試験が終わってから数日。 佳苗の日常は、少しずついつものリズムを取り戻していた。 仕事を終えて帰宅し、夕食の支度をする。 雄吾が先に帰っている日は二人で料理をし、帰りが遅い日は佳苗が先に夕食を済ませて待つ。 そんな生活が自然と定着していた。 この日も佳苗はスーパーへ立ち寄り、買い物袋を提げてマンションへ戻る。「今日は何にしようかな」 野菜売り場で安かったアスパラガスを見ながら考えた末、鶏肉と炒めることにした。 雄吾は和食も洋食も好き嫌いなく食べてくれる。 だから献立を考えるのも楽しかった。 部屋へ戻ると、まだ雄吾は帰宅していなかった。「今日は少し遅いのかな」 バッグを置き、エプロンを身につける。 冷蔵庫から食材を取り出し、手際よく下ごしらえを始めた。 包丁の音だけが静かな部屋へ響く。 しばらくして、玄関のドアが開く音がした。「ただいま」「おかえりなさい」 佳苗はキッチンから顔を出して微笑む。「もう少しでできますよ」「いい匂いだな」 雄吾はネクタイを緩めながらキッチンを覗き込んだ。「今日は何だ?」「鶏肉とアスパラガスの炒め物です」「それと、じゃがいものお味噌汁」「楽しみだ」 雄吾はそう言うと、腕まくりをした。「何か手伝おうか」「じゃあ、お皿を出していただけますか?」「ああ」 食器棚から皿を取り出し、テーブルへ並べる。 ほんの少し前までは、こうして一緒に食卓の準備をするだけでも緊張していた。 今はもう、お互い自然に動ける。「できました」 二人で料理を運び終え、席に着く。「いただきます」 佳苗は炒め物を口へ運びながら、ふと笑った。「何だ?」「いえ」 佳
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