女装メイドと婚約破棄された悪役令嬢は、幸せな結末を目指します의 모든 챕터: 챕터 161 - 챕터 170

354 챕터

第161話

ステファンとの関係は大丈夫なのか。その質問を聞いたロミーナは、目を大きく見開いた。「……気にして下さってたんですネ」「もちろん。色々なことがありましたし」そう言いながら、私はあの年末年始に起こった冬の出来事を思い出していた。ずっと両親から虐待を受けていたロミーナは、彼らの悪事の証拠を手に入れて、それを元にこれ以上自分に関わるなと脅した。ステファンとの婚約も両親の策略の上だったことで、ロミーナが反抗すればステファンとの婚約を解消させてろくでもない相手に嫁がせると脅されていたらしい。この一件により両親はロミーナを脅すことができなくなり、ロミーナは自由を手に入れた。その直後に、ステファンがメロディと出会ってしまい二人の仲が急速に縮まる様子を見て、ロミーナは何を思っただろう。ゲームではステファンルートに進んだ際の悪役令嬢がロミーナだ。私はステファンルートを攻略していないのでよく知らないが、ロミーナを悪役令嬢にはしたくなかった。今思えば、ステファンをメロディに奪われまいと必死にロミーナが抵抗するのも、両親の件があったからだろう。それが無くなった今、ロミーナの心境はどう変化しているのか。私には予想できない。「今はイザベラと一緒にメロディ嬢を教育していますが、その際のやりとりでステファン様がメロディ嬢に肩入れしている様子も見ていれば分かります。婚約者としては、面白くないかと思って」「まア、それはそうですネ。良い気はしませン。ステファン様と仲直りしたかったのですガ、ここまで関係がこじれているとそうもいきませんシ」そう言ってステファンとの関係を語るロミーナはどこか寂しそうだ。色々思い悩んでいたことが想像できる。「最低限、婚約者としての関係は保ってくれていますガ、それだケ。話をしようとしてモ、ろくに反応ももらえズ……避けられているのでしょうネ。両親がしてきたことト、それを見て見ぬふりをしていた私でス。今更としか思われていないのは分かってはいる
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第162話

ロミーナの立場を思えば、心配にもなる。「……本当に、それで良いのですか?」「えエ。だっテ、私はステファン様を愛してなんかいなイ。両親の盾にしようとしているだケ。そのことに気付いているんでス。なんの当てもなく婚約解消すれバ、両親に蹂躙されるル。それが怖くてしょうがなイ。だかラ、アレクサンド殿下やリリアンナ嬢が支えてくれると確信が持てれバ、離れてあげられると思ってるんでス」私は震えるロミーナの手を上からそっと握り締めた。彼女は笑顔を作っているが、その表情は曇っているのが分かる。「……辛くないと言えバ、嘘になりますけどネ」それはそうだろう。一番ロミーナにとって安全なのは、このままダラダラとステファンと婚約者同士でい続け、結婚してしまうことだ。それを自ら手放してしまうのだから、不安にならないわけがない。「ロミーナ嬢がそう言うなら、私も協力しますよ」私にできることは何だろうか。ロミーナに別の安全な男性を次の婚約者候補として紹介すること?イザベラへの男性の紹介の話は無くなってしまったけれども、代わりにロミーナに紹介すると言えばアレクサンドも手伝ってくれるかもしれない。私が知っている男性で婚約者が不在なのはヤコブとセドリックくらいだろうか。色々と考えを巡らせながら、入学式に私と話をしようと探していた話を思い出し、ロミーナに申し訳なくなった。入学式の翌日からはイザベラと共にメロディにかかりっきりだったし、タイミングを掴むのは相当難しかっただろう。「そういえば、入学式の日はごめんなさい。色々忙しくて……一体、どこにいたんですか?」「えっト、学園内を一通り見て回りましテ」学園内を一通り動き回ったのなら、どこかですれ違いになっていたかもしれない。ゲームのオープニングシーンが見たいからと、メロディを必死に追いかけすぎて周りなんて見ていなかった。どこですれ違ってしまったのかと過去を思い返す
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第163話

