ということは……昨晩の院長先生は、十中八九の確率で竹内社長だろう。凛は言葉を失った。完全にやらかした。そのまま寝返りを打つと、誰かの手に触れた。「うわああああ!」床で寝ていた日和がガバッと飛び起きる。そこで初めて、部屋に他にも人がいたことに気づいた。二人で顔を見合わせる。「なんで私、床で寝てんの?」日和はボサボサの髪で呟いた。顔には寝跡がくっきりと残っている。日和がベットに這い戻ってきた。「私、蹴っちゃったかな?」違うと言えるほど、凛には自信がなかった。日和が髪をかき上げてベッドに戻ろうとしたとき、ドアをノックする音が響いた。「こんな朝から、誰?」「もう11時23分だ」ドア越しに、海斗の冷たい声が聞こえる。「起きろ。食事だ」「なんでお兄ちゃんがいるの?」日和が呆然とした。凛は昨晩迎えに来たのが海斗だと確信し、そのことを日和に伝えた。日和はふっと笑ったが、すぐ表情を凍りつかせる。「終わった。隠してた場所がバレた」「竹内社長、とっくに知ってたみたいだよ?」日和の顔から完全に笑顔が消えた。「もういいや。顔洗ってご飯食べましょう」日和は観念して起きた。やはり、兄の鋭い目からは逃れられなかったか。凛が布団をめくると、胸元に絆創膏が貼ってあることに気づいた。日和もそれを見つけて尋ねる。「服が怪我でもしたんですか?」そう言ってから、日和は自分の馬鹿さに気づく。服が破れたくらいで絆創膏なんて使うわけがないのに。凛の脳裏に昨夜の光景がフラッシュバックした。院長先生と一緒に、心臓の部分を指さし、絆創膏を貼るだなんだと言っていたような気がする。そして、目覚めたら本当に貼られていた。凛は視線を上げ、ドアのほうを見る。「ドレスのままじゃ落ち着かないだろうし、私の服、貸してあげますね」日和も昨夜のドレスを着ていたが、凛のものよりも日常的で歩きやすそうだった。ドアを開けると美味しそうな香りがして、日和のお腹がぐうと鳴る。ソファでタブレットを見ていた海斗が日和に声をかけた。「何探しているんだ?」「凛さんに貸す服」「ここだ」海斗は隣の大きな紙袋を差し出した。日和はあくびを噛み殺しながらそれを受け取り、部屋に戻った。中には、白いニットのロングワンピースとオリーブグリーンのコートが
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