「福田会長の誕生日パーティー、俺も一緒に行くからな」豪はそう言い残して、書斎に戻っていった。それを聞いて、杏奈はすぐに潤平に電話して出席の返事をした。その頃、N市の病院。竜也がベッドに横たわっていた。使用人に連れられて病室に入ってきた浩は、真っ青な顔で横になる父親の姿を見て、たちまち目に涙を浮かべた。「パパ、死んじゃうの?」浩はベッドに駆け寄った。一方、竜也の頭には包帯が巻かれ、顔は血の気がなく真っ青で、腕には点滴の針が刺さっているのだった。浩の泣き叫ぶような声を聞いて、竜也は思わずベッドから跳ね起きて、その頭をひっぱたいてやりたい衝動に駆られた。こいつはなんて縁起でもないことを言いやがるんだ。「パパはぴんぴんしてる。死にゃしねえよ」竜也はぶっきらぼうに言うと、点滴をしていない方の手で、浩の頭を押しのけた。そして、手の甲にべったりと鼻水と涙がついてしまい、げんなりしながら息子にティッシュを取るよう言いつけた。一方、竜也が口をきいてくれたので、浩は父親がまだ死なないと分かると、彼はほっと胸をなでおろした。「そっか、よかったぁ」浩は小さな胸をなでおろし、椅子を竜也のベッドのそばまで引き寄せた。「でもパパ、もし死ぬんだったら、その前にママを取り戻してから死んでよね」それを聞いて、竜也は思わず言葉に詰まった。だが、すぐに息子の言葉の意味を問い返した。「ママを取り戻す?」その話題になると、浩は得意げに胸を張り、背負っていたリュックから一冊のノートを取り出した。そして、かしこまった様子でノートを開くと、そこに大きく書かれた【ごめん】という文字を指差した。まだ難しい漢字が書けないのか、すべてひらがなで書かれていた。「僕とパパは、ママに謝らないと。昔、あの意地悪な真奈美おばさんのせいでママを刑務所に入れて、先生にママの怪我を治させなかったこと。全部、僕たちが悪かったんだ。ママは、間違えたら謝らなきゃいけないって言ってた。謝るっていうのは、間違いをちゃんと直すってことなんだって。だから、僕たちがママにちゃんと謝って、悪いところを直せば、きっと許してくれるよ」そう話す浩の目は、キラキラと輝いていた。彼の頭の中では、もう母親が帰ってきてくれる日々が見えているようだった。それはまた母親に美味しい
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