誠司とのメールで、実家の家事手伝いに関しては平日だけと、落ち着いた。 土日も実家に行って家事をしていたら、もみじは自分の仕事が遅れてしまう、と思いそれだけは拒否したのだ。 誠司も休みは必要だと思ったのか、渋々といった体ではあるが、土日は実家に行かないと言うもみじの要求に頷いた。 「お義母さんも、私を一日中拘束する訳じゃないものね……」 もみじと両親──、特に後妻である義母とはあまり良い関係では無い。 だが、それもそうだろう。 実の母親から父親を奪った女性なのだ。 不倫をした父親の事はもちろん許せないし、嫌いだがそれでも妻子が居る男に手を出した義母が、もみじはどうしても好きになれない。 大人になった今だからこそ表面上は何とか付き合ってはいるが、それでもギスギスとした関係なのは仕方がないだろう。 「……あの人の血を受け継ぐ胡桃も……、結局は人の物が好きなのかしらね」 胡桃も、結局は不倫をしているのだ。 しかも胡桃の場合はもっと酷い。 半分だけではあるが、血の繋がった姉から旦那を取るのだから、母親よりタチが悪い。 「まあ、誠司なんてもう別にどうでもいいけど……」 胡桃と誠司ほど、お似合いのカップルはいないのでは、ともみじは本気でそう思っている。 「気は重いけど……行かなきゃまた誠司にうるさく言われるし……。離婚、離婚までの辛抱よ」 もみじは自分に気合いを入れるように言い聞かせ、頬をぺちぺちと叩くと実家に行くために準備を始めた。 ◇ 支度を済ませ、タクシーに乗って実家に向かう。 車で1時間かからない場所に、もみじの実家はある。 インターホンを押したもみじの前に現れたのは、もみじの義母であり、胡桃の実の母親である嶋久志 桔梗(しまくし ききょう)。 桔梗は、40歳を超えたと言うのに未だに若々しく、美人だ。 艶々の黒髪に、真っ赤な唇。 つん、と吊り上がった目尻の、美人だ。 桔梗はもみじを見るとふん、と鼻で笑い口を開いた。 「ああ、やっと来たわね。まったく、昔っからあんたはグズでとろいんだから。家中の掃除をしといてくれる?私はこの後出かけるから、勝手に帰らないでね。私が戻ったらチェックするわ」 「──お出かけ、ですか?どちらに?」 「……あんたには関係ないでしょう?私が見ていないからってサボらないでちょうだい。綺麗に掃除し
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