母から連絡が来なくなって、一週間が過ぎた。 佳苗も最初の数日は気にしていたが、仕事に追われているうちに、いつもの生活へ戻っていた。 そんなある日、恵からメッセージが届く。『お母さんから連絡あった?』『ないよ』『やっぱり』 嫌な予感がして、佳苗は電話を掛けた。「何かあった?」『いや、何もないんだけどさ。今日電話したら、お姉ちゃんから一週間も連絡ないって言ってたから』「……それだけ?」『それだけ』 佳苗は眉間を押さえた。「お母さんからも連絡ないよ」『私もそう言ったんだけど』「何て?」『たまには娘の方から連絡するものでしょうって』「この前、私から連絡したこともあったんだけどな……」『覚えてないんじゃない?』「覚えてると思う」 きっと、そういう問題ではない。 母は今、自分が何もしなくても佳苗が気づいてくれることを待っているのだ。 ◇ 電話を切ったあと、佳苗は迷った。 このまま放っておいてもいい。 けれど、母と話したくないわけでもなかった。 結局、その日の夜にメッセージを送った。『元気?』 すぐに既読がついた。『元気よ』『最近連絡なかったから』 返事はしばらく来なかった。『佳苗も連絡くれなかったでしょう』『うん。お互い様だね』 また沈黙する。 数分後。『普通、親が連絡しなかったら心配しない?』 佳苗は画面を見つめた。『一週間くらいなら、忙しいのかなって思うよ』『倒れてるかもしれないのに?』『そのときは連絡して。必要ならすぐ行くから』 母が求めている答えではないことは分かっていた。『連絡できない状態だったらどうするの?
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