「何を落としたんだ?」 リーヴェに言われ、俺は下の様子を見ながら答える。「種」「種?」「生神特製の種」「だから……!」 キガネズミはきぃきぃ言いながらネズミの上に子ネズミが乗って、その上に孫ネズミが……方式でこっちに届こうとしている。ネズミは頭がいいって言うけど、なんか観光地の鯉みたいな勢いで上がってくる。 自在雲の高度を上げて対抗しながら、俺はまた種を【増加】し、ばらまく。「種って……餌を与えてどうするんだ」「毒か何かは使えないのか」「俺の属性に毒はないから無理。その代わり、【神威】が込められている」「魔獣に【神威】を与えてどうするんだ」「【神威】与えたのはネズミじゃなくて種」「だから何をやっているんだ」「もう少しで結果は出るかな」「キキィ……」 明らかに他に比べて鈍い鳴き声が幾つか聞こえた。「どうだ?」 見下ろした先には、大きく膨れ上がったキガネズミ。「キキィィィ!」 膨れ上がったキガネズミは、悲鳴を上げて内側から破裂した。「何、が?」「おし、成功」 破裂したキガネズミのあとには、たくさんの種がある。 目の前の餌にキガネズミは喜んで飛びつき、ネズミ階段は崩れていく。「だから、何を」「胃袋の中に入ったら【増加】……いやちょっと違うな、増殖する種を送り込んだんだ」「はあ?!」「生きた胃袋の中にあると増え続けて、内側から破裂させる。倒れた後には同じ種がたくさん。それをキガネズミは食い、また食あたりする、と」「……シンゴ、お前結構えげつないな」「だってあっちの数がえげつないんだもん」 ヤガリくんの言葉に俺は首を竦めた。「全員でキガネズミと戦っても、数千って数の暴力にレベル差は無意味だよ。おまけに相手小さいから振り払うのも大変だし」「確かに……まともに戦闘するより楽だし確実だ」 アンガスさんが唸った。「でも……それは人間が食べても危険なものなのでは?」「魔獣専用の生体兵器だから、人間が食べても大して問題はない。ちょっとお腹膨れるの早いかなくらい」「ならば、キガネズミ対策に村の周りに種を植えておけば」「うん、結構潰れてくれると思う」 パン、パンとあちこちで弾ける音。「とりあえずここにいるキガネズミは種に任せて、俺たちは村の様子を見に行こう。誰かが生きているかもしれない」 食べ物の匂いにつられ
Last Updated : 2025-12-28 Read more