授業開始時間が迫ったため、私はロミーナと別れて教室に向かった。道中、見張りをしてくれていたシヴァがすぐ後ろに控えてくれている。先程まで喧騒に包まれていた廊下は、授業開始時間が近づいたことで生徒たちの足音が急激に遠ざかっていた。大理石の床と高い天井の空間は、急速に静寂を取り戻しつつある。今やこの広い廊下にいるのは、私とシヴァ、そして数人の急ぎ足の生徒だけだった。「ごめんね、シヴァ。今日もイザベラとヤコブを馬車に呼ぼうと思ってるんだけど」「分かった」ちらりと後ろを振り返ってシヴァに話をすると、彼は静かに頷く。長い前髪で顔を隠している彼の表情はよく見えない。まあ、元々あまり表情が豊かな方ではないのだから、いつも通りに見えるだろう。しかし、私を見つめる空色の瞳が少し間を空けて逸らされる仕草は、普段はしない行動だった。彼ならば、私が目を離すまでこちらを見つめてくるのに。「……もしかしてシヴァ、ちょっと怒ってる?」「別に」思えばなんだかんだと最近は忙しく、結局登下校時しかろくに話ができていなかった。自宅に着いても宿題があったり、疲れて寝てしまったりで暇はない。休日はイザベラと王妃教育のために王城へ行くので潰れてしまう。そんな中でイザベラとヤコブと話すために馬車に何度も彼らを呼ぶのは、確かに良い気がしないだろう。そう考えを整理して、私はシヴァと向き直った。急に足を止めてこちらを振り返った私に、少し驚いたのか目を見開きつつシヴァも立ち止まる。「お嬢様?」「きゃっ」私は振り返る動きを利用して、彼の目の前でわざとらしく転んでみた。シヴァは慌てて私を抱きかかえてくれる。周囲の生徒は驚いてこちらを見るが、従者から体を支えてもらっている私の様子を見てすぐに興味をなくし、その場を去っていった。現在いつも通り女装中のシヴァは、体のラインが見えにくいよう幾重にも布を重ねた
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第164話

放課後、私とヤコブとイザベラはモンリーズ家の馬車の中で相対した。二人は何事かと、興味津々で私の話を聞いてくれる。「それでね、ロミーナ嬢とセドリック様が良い感じになりそうなのよ」私は一通り知った、ロミーナ側の事情の話をした。このままステファンと婚約解消することになってしまえば、守ってくれる人、立場が無くなってしまう。そのためにも、誰か別の婚約者を用意する必要があると。また、入学式にセドリックとメロディが出会わなかった事件。あれはロミーナが先にセドリックと出会っていたからであり、その経験から二人が仲を深めつつあることも説明した。「私、セドリックルートは全然やってなくて、詳細を知らないの。セドリックとロミーナが結ばれるルートって、ありかな?」「セドリックルートですか……」少し難しそうな顔でヤコブは考え込む。イザベラも顎に手を当てて考えているようだ。「私は、無くはないと思うわ」しばらく考えた後にイザベラはそう答えた。そこから、イザベラが知るセドリックの背景を教えてもらうことができた。セドリックはリリアンナ同様、生まれつき魔力量が多かった。その結果、彼も性質に悩まされることになる。彼に発現した性質は【透過】。限りなく存在感を消してしまい、下手をすると周囲から存在を忘れられるというものだ。赤ん坊の頃からその性質により、セドリックは危うく育児放棄されるところだった。両親も乳母もそのつもりが無くても、【透過】が発動しているセドリックを見失い、存在を忘れかけてしまう。そんな中、助けになってくれたのが母だった。セドリックの母は自らの手にセドリックの名前のタトゥーを入れ、息子の存在を忘れかけても思い出せるよう努めた。タトゥーは下町のゴロツキが入れるもので、淑女であるセドリックの母が入れるのは異例のことだ。他の人に見られれば、どんな陰口をたたかれるか分からない。そ
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第165話

