「ありがとうございます、紫音さん……長いこと会社を休んで、紫音さんにばかり負担をかけてしまって本当に申し訳ないです。今すぐ会社に戻りたい気持ちはあるんですが、ベッドで寝ている塚山さんを見ると、どうしても具合が心配で離れられなくて……」蘭は仕事を長期間放り出していることに、ひどく罪悪感を抱いているようだった。「そんなこと気にしなくていいってば!前は蘭が一人で会社を回してくれてたじゃない。今は私のほうも家の用事は一区切りついてるし、とにかく今は目の前の患者さんのお世話に集中して」紫音は明るく笑い飛ばし、あえて釘を刺すように付け加えた。「でもね、いくら二人が結ばれたからって、浩一さんの会社に引き抜かれるのだけは絶対ダメよ!私の右腕を取られるわけにはいかないから、ちゃんとうちの会社に復帰してもらうわよ?」紫音は冗談めかして笑ったが、それほどまでに蘭という存在を手放したくないという本心でもあった。「もちろんです!何があっても紫音さんのところから離れたりしませんよ。ここまで一緒に頑張ってきたし、紫音さんは私にとって頼れるお姉さんみたいな存在なんですから。誰に何を言われようと、絶対に辞めません!」蘭にとって、紫音のもとを離れるという選択肢は最初から存在しなかった。この会社は、二人が立ち上げから寝食を忘れて必死に育ててきたものだ。軌道に乗り徐々に規模が大きくなってきた今、自分の子供のように手塩にかけてきたこの場所を、結婚や恋愛を理由に手放すことなどできるはずがなかった。「ふふ、それなら安心だわ。じゃあ、早く浩一さんのところへ戻ってあげて。でも、無理だけはしないようにね。誰かの看病に必死になりすぎて、自分が倒れたり我慢したりしちゃダメよ」紫音は、ついお節介を焼くように念を押した。蘭は根が優しすぎるあまり、自分のことを後回しにしてでも他人に尽くしてしまう危うさがあるからだ。「大丈夫です、ちゃんと自分の体調も気をつけます。紫音さん、しばらく会社をお任せしてしまって本当にすみません!復帰したら、遅れた分のアシスタント業務は全部倍返しでカバーしますから。その時は紫音さんにも思いっきり休暇を取ってもらいますね!」蘭の言葉には、深い感謝と申し訳なさが入り混じっていた。本来なら自分がアシスタントとしてサポートすべき社長に、長期間会社を丸投げしているの
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