【右隣から二人目の人の耳元で、「すごくいい体をしていますね」と囁く。】梨沙の右隣、一人目は海渡。そして二人目は礼都だった。彼女の顔は一瞬で熱くなった。柊治は隣でしきりにはやし立てる。「早く、早く!みんなを待たせるなよ」梨沙はこっそり礼都を見た。彼はうつむき、スマホを眺めていた。横顔の輪郭がひときわくっきりと際立っている。まるで一人だけ、この賑やかな場から切り離されているようだった。最初から、このゲームには参加していないかのように。海渡は梨沙の膝を軽く叩き、先を促した。「ただのゲームだ。負けたならルールには従えよ。いつまでもぐずぐずして、みんなを待たせるな」梨沙は海渡の手を払いのけ、立ち上がった。礼都のもとへ歩み出す足元は、まるで雲の上を歩いているようにふわふわと頼りなかった。梨沙が目の前に立って、礼都はようやく我に返った。スマホを置き、彼女を見上げる。その目には一瞬、戸惑いが浮かんだ。しかし、梨沙が持っているカードと、今にも飛び上がりそうなほど興奮している柊治を見て、すぐに事情を察した。礼都はわずかに体を横へ向け、低い声で尋ねた。「俺は何をすればいい?」梨沙は無言で身をかがめ、彼の耳元へ顔を寄せる。礼都からは、雨上がりの杉を思わせる香りに、ミントの清涼感がほのかに混じった、心地よい香りが漂っていた。梨沙は深く息を吸い、唇を彼の耳元へ近づける。「すごく......」――早く言ってしまおう。言い終えたら、すぐに離れよう。だが、残りの言葉を口にしようとした瞬間、彼女の唇が無意識に礼都の耳たぶへ触れてしまった。柔らかく熱を帯びた二つの感触が重なる。梨沙の全身が固まり、頭の中が真っ白になった。「......いい体をされていますね!」小声でどうにか言い終えると、足早に自分の席へ戻った。炭酸水のボトルを手に取り、一気に喉へ流し込んだ。それでようやく、気まずさが少しだけ和らいだ。ゲームは続いた。今度は、瓶の口が海渡の前で止まった。海渡はカードを一枚引いたが、内容を見た瞬間、表情をわずかにこわばらせた。天音がそのカードをさっと奪う。「私が読む!また『真実を答える』だ。今日はこればっかりだね。お兄ちゃんへの質問は......『これまでに、パートナーを裏
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