それからしばらくの間、私達は影でちょっとずつ動いてみていた。ヤコブにはセドリックにロミーナの不遇な話をしてもらっている。セドリックは共通の趣味から仲が深まる……要するに、自分と同じ共通点があれば良いわけだ。自分と同じで孤独な生活をしていると知れば、セドリックもその気になってくれるかもしれない。私の任務はロミーナにセドリックの情報を流すことだ。あの後、昼食後にメロディとイザベラと一緒にいる頻度を減らし、ステファンに断られて一人で教室に戻ろうとするロミーナを引き留めて話をするようにした。「そういえば、セドリック様の話を聞いたんですけど、ロミーナ嬢は知ってますか?」「セドリック様の話ですカ?」教室に戻るまでの道中、休憩時間の廊下にはまばらに人がおり、様々なクラスの生徒とすれ違った。立ち止まって談笑したり、食堂へ向かう生徒達が楽しそうに連れ立ったりと賑やかな中、私たちもその流れに沿って歩きながら話をする。「はい。アレクサンド様から聞いたんですけどね、幼少期に凄く苦労したんですって。危うく死ぬような所だったとか」「えっ⁉」さすがにそこまでの話だとは思わなかったのか、不思議そうにしていたロミーナは目を丸くして驚いていた。そんな彼女の手をぎゅっと握り締め、私は彼女の目を真っすぐ見つめ返す。「今、一番セドリック様と仲が良いのはロミーナ嬢だと思うんですよ。だから、優しくしてあげて下さいね」私にそう言われて、ロミーナは何かにはっと気づくと、力強く頷いた。「えエ。任せて下さイ!」これで、ロミーナの方からもセドリックと仲良くしてくれそうだ。責任感が強い彼女には、そういうお願いをする方が聞くだろう。実際それは上手くいったのか、翌日からはロミーナの方からセドリックに話しかけていた。その様子を見ると思わず口角が上がってしまう。向かいのテーブルの端に座るヤコブをちらりと見ると、彼は私の方を見てこくりと頷いていた。ステフ
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第166話

「すみません」「気にするな」慌てるメロディをセドリックが慰めている。そんな二人の様子も初々しくて可愛らしい。微笑みながらその様子を観察していると、イザベラから急に声を掛けられた。「そうだわ。せっかくいるんだし、リリアンナがお手本を見せて頂戴」「え⁉ 私!?」「ええ。メロディ嬢にはステファン様と組んでもらって、リリアンナの真似をしてもらうのよ。お相手は、貴女の従者でどう? モンリーズ家の従者は、教育が行き届いているそうだから」思わず席を立ってしまう。イザベラはちらりと部屋の隅に控えているシヴァを見ていた。要するに、私とシヴァのカップリングも堪能したいと言う魂胆らしい。観察されるのは恥ずかしいが、シヴァとダンスをするなんて久しぶりだ。拒否はしたくない。私もシヴァを見つめると、彼はぺこりと男性側の礼を披露した。手を取り寄り添い合う。密着する体に、熱い体温。シヴァの整った顔がすぐ近くにあって、恥ずかしくなり視線を逸らす。それはそれで、こちらを見ているイザベラやメロディ達が見えて更に恥ずかしくなった。「お嬢様、こちらを見て。周囲は気にしないようにしましょう」「……シヴァは余裕そうね」「そうでもないです」二人でこそこそと小声で話しながら、イザベラの刻むリズムに合わせて体を動かす。やっぱり、シヴァはダンスが上手い。どの練習相手よりも、圧倒的に踊りやすさが違った。「うわぁ……素敵」メロディのそんな声が聞こえてくる。そうだ。実際、シヴァと私の踊るダンスは指摘することがないくらい美しいことだろう。シヴァと踊る時が一番、型を守りながらも生き生きと踊れている気がする。ちらっとイザベラを見ると、何とも満足げな顔をしていた。今後機会があったら、絶対に彼女とアレク
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第167話

