ネット上で、あるゲームの動画が大きな話題になっていた。遥が会社で以前の案件の処理をしていると、スマホに大量の通知が届き始めた。スマホの画面が絶え間なく明滅する。アシスタントが声をかけた。「立花社長、スマホがずっと鳴っていますよ」遥は頷き、スマホを手に取った。楓から大量のメッセージが送られてきている。【遥ちゃん見てよ!この動画、うちの会社のゲームじゃない!?内部資料がリークされたの?】遥はその動画を再生した。確かにゲームの攻略対象である男性キャラクターの一人が登場するシーンの映像だった。しかも使われているイラストは、以前「カゼ」の盗作だと指摘された、あの問題のイラストだった。そのイラストはすでにゲーム内では差し替えられているはずだ。だが動画のコメント欄には、「カゼ」のファンたちが多数押し寄せ、そのイラストが「カゼ」の盗作だと指摘して炎上していた。【これ……カゼ先生のパクリじゃね? ファンのこと舐めすぎ。黙って見てるだけだと思ったら大間違いだから】【何このゲーム、グラフィック担当のモラル低すぎでしょ。引くわ】【もしかして、先生本人が依頼されて描いたって可能性はないの?】【絶対ない!この画風もタッチも色使いも、どこをどう見ても本人の絵じゃないし!】別の掲示板でも、このゲームが「カゼ」を盗作したと指摘するスレッドが立ち上がり、多くの「いいね」を集めていた。遥は楓に返信した。【おそらくリークされたんだと思う。法務部に対応させるべきね】楓から、泣き顔のスタンプが十個以上連続で送られてきた。間違いなく、また残業の日々が始まるのだろう。遥はすでに退職しているため、これ以上口出しするのは不適切だった。だが予想外なことに、「私は九条グループの社員だ」と名乗る人物の暴露スレッドが立ち上がり、その中で「これらの資料をリークしたのは、マーケティング部の立花某だ」と告発されていたのだ。あまりに理路整然とした説明で、もはや遥の実名を挙げているも同然だった。九条グループには他にもゲームがあり、プレイヤーたちはこうした情報漏洩を激しく憎んでいる。コメント欄は瞬く間に「立花某」への罵詈雑言で埋め尽くされた。SNSを開いてみる。「カゼ」のアカウント宛にも、「本当にあんな仕事を引き受けたんで
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