとは無縁だ。「……そんな先生と、クリスマスを過ごしたいと願う人間はいる。案外、ロマンチストな男は多い」「あんたも含めて?」 三田村からの答えはなく、代わりに、頭を引き寄せられて唇を塞がれる。熱っぽく唇を吸い合い、焦らすように舌先を触れ合わせ、擦りつける。和彦は、穏やかなキスを堪能する。「大きなクリスマスツリーを見るのも好きなんだ。きれいに飾りつけられて、キラキラ光って……。そのクリスマスツリーを見上げる人たちが、みんな楽しそうな顔をしてる。そういう風景を含めて、見ていると楽しくなってくる」
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第14話(4)

「クリスマスツリーなら、もう今から飾っているところもあるだろ。先生が見に行くなら、俺もつき合っていいか?」 三田村の背の虎を丹念にてのひらで撫でながら、和彦は笑いかける。「残念。――あんたが興味ないと言っても、無理やりつき合わせるつもりだった」 よかった、と三田村の唇が動き、そのまま深い口づけを交わす。 すでに三田村を受け入れ、精すら受け止めた和彦の内奥は、柔らかく蕩けている。それどころか、身じろいだ拍子に内奥の入り口から精を溢れさせていた。三田村は、指先を這わせてそれを確認すると、すぐに熱い欲望を擦りつけてきた。「んうっ」 鼻にかかった声を洩らした和彦は、逞しいもので再び内奥をこじ開けられる感触に、身を捩りたくなるような肉の悦びを感じる。「はっ……、あっ、あうっ……ぅ」 三田村の精に塗れた襞と粘膜が、三田村の欲望に絡みつき、吸い付く。深い悦びを与えてくれる大事な〈オトコ〉に対して、和彦の体は従順で、健気ですらある。 ぐうっと内奥深くを突き上げられ、自分でも恥知らずだと思うほど、和彦は感じて、嬌声を上げていた。「ああっ、いっ、い、い……、三田村、そこ、好き――」 三田村はゆっくりと律動を繰り返しながら、必死にしがみつく和彦の耳元に深い吐息を注ぎ込んでくる。子供のように三田村の唇を求め、与えられた口づけを堪能する。 抱き合い、体の位置を入れ替えると、今度は三田村に求められ、和彦は繋がったまま上体を起こしていた。三田村の腰に跨った姿を、その三田村に見上げられ、羞恥で体を熱くしながらも、下から突き上げられるたびに快感に身を震わせる。 三田村は両てのひらを和彦の体に這わせながら話す。「――変な感じだ。いい歳になってから、クリスマスの話を誰かとするなんて。柄にもなく、俺も少し浮かれてきた」 すでに反り返り、先端から透明なしずくを垂らしていた和彦のものが、三田村の片手に握られて扱かれる。背をしならせて乱れながら和彦は、意識しないまま内奥をきつく収縮させていた。 和彦は三田村の逞しい胸に両手を突き、緩や
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第14話(5)

 先生は、と問い返してこないのは、三田村の誠実さの表れだ。かつて和彦は三田村に、自分の家のことについて尋ねるなと言ったことがある。三田村は律儀に守ってくれているのだ。 和彦は三田村の左手を取り、肉が抉れたような傷跡がある手の甲を撫でてから、自分の胸に押し当てさせる。和彦の求めがわかったのか、三田村はてのひらで捏ねるように胸の突起を転がしたかと思うと、凝ったそれを指先で抓って刺激してくる。「んっ、んあっ」 快感の源でもある三点を同時に責められ、和彦は三田村が見ている前で悩ましく腰を揺らす。内奥で蠢くものを、さらに奥に誘い込むように締め上げた。 強烈だが、穏やかでもある交歓を二人は堪能する。もっと長くこの悦びに浸りたくて、ギリギリのところで和彦も三田村も快楽をコントロールしていた。 ただ、和彦の気持ちの箍はわずかに緩む。自分の武骨なオトコが、ほろ苦い思い出話をしてくれたからだ。「――……ぼくも、クリスマスはしたことがない」 喘ぐ息の下、和彦がぽつりと洩らすと、三田村はそっと目を細めた。「そうなのか?」「イベント事を嫌う家があったところで不思議じゃないが、そういうことじゃなく、佐伯の家は変わっている。人の出入りは頻繁にあったのに、いつも家の中は淡々とした空気が流れていた。……あの家に住んで、馴染めなかったぼくだけが、そう感じていたのかもしれないが……」 ここで三田村の手が伸ばされて頬にかかり、和彦は目を丸くする。三田村が、真剣な顔で言った。「先生を騙してさらうようなマネをしたヤクザが、何を言っているのかと思うだろうが……、今の環境なら、先生にそんな思いはさせない――というより、させたくない。不器用で気が利かない俺にできることなんて、ささやかなものだろうけど」「……若頭補佐は、ずいぶん口が上手くなったな」 からかうように言いながらも、和彦は笑みをこぼす。今、たまらなく三田村にキスしたいが、繋がりを解きたくはない。 和彦は、頬を撫でる三田村の左手を取ると、指を舐め上げ
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