エミルとフィナが道場に到着した午前8時頃。実はグロードも既に道場に到着していたのだ。それは丁度ネルが作った修行空間からカイル達が戻ってきた後、ボロボロの姿になったカイルを見てエミルがネルにキレていた時だった。「お前ぇ!!…カイルに、何をした!!」怒鳴り声は外までよく聞こえてきた為、到着したグロードは止めようと思ったのだが、カイルがエミルを制止した。カイルは事の顛末を後から来たエミルとフィナに説明した。「(成程。ネルはカイル君達に修行を付けてただけなのか。)」外で聞いていたグロードはカイルの説明を聞いて状況を理解した。「(……さて。どのタイミングで入ろうか。)」カイルの説明を聞いていたせいで、道場に入るタイミングを完全に逃してしまう。グロードは取り敢えず気にせずに入ろうと思ったのだが。「何であいつの事そんな簡単に信用するの!?あいつがフィナさんの国でどんな事したのか、カイルは知ってるんでしょ?」再びエミルの声が聞こえてきた為、またまたタイミングを逃してしまう。カイルとエミルはしょっちゅう喧嘩はしてるものの、それは痴話喧嘩に近い感じだ。しかし、今回は違う。エミルは泣きながらカイルに訴えかけていた。そして口論はヒートアップし、捲し立てるエミルに対してカイルが言った。「エミルだってネルの事何も知らないだろ!!」カイルの声にエミルは喋るのをピタリと止めた。そしてカイルは続けて言った。「確かにネルはシルフを壊滅寸前まで追い込んだ。殺した人も星の数だろう。到底世間にも、フィナさんやライクとニケルにも許されないと思う。」「でも、それはエミルも一緒だっただろ?現に元盗賊だったせいでイフリークの騎士団には最初認めてもらえなかった。盗賊なんて、世間から見れば悪人なんだからな。」「な!…違う!私は…」カイルの発言に動揺するエミルだが、ヒートアップしたカイルは喋るのを止めない。「違わない!エミルは自分がされた事と同じ事をネルに言ってるんだ!エミルだけじゃ無い!この場に居る全員、立場が変われば被害者と加害者なんだよ!」「だから皆んな。どっちかがずっと被害者面ばかりするなよ。俺達が偉そうにネルだけを非難する資格なんて、無いんだよ。」カイルの言葉によって道場の中の空気が一気に変わったのがグロードにも分かった。「(カイル君…それは正しい事だが、今
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