「言い訳になるが、『すぐそこに美香さんの料理があると分かっていてコンビニのおつまみなんて耐えられないんだけど~』と朋美が言ってな」朋美様の口調、うまっ!え、蓮司様、こんなことも上手なのね……。「この時点で俺と武美はかなり飲んでいて気も大きくなっていて、怒られることを覚悟して食べることにした」冷静な判断はできていらっしゃったようだけど、適切な判断はできていなかったようだ。 「一通り食って、ちょっと一服と思いながら夜風に当たっていたら徐々に冷静になって、明日の俺たちの朝食は作ってもらえないのではないかと……俺は別に卵かけご飯でもいいのだが、それさえ祖母さんは許さないんじゃないかなと思ってな」ああ、それで……。「それで帰りが遅いと仰られたのですね」穴埋めをしてほしかったのね。ご自分で穴を埋めようにも呪われていらっしゃるから……。「それは違う」「え?」「君がまだあの……「蓮司ー!」」 !武美様の声と共にガラスが開く音がして、ベランダに設置してある防犯ライトがパッとついた。 「蓮司と……美香さん?」「ただいま戻りました……武美様?」……どうしてそんな睨むような目で蓮司様を? 「美香さん! 帰ってきたんだ、おかえりー!」武美様を押しのけるように朋美様がお姿を見せられた。お帰り……初めてではないけれど、とても久し振りに聞いた。思わず目の奥が痛くなり、朋美様と、そして武美様の姿が滲んだ。そういえば先生が妊娠初期はホルモンバランスの関係で情緒が不安定になると仰っていた。この涙も、こんなことで泣きたくなる気持ちも、ホルモンバランスのせいにちがいない。しっかりしなくては。 「蓮司様からお聞きしました。これから少し料理をしますので、よろしければお夜食を作りましょうか?」「いいの? やったー! これでお祖母様の朝食抜きの刑を受けても耐えられる」朝食抜き……朋美様もわかっていらっしゃったのね。 「朋美、私はちょっと蓮司と話があるから」「武美ちゃん?」「ね、蓮司」武美様の冷たい声に思わず蓮司様を見ると、目のあった蓮司様はふいっと目を逸らした。「……ああ。君も、行ってくれ。話に付き合わせて悪かったな」?なにかしら? * 「お兄と武美ちゃんのことが気になる?」朋美様?それは、確かに。「お二人も食べるなら
Terakhir Diperbarui : 2025-12-22 Baca selengkapnya