由衣は、顔色の悪さ以上に、その姿全体から痛々しいほどの憔悴が滲み出ていた。 顔には隙のない美しいメイクが施されている。 全身から漂う疲弊だけは、どれほど丁寧に化粧を重ねても隠しきれない。 いつも愛らしく、どこから見ても完璧に着飾っていた彼女とは、まるで別人だった。 ほんの数日しか経っていないというのに、ひと回りも痩せたように見える。 なめらかだった頬の輪郭はすっかり痩せ細り、もともと大きな瞳は、その痩せた顔立ちによってさらに大きく映っていた。 目だけが異様なほど印象に残り、見る者へ得体の知れない恐ろしささえ抱かせる。 慎一を囲んでいた人々の間から、小さなどよめきが広がった。 好奇心を隠しきれない男が一人、慎一の表情をうかがいながら遠慮がちに尋ねる。「朝倉社長、綾瀬さんはどうしてこちらに……?」 紗月も少し離れた場所に立つ由衣へ目を向けた。 由衣も会場にふさわしいカクテルドレスを身にまとい、手には招待状らしきものを握っている。 大きな瞳は慎一だけを真っ直ぐ見つめていた。 周囲から向けられる囁き声も視線も、何一つ意識していないようだった。 慎一は驚いた様子を見せない。 由衣へ向ける眼差しにも感情の揺らぎはなく、淡々と口を開く。「そうだな。どうやって来たんだろうな」 その一言だけだった。 由衣について語る気は微塵もない。 慎一の態度を見た人々も、それ以上この話題へ踏み込むことはしなかった。 話題は自然と最近進められている共同事業へ移っていく。 会場にいる誰もが示し合わせたように由衣の存在へ触れなくなり、その名が再び口にされることもなかった。 こうしたパーティーの目的は、何より人脈を広げ、新たな仕事へと繋げることにある。 こうしたパーティーの目的は、人脈を広げ、新たな仕事へ繋げることにある。 話題が資金調達へ移るにつれ、紗月は自分がここにいても慎一の邪魔になるだけではないかと思い始めた。 慎一も真剣に耳を傾けている。紗月は適当な理由を口にしてその場を離れ、風に当たろうとテラスへ向かった。 会場には大勢の招待客が行き交い、あちらこちらでグラスを片手に談笑する姿が目に入る。 夫人たちだけで集まっている一角もあった。 誰もがひと目で上質だと分かる華やかなドレスを身にまとい、気心の知れた者同士なのだろう、
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