とりあえず、魔法を教えるとしたら私だろう。そのため、私はロミーナに話してみることにした。王族専用食堂を出ていくロミーナとセドリックを呼び止める。「どうしましたカ?」「あの、ちょっと相談があって……」今思うとセドリックの前で言っていいのだろうか。ふと心配になるが、私は話を進めた。「またロミーナ嬢に、ライ語を教えて欲しいなと思いまして。そろそろ、中間試験が始まるでしょう?」「あア、そう言うことですカ」納得したのか、ロミーナは頷いてくれる。両手で私の手を取ると、アプリコット色の目を細めて愛らしい笑顔を向けて励ましてくれた。「もちろン、私でお役に立てるなラ」「そこでなんですけど、教わってばかりも申し訳ないので、私の方からも魔法を教えましょうか? 一番自信があるのが、そこなんです」「魔法ですカ?」「ええ。魔力の調整や制御は得意なので、先輩が習う物でも何かアドバイスできると思って」ロミーナは首を傾げると、少し考えこむ。隣にいたセドリックは先輩同士の交流を黙って見守ってくれている。ロミーナが考えている間に少し視線を向けると、セドリックは菫色の瞳をパチパチ瞬かせていた。視線が合うとにっこり微笑んでくれる。なんとも考えが読みにくい人だ。「えっト、そういうことでしたらお願いしま」 「僕じゃダメですか?」 その言葉は唐突だった。余計なことを言わず、いつも先輩を立てて大人しくしていたセドリックが、こうして口を挟むのは珍しい。ロミーナも驚いて彼を見るが、いつもと変わらず明るい笑みを見せている。「僕の方が、たぶん魔法は得意ですよ。なんなら、モンリーズ嬢も一緒に見てあげましょうか?」まあ、確かに魔法の強さで飛び級してしまうような人間だ。しかも、将来は王宮魔術師団の団長になるような人物から
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第168話

シヴァに相談してから数日後。週末のお休みの日に、私はシヴァと一緒に街へ来ていた。本来であれば王妃教育のために王宮へ行く日なのだが、今日はお休みだ。街中は週末の活気に満ち溢れていた。石畳の通りには露店がひしめき合い、売り子の威勢のいい声と客の笑い声が飛び交っている。焼きたてのパンや香辛料の匂いが入り混じり、人々は忙しなく行き交っていた。そんな空気に溶け込めるように、私はシヴァに変装魔法をかけてもらい、久しぶりに黒髪にピンク色の目の姿になっていた。お忍びのため、服装はちょっと良い所の商人風を目指し、質は良いが華美過ぎないものにしている。幾重にもレースのついた白いブラウスに、ワインレッドのロングスカート。スカートには白い花の刺繍が入っていて可愛らしい。同じくワインレッドの帽子を被り、髪は低い位置でのツインテールにしてある。「二人は見つかった?」「ああ」シヴァはと言うと、商人の娘の護衛っぽく、腰に剣を下げている。髪と目は変装魔法で赤にしてあり、白い肌に鮮烈な赤が目を焼きそうになる。ワックスで髪を上げて、ピアスを付けた姿はワイルドで本当にかっこ良い。シンプルな生成りのシャツは腕まくりされ、筋張った前腕が露出している。いつもの黒い手袋は今日も付けており、黒いズボンと黒い革製の編み上げブーツと相性が良かった。赤い髪を髪紐でひとまとめにくくってあり、前開きのシャツから覗く鎖骨が何とも色っぽい。「あそこにいるのがそうだろ」そう言いながら、シヴァは通りの先を指さす。そこには、見慣れない姿のメロディとステファンが並んで歩いていた。二人共、身分を隠すために私達のように変装魔法を使用している。メロディは貴族令嬢らしい華やかな新緑のワンピースを着ている。艶やかなストレートヘアは綺麗な金髪になっており、編み込みを入れてハーフアップになっていた。緑色で葉っぱの刺繍が入った白いリボンが良いアクセントに
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第169話

