「そっか、遠い親戚だったんだね」すべてが判明し、コハクは普段通りの笑顔を取り戻した。エリザ・グレーアムは、クロー・グレイシャの遠縁に当たる人物だった。「私とクローは、昔から何かと協力し合ってきたの。貴族には貴族ならではの様々な事があるから」エリザの笑顔も柔らかくなった。本当にクローとは親しいようだ。そんなクローの婚約者だからこそ試すような態度をとったんだな、とコハクは合点がいった。「コハク」隣に座っているクローの視線がこちらへ向く。「今後、私たちはエリザにも色々と協力を仰ぐことになる」「うん」「差し当たっては魔法大学」「魔法大学?」「ああ」クローの視線が向かいに座るエリザへ移される。「私はクロー・グレーアムとして、魔法大学へ赴任することになる」「身分を隠すって言ってたもんね。それについてエリザさんにも協力してもらうと」コハクはふむふむと頷く。「まったくの架空よりも効果的なんだ。虚偽の中に事実が混ざると、より嘘だとわかりづらくなる。エリザの協力があれば偽装もほとんど完璧な形になると言っていい」「なるほど。あっ、そういえばボクはどうなるの?」「コハクには魔女の末裔であることを隠してもらう。ただ、マギアヘルム出身ということは隠せないが」「どうして?」「それはね、コハクちゃん」エリザが人差し指を立てた。「マギアヘルム出身だということが付加価値となって特別入学が許可されたことになっているのよ。これは周りの学生たちを納得させる材料にもなるの。だから致し方ないのよ」「それと」クローが付け加える。「名前は少しだけ変えてもらう」「コハクじゃダメなの?」「コハクは問題ない。念のため、コハク・インフェスと名乗ってもらう。一般社会ではインフェルドと名乗っても問題ないが、何せ魔法大学という専門機関だ。そこは慎重になっておこう」 「うん、わかった」コハクはグッと拳を握って見せた。昨日までは魔法大学と聞いて驚くばかりだったが、徐々に楽しみな気持ちが芽生えてきていた。それに大学生活は、クローとの距離を縮める良いきっかけにもなるかもしれない。「ではコハク」クローが会話を締めるようにこちらへ体を向けた。「これから私とエリザには別の話がある」はい、と頷いてからコハクはすっくと立ち上がった。「エリザさん、ボクはこれで失礼します」「今日は会えて嬉しかったわ。コハ
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