「難しくないよー。コトラとおんなじようなもんだって。コトラだって好きでみんなについてきてるんでしょ?」「ぅなっ」 ミクンの隣をひょいひょいと歩いていたコトラが返事する。 なるほどねえ。 ブランたちアシヌスはドワーフに従うように俺が創った生き物だから、そんなことを考えもしないんだろうけど、コトラは誇り高き灰色虎。俺たちについてこなくても【再生】した大樹海や無窮山脈でも十分生きて行けるだろう。だけど助けたことを恩義に感じて俺の神子になって今もついてきている。「ハーフリングは野に生きる生物なんだな」「そ。だから誰より何より自由なの」 手を広げて、てててて、と走っていたミクンが、急に空を見上げた。「どうした?」「なんか、影が……あれ?」 一瞬戸惑いの声、そして。「あれ!」 立ち止まり、空を指して、叫んだ。 高空から落ちてくる何か。 何か……あれは……人だ! 俺は亜空間から自在雲を取り出した。 飛び乗る。 一気に急上昇して、人と同じ高さに至り、落ちるスピードに合わせて、雲に乗せ、スピードを落とす。 地面すれすれで、完全に落ちるスピードを殺せた。 着地成功。「すごい! 何これ雲? 雲?」「後で見せてあげるから、とりあえず今は……」 自在雲で助けた人を見る。 むき出しの腕には幾つもの傷跡。金の長い髪に、可憐と言う形容が良く似合う美少女。その背中には、同じ淡い金色をした……体と同じくらいの大きさがある翼。「フェザーマン……?」 俺の呟きに、サーラは頷いた。「回復」 俺の魔法で、あちこちを切っていた傷は治る。 ヤガリが丁寧についた血を拭ってやった。 なるほど神秘の一族と言われるだけのことがある。細い手足に不釣り合いなほどの大きな翼。「サーラ。彼女の容体は」「大丈夫、気を失っているだけだ」 守護獣である彼女の言葉に、俺はほっと息をついて、だけど疑問がすぐに出てくる。「……飛んでいる最中に気を失う?」「そうだよね、あたしもそれ思ってた」 ミクンもこくこくと頷く。「飛ぶって、落ちたら死んじゃうってことだよね。そんな時に気絶ってするかなあ」「襲われたとか」 ヤガリの言葉に、一斉に全員が首を傾げる。「空飛ぶ魔獣?」「聞いたことがないな」「聞いたことがなくてもいるかも知れない」 俺は唸った。「滅亡
Last Updated : 2026-01-31 Read more