今、由利たちが訪れていたのはハワイ最大級のショッピングセンターだ。百を超えるショップやレストランが集まり、世界的に有名なブランドたちが立ち並んでいる。流石は有名な観光地というべきか、様々な国からの観光客で賑わっている。日本では見慣れないアパレルの店舗に、紫苑は釘付けになっていた。「姉さん、義兄さんはどこにいるの?」「碧斗はちょっと疲れているようだから、休んでるって。私と二人じゃ不安かしら?」「ううん、そういうわけではないの」紫苑はニコッと笑みを浮かべながら首を横に振った。彼女が何を考えているのか、最近は特に読みづらくなっている。(昔から誰よりも紫苑の傍にいてきたはずなのに……どうしてこんなにも居心地が悪いのかしら)由利はできるだけ離れないように、紫苑の隣を歩いていた。彼女たちが今いるショッピングモールはかなり大型であるため、何時間いても飽きないだろう。「姉さん、あとで父さんと母さんへのお土産を買いましょうよ」「そうね……私も個人的にあげたい人がいるし」そのときに由利の脳裏をよぎったのは、親しくしている職場の同僚たちと――涼介の笑顔だった。彼女と目を合わせて優しく微笑みかける彼の顔が、しばらく頭から離れなかった。(……こんなときにまで兄さんのことを考えてしまうだなんて)そういえば、昨日送ったメールは読んでくれたかな。後できちんと確認して返事をしないと。彼のことを考えると、由利の口元に自然と笑みが浮かんだ。そんな姉の顔を、紫苑が覗き込んだ。「――姉さん、何か良いことでもあったの?」訝しそうに自身を見つめる紫苑に、由利は慌てて我に返った。「良いことがあっただなんて、どうしてそんな……?」「ただ何となく嬉しそうに見えたから……まるで――好きな人のことでも想像しているみたい」「……」前から思っていたが、紫苑はやけに鋭いときがある。涼介から貰ったプレゼントのことも疑っていたようだし、最近は特に些細な由利の変化にも気付くようになった。紫苑は鋭い目で由利を問い質した。「ねぇ、姉さん……それってきっと、碧斗義兄さんのことじゃないわよね?」「な、何を言っているの……碧斗のことに決まってるでしょう……」本当はすでに碧斗に気持ちなんて無かったが、他の誰かを愛していると答えるよりかはマシだろう。彼のことはいずれ紫苑に譲ろうと思っているが、今はま
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