「これは?」「本当に鳴るラッパスイセン」 黄色と白の綺麗な華は、俺が地球で好きだった花だ。ちょっと地球産のとは違うけど。 軽く足先で触れると、「パパ―!」と鋭い警告音を鳴らした。「なるほど、ラッパスイセンね」「それを乗り越えてこようとする者を、捕縛する、と言うわけか」「そう。正規のルートの他にも、堀にも仕込んでおいた方がいいな。槍はいずれ錆びる。植物は太陽と水さえあれば生きていける。穀倉地帯ってことは、水にも困らないって言うことだろう?」「は、はい」「普段は地面に張り付いて大人しくしてる……侵入者に絡みついて動きを封じる。暴れれば暴れるほど束縛はきつくなる。最終的には絞め殺す」「人が引っかかった場合は?」「大人しくしてれば引っ込む」「なるほど、村人は引っかかっても大人しくしていれば無害なのですね」「ちょっと作ってみるか、な。はいちょっと下がってね」 M端末を抱え、【創造】する。 カッと光が放たれ、青々とした蔦を持った植物が現れた。 軽く石を投げこんでやると、その衝撃に蔦は即座に石に絡みつき……。 しばらくして動かないと分かってへなり、と地面に張り付いた。「さて、何て名前を付けるか……」「シンゴはつけない方がいい、と思う」「何で、レーヴェ」「この花にラッパスイセン、灰色虎にコトラとつけるセンスはちょっと」 レーヴェは言ってチラリ、ヤガリくんを見た。「アシヌスはドワーフが考えたとは思えない程優雅な名前だった」 ……俺のネーミングセンスは壊滅的、って言いたいわけね。そりゃそうだ、魔法の名前をつけなきゃいけないから新しい魔法を作らないでいるんだもの。 でもラッパスイセンは元々こういう名前なんだよ。信じて。「ふーむ……束縛蔦でどうだろう」 ……ヤガリくんネーミングセンス少し分けて。
Last Updated : 2026-01-01 Read more