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怖い話まとめ2
怖い話まとめ2
Auteur: 東雲桃矢

ブロック塀の小人

Auteur: 東雲桃矢
last update Date de publication: 2025-12-21 17:42:10

 小学生の時、歩き通学だったんだけど、通学路に変な家があった。震度4くらいで潰れそうなほどボロい日本家屋なんだけど、ブロック塀は洋風で、置物とかを置くための穴が6つ開いてて、それぞれ髪色の違う小人の置物が置かれてた。

 誰が言い出したのか、小人の置物に悪さをすると呪われるという噂が子供達の間で流れてて、通学路でその家の前を通ると、「お前行けよ」と悪ふざけをしていたものだ。

 俺が小2の時、小6で班長のAってやつが、小人の置物をわざと壊した。通学中、4年生が俺達下級生に、例の噂を話したんだけど、俺達はすっかり怖がっちゃって、中には家の前を通るのが嫌だと泣き出す子もいた。

 Aは「そんな噂馬鹿らしい」って言って、赤い髪の小人の置物を叩きつけて壊した。

 誰もが呆然としていて、Aは得意げに、「ほらな、何もないだろ? はやく学校行くぞ。遅刻したら俺が怒られるんだからな」と言い、未だに泣いてる子の腕を引っ張って登校した。

 下校前、歩き通学は班ごとに別れて、班長の6年生が全員いるか確認してから先生に報告して帰るんだけど、その日、Aはなかなか姿を見せない。6年の担任の先生が来て、Aが早退したことを知らせた。

 副班長の5年生と一緒に帰ることになったんだけど、不思議なことがあった。

 今朝、確かに赤髪の小人はAによって叩き壊されてたはずなのに、下校時にはもういる。髪色は同じだけど、顔とポーズが違うことから、家主が新しいものを買ったんだろう。

 時が経ち、俺が6年生で班長になった。歳の離れた小学2年生の弟と一緒なのは、ちょっと気恥ずかしい。

 2年生は弟の他にふたりいて、3人は俺や他の子達が注意しても、上履き入れをぶん回して遊んでた。弟だけならぶん殴って止めるんだけど、他の子はどうしようもないし、ここで弟を殴って騒ぎになったら嫌だから我慢した。

 何かが割れる音がして振り返ると、例の日本家屋の前にいて、弟が上履き入れで小人の置物を割ってしまったらしい。破片などは家の敷地内だ。

「何してんだよ!」

 我慢できずに弟をぶん殴って、副班長の女子に先に行くように言うと、弟の首根っこをひっ捕まえて、インターホンを鳴らした。

 出てきたのは意外にも若くて美人なお姉さんで、言葉が詰まった。

「あら、どうしたの?」

「すいません、うちのバカが、あそこの置物割っちゃったみたいで。こいつ、お年玉貯金してるんで、そっから弁償させます」

 弟の頭を掴んで一緒に頭を下げると、笑い声が降ってきた。顔を上げると、お姉さんは笑ってる。

「君は弟思いのいい子だね。大丈夫、小人は■■ってもらうから」

 一部聞き取れなかったけど、許してもらえたと思った俺達は学校に向かう。

「兄ちゃんひどいよ。お年玉は僕のだ」

「バカ。割ったら弁償しないといけないんだよ」

 いくら言い聞かせても、弟はすねたまま。まだ小学2年生の弟に俺から言ってもわからないだろ。あとで両親に厳しく叱ってもらおうと思いながら登校した。

 2時間目の体育が終わって教室に戻る途中、弟の担任に捕まった。体育館に行くには、1,2年生の教室の前を通らないといけないんだ。

「弟くん、いきなり高熱出しちゃって。今保健室で寝てるの。お母さんがもうすぐ来ると思うんだ」

「分かりました。うちのがすいません」

 2時間目の後は長めの休み時間があるから、俺は友達に保健室に行ってくることを伝え、保健室に行った。

 弟はベッドの上でうなされてた。俺が保健室に入って3分もしないうちに母さんが来たので、登校中は元気だったこと、日本家屋の置物を壊したことを伝えた。

 保健室から出ると、弟の荷物をまとめて持ってくる担任とすれ違った。

 学校から帰ると、母がパニック状態だった。落ち着かせて話を聞くと、家に弟を連れ帰った後、ゼリーなどを買いに出かけたらしい。

 帰って部屋に入ると弟はいなくて、そのかわり、置物のかけらがあったと言う。

 嫌な予感がして日本家屋に行って小人の置物を見ると、ひとつ新しくなってるものがある。髪色は青だが、顔つきや服装が弟に似ている。

 俺は小人の置物を抱えてインターホンを鳴らした。今朝のお姉さんが出てきて、俺を見るなりにやっと笑う。

「今朝の子じゃない。どうしたの?」

「あ、あの! これ、俺の弟ですよね!? 戻してください!」

「ダメよ。割ったのはその子なんだから」

「警察に言いますよ」

「警察が信じると思う? 弟が置物にされました。なんて言っても、イタズラだとしか思わないんじゃない?」

 確かにお姉さんの言う通りだ。それでもどうにかしてもらおうと思って、何度も頭を下げたけど、無理だと言われた。

「一度置物になったら戻らないの。それ、元に戻しといてね。じゃないと、今度は君が置物になるから」

 お姉さんは一方的に言うと、ピシャリと戸を閉めてしまった。

 肩を落として置物を戻しに行く途中、ふと、Aのことを思い出した。置物を戻してから赤髪の小人を見ると、Aと似ていた。

 もうここを通りたくない。でも、俺の一存で通学路を変えることなんてできない。考えた結果、この家の人がニヤニヤしながら登下校している俺達を見たり、ちょっかいかけたりしてると嘘をつくことにした。

 先生に早速相談すると、先生は呆れ返ったようにため息をついた。

「バカなこと言うな。あの家はとっくの昔から空き家だよ」

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