「来週、雅美さんが帰国するんだけどね」「おめでとうございます」「ありがとう! 美香ちゃん、いい子だねえ。凛とした美人なのに纏う空気がほわほわ、うちのジジババたちがコロッとなるわけだよね」ジジババ……蓮司様との血のつながりをこんなところで感じてしまったわ。「それで美香ちゃんにお願いがあるの」お願い?「和美様が了承なされば問題ありません」「うんうん。その対応、すっごくいいね。うちの蓮司君が……「和司さん」……はーい、用件ですよね。雅美さんの帰国に合わせて菊乃井でパーティーをすることになったの」武美様が「菊乃井で?」と首を傾げた。「家出は継続中だからね。実家に帰らせていただきますって、家出の定番でしょう?」「雅美ったら……和司さんも、美香さんの料理で釣ったのね?」呆れたような和美様の言葉に『バレたか』とでも言うように和司様がペロッと舌を出した。そういう姿も様になるのだけれど、蓮司様のお顔でやられるから……バグりそう。 聞けば、雅美様は和司様を筆頭に一族の皆様から送られてくる料理の写真を見て日本食が食べたくなり、このたび帰国を決心なさったそう。和美様が仕方がないというようにため息を吐かれたけれど、「お願いできるかしら」と仰られたので私は少し早いけれど菊乃井本邸に異動ということになった。 * 「うちの両親が本当に申しわけない」引っ越しを早めてしまったお詫びに人を送ると和司様は言ってくださったけど、それが蓮司様とは思わなかった。お会いするときの蓮司様は大体がスーツ姿で、部屋着もきちっとした感じのものを好んでいらっしゃる。でも今日はジーンズにTシャツ。体を動かすという意味での選択だろうけれど、見慣れない姿は少しだけ目のやり場に困る。「どうした?」 「
Terakhir Diperbarui : 2025-12-27 Baca selengkapnya