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第14話(5)

Auteur: 北川とも
last update Date de publication: 2026-01-23 14:00:09

 先生は、と問い返してこないのは、三田村の誠実さの表れだ。かつて和彦は三田村に、自分の家のことについて尋ねるなと言ったことがある。三田村は律儀に守ってくれているのだ。

 和彦は三田村の左手を取り、肉が抉れたような傷跡がある手の甲を撫でてから、自分の胸に押し当てさせる。和彦の求めがわかったのか、三田村はてのひらで捏ねるように胸の突起を転がしたかと思うと、凝ったそれを指先で抓って刺激してくる。

「んっ、んあっ」

 快感の源でもある三点を同時に責められ、和彦は三田村が見ている前で悩ましく腰を揺らす。内奥で蠢くものを、さらに奥に誘い込むように締め上げた。

 強烈だが、穏やかでもある交歓を二人は堪能する。もっと長くこの悦びに浸りたくて、ギリギリのところで和彦も三田村も快楽をコントロールしていた。

 ただ、和彦の気持ちの箍はわずかに緩む。自分の武骨なオトコが、ほろ苦い思い出話をしてくれたからだ。

「――……ぼくも、クリスマスはしたことがない」

 喘ぐ息の下、和彦がぽつりと洩らすと、三田村はそっと
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  • 血と束縛と   第16話(40)

    『脇腹を刺されたということです。刺された本人が、自分で車を運転して事務所に戻ってきたということなんですが……』 事情を聞く前に刺された本人は気を失い、傷口もひどい有り様だということで、和彦を呼ぶことになったらしい。 患者の様子を聞きながら和彦は、治療に必要なものを組員に告げる。 自分のクリニックだからといって、納入された薬や医療用品を自由に持ち出せるわけではない。むしろ、すべての在庫を管理して、常に詳細な数を把握しておく必要がある。表向きは健全なクリニックとしては、これは当然の処理だ。一方で、組関係の仕事のために、帳簿に載ら

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  • 血と束縛と   第16話(9)

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