おどおどとグリフォンが俺の後ろに下がる。「ああ、こいつは」「大丈夫です。所有権は妹から貴方様に移ったことは承知。元々グライフを共に追放するのは哀れだと言う意見がありました。愚妹が所有権を激しく主張したが為、やむを得ず同行させただけ。グライフの気持ちもわかりますし、生神様が所有するのであればグライフも喜ぶでしょう」「そっか、お前はグライフって言うのか」 頭を撫でてやるとグリフォン……グライフはその手に重みを預けてきた。「いい子だなー。よしよし。良くガマンしたなー」 ぐるぐるとグライフは心地よさそうに喉を鳴らす。「そ……そんな……そんな」 少女の声が震えている。「そんな獣が許されて、何故わたくしが許されないのです! お兄様! その御方が生神様だと言うことを、わたくしは知っておりました! 知って、ここまでご案内申し上げたのです! その功績を……!」「功績?」 レーヴェが軽く鼻を鳴らした。「あれだけ奴隷商人と言っておきながら」「わ、わたくしの言うことに間違いはありません! お兄様!」「お前の言うことで正しいのは千に一つもない」 ナセルさんの声もサーラに負けず劣らず冷たいものだった。「起きたことを自分の都合のいいように解釈し、自分を正当化しているだけだ。お前の言うことを信じるフェザーマンは、最早誰もいない」 少女の顔色が変わっている。「大変不愉快な思いをさせて申し訳ありません。では、参りましょう、生神様」「うん」 俺は自在雲を取り出した。「ぐるる?」「うん、お前に乗ってみたい気もするけど、ブランもいるからこっちに乗るよ。いずれ存分に乗らせてもらうから」「ぐる!」 自在雲にこちらのメンバーを全員乗せる。「ま、待って! お待ちください! お兄様! 生神様!」 …………。「気にするな、シンゴ」 サーラが言った。「もし本気で戻りたいのであれば、自分の力で戻ってきて頭を下げるべきだ。私はそう思っている」「……そうだな」 俺は頷いて、自在雲の柔らかさに感心するミクンを落ちないように真ん中に乗せ直してから、グリフォンに乗ったナセルさんたちと共に宙に浮いた。「お兄様ーーーー! 生神様ーーーー!」 悲痛な悲鳴に後ろ髪を引かれながら、俺は先導するグリフォンに合わせて自在雲を走らせていた。
Last Updated : 2026-02-05 Read more