「クレタには、しばらくルビンスの身の回りの世話を頼みたい」「命令なら仕方ないけど、世話を始めたら他の仕事はできなくなるよ」 判ってる。 でも、他に適任者がいない。「他の仕事の方を割り振る。頼むよ」「判った」「早速今日からよろしく」「今日から? 今から?」「できれば今から」「…………準備があるから二時間後でいい?」「二時間か、仕方ないな。じゃあ、先にザイーダを呼んできてくれ」「判った」 と、クレタはとっとと出ていく。「人材不足でございますな、お館様?」 芝居がかってんね、ルダー。「ホントさ」「俺も帰っていいか?」「まだダメ」「何かあるのか?」「うん、切り拓いた土地に少々仕掛けを……」「面白そうだな」 僕は、ザイーダが来るまでルダーと仕掛けについて話し合う。「お呼びでしょうか? お館様」「ふむ、クレタが来るまでルビンスを見張っていてくれ」「お出かけですか?」「うん、聞かせられない話があってね」「かしこまりました。いってらっしゃいませ」 僕は、ザイーダ一人と捕虜二人を残して館を出る。 まずはルビンスの従者一人を解放する。 と言うか、羊皮紙に手紙を認め、ホルスを一頭与えて使者にした。 宛先はルビレル。 次に冬ごもりに入るキャラバンからヤッチシとブロー、ノーシを借りて、去年のオギンの役割を頼む。「俺が黄門様やってやろうか?」 と、ジョーが言ったけど、遠慮してもらう。 で、オギンに使者として隣村に行ってもらう。 そんでもって帰りに村長の孫の少年ケイロを連れてきてもらうことにした。「ケイロくんか、いい人選だ」 あ、ジョーもそう思う? なかなか見どころのある少年だよね。
Read more