医療スタッフが紬たちとすれ違っていく。紬と理玖は子どもたちの手を引き、その場を離れた。背後では、パニックに陥った天野家の人々が絵美を担架に乗せている。望美もステージの上で意識を失って倒れ、その足元には血が広がっていた。純白のウェディングドレスの裾が、赤く染まっていく。――紬が二人の子どもを連れて家に帰ると、理玖が手配してくれていた食事が、すでに玄関先に届いていた。紬も子どもたちも、ろくに何も食べていないだろうと、理玖には分かっていたのだ。きっと今頃は、お腹を空かせているに違いない。玄関に置かれた食事を見て、紬はその心遣いを痛いほど感じた。紬は自分から理玖を誘った。「りっくん、あなたも一緒に食べよう」今夜のことは、理玖にいくら感謝してもしきれない。もし理玖がいなかったら、自分は本当にあのチンピラたちの手にかかっていたかもしれないのだ。理玖が視線を向けると、二人の子どもがじっと彼を見つめていた。どこか自分と似た面影を持つ三つの顔を見つめているうちに、彼の胸には言葉にできない愛しさが込み上げてきた。今日の紬もひどく怯えていたことを思い出し、理玖は最終的に頷いた。「分かった、一緒に食べよう」子ども二人は、目に見えてぱあっと表情を明るくした。紬の美しい三日月のような瞳にも、喜びの色が浮かぶ。理玖は食事の袋を提げ、部屋の中へ足を踏み入れた。大人二人と子ども二人がテーブルを囲むと、そこには和やかな空気が流れた。中でも芽依は、夢中になって料理を口に運んでいる。ここ最近、芽依はずっと望美から虐待や嫌がらせを受けていた。パパもどこかおかしくなってしまい、芽依と悠真は完全に孤立無援だった。天野家の食卓では、息をひそめるようにして座るしかなかった。食事をしても、何を食べているのか分からないほど味がしなかった。芽依はたまらず、お茶碗に顔を埋めた。大粒の涙が頬を伝い、ぼろぼろとこぼれ落ち、その小さな肩が小刻みに震えている。食卓で、紬はずっと子どもたちの様子を見ていた。そんな芽依の姿を目にすると、胸がぎゅっと締め付けられる。紬は緊張した声で尋ねた。「芽依ちゃん、どうしたの?」しかし、芽依は何も言わずに首を横に振るだけで、何と答えていいのか分からない様子だった。今、芽依は誰かに思いの丈を
Read more