ちりんと軽やかなベルの音が鳴る。店内に入ると、外界の喧騒が遮断され、静かで落ち着いた空気に包まれた。このカフェは、一つ一つのテーブルが丁寧に配置されており、革張りのソファや、控えめな色調のカーテンが高級感を醸し出している。席と席の間隔が広くとられているため、実際には客が入っているにもかかわらず、人が少ないように見えた。「いらっしゃいませ。二名様ですか?」品のいい制服を着た店員が、優雅な仕草で尋ねてくる。「ああ。静かな席を希望したいんだが」店員とシヴァが会話している間、私はざっと店内を見渡した。メロディとステファンは出入り口のすぐ近くの席にいたので、すぐに見つかった。他に見知った顔はない。アレクサンドから肖像画を見せてもらい覚えたアルベリヒ、ディトリヒの二人の姿も見えない。シヴァが会話を終えると一番奥の席に案内された。一通り店内が見渡しやすい位置取りだ。従業員室や奥にある個室に繋がる通路にも近いため、見張りやすい。本来は4人席のようだが、私もシヴァも店内を監視しやすいようソファに隣同士で座った。シヴァが詰めて座ってくるので体が密着する。「シヴァ、近くない……?」「わざわざ隣同士に座るんだから、そういうカップルに見える必要があるだろ」まあ、それはその通りだ。それにしても恥ずかしい。店内がよく見えるため、従業員が微笑ましそうにこちらを見ているのまで丸わかりだ。顔が赤くなっているのを自覚しながら、私は思い切ってシヴァの腕に絡みついた。少し驚いたのか、反対の手でメニューを手繰り寄せていたシヴァの体が小さく跳ねる。こちらを見てきたシヴァは微笑むと、私の頭を愛おしげに撫でてくれた。そのまま私の頭に顔を寄せると、ちゅっと小さくリップ音がする。さすがにサービス精神旺盛すぎませんかね⁉ と私が動揺してキスされた頭に手を当てている光景を見て、面白そうにシヴァが笑
최신 업데이트 : 2026-03-28 더 보기