「ステファン×メロディのカプ、見たくないの?」 この一言で、イザベラは黙る。そうだ。彼女の中身である相羽優子はカップリング大好き人間。推しカプが見たくてゲームだってプレイしていたくらいなのだ。実際、そうなるようにメロディに肩入れするくらいなのだから、こう言われては黙るしかないだろう。「……私もそのデートを観察できるのだったら、いいわよ」言質は取った。どういう意味の話かは分からないようで不思議そうにしているアレクサンドも、イザベラの言葉を聞いて微笑んだ。「ちょっと危険な任務になるかもしれないし、私とイザベラ嬢、リリアンナ嬢がこっそり後を付けて見張れば大丈夫だね」「あ、私はシヴァと一緒に行動するので、別行動でお願いします」「私をアレクサンド様と二人っきりにするつもり!?」相変わらずイザベラが顔を真っ赤にしながら叫んでくるが、私は聞こえないふりをした。     まあ、そんなことがあって私達はステファンとメロディに任務を依頼し、その二人を尾行していた。どこかにアレクサンドとイザベラも変装魔法を使って民衆に紛れているのだろうが、私達にはまだ分からない。今回、アレクサンドからステファントメロディに依頼したのは、とある人物達の繋がりについての調査だ。せめてどこで密会しているのかくらいは知っておきたいらしい。その相手と言うのが、以前アレクサンドにも話した旧ソプレス王国の件。戦争賛成派による内乱が起こり、それにより国が滅んだという話だったはずだが、シヴァの旧友であり元騎士団長のヴォルフガングの話で、そうではないことが分かった。たった一晩で、目立った争いもないままに国王夫妻は殺され、国が崩壊してしまった。そんなことはおかしいし、聞いていた話と違う。それをアレ
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第170話

彼らには今回の調査の手伝いとしてお願いしてある。男女で行けば周囲の人間も安心して口を割りやすくなる。しかし、貴族が行くような店だ。アレクサンドや私では顔が知られているかもしれないし、ロミーナでは独特の訛りがあり調査には向かない。そのため、社交界でまだ顔が知られていないメロディを連れて、護衛として腕が立つステファンに依頼がしたいというのが、今回の言い訳だった。真面目な二人は、話を聞いてすぐに了承してくれた。「オレ達も行くか。少し時間を置いて入れば、目立たないだろ」そう言いながら、シヴァが私の手を握ってくる。こんな大勢が行き交う場所を、明らかにカップルと言った格好で、手を繋いで歩くなんて子供の時以来かもしれない。いや、あの時だって別にシヴァと両想いと言うわけではなかった。胸を高鳴らせながら、私はシヴァと一緒にカフェへ向かった。ステファンとメロディがカフェに入っていったのが分かる。カフェの目の前にある花屋を見るふりをして、一度そこで少し時間を置いた。花屋の軒先には、赤、白、黄色といった鮮やかな色の花々が、飾られている。特に目を引くのは、庶民的で手に入れやすいゼラニウムの鉢植えや、明るいオレンジ色のマリーゴールド。その豊かな香りが、街の賑わいと混ざり合っていた。こんな尾行なんてはじめてだ。興味と緊張でソワソワしている私を気遣ってくれたのか、シヴァは近くにあった花を手に取る。それは、鮮やかな赤紫色の花穂を持つサルビアだった。その燃えるような色合いが、初夏の陽気によく映える。「これ1つ」「あら、彼女さんにプレゼント?」シヴァに声を掛けられ、女店主がにこやかに答える。その微笑ましい物を見る視線に耐え切れず、私は恥ずかしくなってシヴァの後ろに隠れた。「まあ、そんなところです」「いいわねぇ。彼女さんったら、照れちゃって」シヴァは女店主の視線を気にせず、私の髪にサルビアを
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