All Chapters of 別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが: Chapter 61 - Chapter 63

63 Chapters

客引き

「やはり、空を飛ぶのは疲れるのか?」「そこそこね、常に早歩きしているぐらいの感覚よ」「そんなもんなのか」 そんな会話をしていると、マルクエンが声を掛けられた。「そこのお兄さん!! 美味しいパスタとデザートのお店はいかがですか?」 声の主は猫耳の小柄な亜人だ。「えっ、私ですか?」「そうです、お兄さんと彼女さんですにゃ!!」 ラミッタは自分を彼女扱いされたことに赤面し、プンプンと怒り出した。「私がこんな奴の彼女!? ないない、ありえないから」「あら、そうだったのですか? これは失礼。仲が良さそうなのでてっきり」「はぁー? どこをどう見たら仲良く見えるのよ!!」「まぁまぁ、ウチのお店どうですか? 美味しいパスタとデザートのお店です!」 パスタと言われマルクエンは、ふむと考える。「良いんじゃないのか? ちょうどパスタにしようかと話していたんです」「それは奇遇! なんとも奇遇!! 是非ぜひ当店へ!」 彼女と勘違いされたラミッタはむくれて渋々だったが、二人は店に入ることにした。 ファンシーでにぎやかな店内を見て、マルクエンは防具をギルドに預けておいて良かったなと思う。「二名様ご案内ですにゃー!!」 席に通され、メニューを見る。様々な種類のパスタがあり、マルクエンは悩む。「うーん。どれにしようか」「早く決めなさいよ」「ラミッタはもう決まっているのか?」「私はイカスミパスタがあるから、これにするわ」 イカスミと聞いてマルクエンは驚く。「イカ? イカって触手がもじゃもじゃのあの?」「それしかないでしょう」 ラミッタは呆れ顔で返す。「確かイカのスミってインクに使うんじゃ無かったか? 食べられるのか!?」「食べられるわよ……」 そうなのかと不思議そうな顔をするマルクエン。「食べてみたら?」「い、いや、私はカニのクリームパスタにする。大盛りも出来るみたいだな」「そう。デザートはどうするの?」 そう言えばデザートもオススメだったなと思い。メニュー裏面のデザートを見る。 イチオシは写し絵がでかでかと載っている『いちごパフェ』だ。「私はこのパフェを頼む」「私もデザートはそれでいいわ」 早速、マルクエンは近くに居た店員に注文をし、一息つく。「お客様、失礼します」 ウェイトレスが紅茶を持ってきたので、マルクエンはキョト
last updateLast Updated : 2026-03-04
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しんみりと

 マルクエンは夢中でパクパクとパフェを食べ進めていた。「私の国でも氷魔法を使用したアイスクリームはあったが、これはまた別格に美味いな」「ルーサのアイスはもっと美味しいわよ」 ラミッタが言うと、マルクエンは興味津々だ。「ルーサのアイスか。食べてみたいものだな」「無理に決まっているじゃない、戦争中よ?」 この二人はイーヌ王国とルーサが終戦したことを知らない。「あぁ、そうかもしれんが……」 攻撃を仕掛けたのはイーヌ王国だ。マルクエンは思わず俯く。「……まぁ、今の私達には関係ないことよ」「ラミッタ。私達が死んだ後、戦争はどうなったと思う?」「ちょっ、誰かに聞かれたらどうすんのよ!!」 今更になってラミッタは会話を誰かに聞かれていないかと焦るが、賑やかな店内では誰もこの会話を聞いていないみたいだ。「あっ、あぁ、すまない」「戦争なんていつかは終わるわ」「そうだな。そうだと……良いな」 あからさまにテンションが下がるマルクエン。「もう、せっかく美味しく食べていたのに。台無しよ」「いや、すまん……」「……、私も話題にしたから悪かったわ」 気まずい空気が流れ、黙々とパフェを食べる二人。「お客さーん。お味の方はいかがですかにゃ? って、何か元気なさそうだにゃ! 美味しくなかったのかにゃ!?」 やって来た猫のウェイトレスが、しんみりとする二人を見て慌てていた。「いえ、料理は美味しかったです。ちょっと昔のいざこざを思い出してしまいまして……」「ありゃ、そうだったのですかにゃ。まぁ、美味しいパフェ食べて忘れてほしいですにゃ」「えぇ、そうですね」 マルクエンは笑ってそう返す。ウェイトレスも安心したようで別の客の所へと向かっていった。 食べ終えた二人は席で会計をして店を後にする。「またのお越しをお待ちしていますにゃー」 またも、目的もなく街を歩く二人。少し気まずさがあるが、お互い気持ちを切り替えようとしている。 そんな時、マルクエンはある提案をした。「そうだラミッタ! 服でも買わないか?」 突拍子もない言葉にラミッタは一瞬理解が追いつかない。「は? 服?」 聞き返すと、マルクエンは「あぁ」と言った。「ほら、前に買った青いワンピースは火事で燃えてしまっただろ? また、改まった場で着る服があると良いんじゃないかって…
last updateLast Updated : 2026-03-11
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乾杯しておこう

「まだホテルに戻るには早いか?」「そうかしら? 私は帰って休みたいけど」 ラミッタは腕を上にあげて背伸びをし、あくびが出ていた。「そうか? それじゃ戻って休むか」 二人はホテルに戻ろうと、もと来た道を歩く。 ロビーに入ると、剣士のゴーダが一人椅子に座っていた。 二人に気が付くと、立ち上がって急ぎ足でやって来る。「マルクエンさん、ラミッタさん!! ご無事でしたか!?」「えっ?」 キョトンとするマルクエン。「外で魔人の襲撃があったと聞き、探していました」「あっ、あぁ!! それはご心配おかけしました。ですが、この通り無事です」「そうですか」 ゴーダはふぅっとため息を吐く。「私達、魔人に襲われすぎて慣れちゃったけど、普通に考えたら大事よね」「確かにそうだな……」「その通りです」 もっと何か言いたげなゴーダだったが、短い言葉で済ます。「すみません。本当はマスカルさん達に伝えた方が良かったのでしょうが、居場所が分からなくて……」「それはこちらの落ち度です。私とアレラはギルドに、マスカル様は城に居ました」「あら、意外と近くに居たのですね」 ラミッタが言うとゴーダは頷く。「はい。受付のスタッフから話を聞き、すぐに飛び出たのですが、お二人が居なかったものでして……」「それはもう……。申し訳ない。昼を食べに行ってしまいました」 マルクエンはバツが悪そうに頭をかいた。「魔人と戦った後に……。流石というか、なんと言いますか」 ゴーダは少し笑っていた。彼が笑う所を見るのは滅多にない。「ともかく、魔人が近くまで来ているのでしたら、お二人だけで外を歩かせるわけにはいきません。アムールトの中で待機して頂きます」「えぇ、そうですね」 マルクエンは頷く。「私も疲れたので、大人しく休んでいますよ」 ラミッタも眠たげにしながら同意した。「それでは、私はギルドでまだ仕事がありますので」 ゴーダはホテルを出ていく。「そう言えば、このホテル。バーもあったわよね?」「そうか?」「私は寝酒でもするわ。付き合いなさい宿敵」「そうは言っても、私は酒を飲めんぞ」 マルクエンが言うと、ラミッタは笑う。「そんなの知ってるわよ。私はお酒。おこちゃまはホットミルクよ」「ホットミルクか……。確かにアリだな!」 皮肉が効いていなくてラミ
last updateLast Updated : 2026-03-12
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