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第13話(37)

作者: 北川とも
last update 公開日: 2026-01-22 08:00:47

「だから、その気はないと言ってるだろ」

「オンナの言い分を聞いてくれるうちは、まだいいが、長嶺は蛇みたいな男だぞ。……そのうち、お前の言うことなんて無視して、押さえつけてでも入れるかもしれない」

 のっそりと和彦の背に覆い被さってきた鷹津が、肌を舐め上げてくる。まだ情欲が冷めていない和彦は、心地よさに身を震わせた。

「あんたなら、刺青を入れた〈女〉を抱いたことがあるだろ」

「ああ。ヤクザとは無縁の、興味本位で入れたっていう若い女だ。……あんな体じゃ、普通の男は腰が引けて逃げ出すな。今頃は本当に、ヤクザかチンピラの女になっているかもしれない」

「……悪徳刑事と寝るぐらいなら、ヤクザも怖くないかもな」

 和彦のささやかな皮肉に対して、返ってきたのは低い笑い声だった。そしてふいに、背にひんやりとした液体を垂らされる。反射的に身を起こそうとしたが、鷹津に肩を押さえつけられた。空になったグラスが目の前に放り出されたため、背にワインを垂らされたようだ
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