ブランド『花日和』の商品企画会議が開かれる日。 神宮寺家の朝は、いつもより少しだけ慌ただしかった。 食卓では佐伯が朝食を並べ、芹香がお茶を淹れている。 澪は落ち着かない様子で、何度も時計を見ていた。「……緊張します」 ぽつりと呟く。 今日はいよいよ、ブランドの商品について話し合う日。 自分の意見が、本当に役に立つのだろうか。 そんな不安が胸の中を行ったり来たりしていた。 そのとき。「おはよう」 綾人が部屋の中へと入ってくる。「お、おはようございます」 澪は慌てて立ち上がった。「今日も、ご一緒ですよね? ご相談したいことがあって――」 そう尋ねると、綾人は静かに首を横へ振る。「俺は今日、別件がある」「え……?」 少しだけ表情が曇る。綾人は展示会へ出展する大作の生け込みがあり、一日現場を離れられないらしい。「そう、なんですね……」 澪は小さく笑ってみせたものの、不安は隠しきれなかった。「……一人で大丈夫かな」 その声を聞いた綾人は、澪の前まで歩いてくる。 そして、澪の肩に優しく手を置いた。「大丈夫だ」 綾人の柔らかな体温が伝わって来る。不思議と胸の奥が少し軽くなる。 澪は綾人を見上げ、小さく笑った。「……はい」 綾人は頷くと、そのまま続けた。「今日は相良を同行させる」「相良さんを? 私に、ですか?」「何か困ったら、あいつに聞け」 さらりと言ってから、「一応、花のことも分かる」 と付け加えた。 すると、「本日はよろしくお願いいたします」 相良がいつもの穏やかな笑顔で一礼した。 澪は少し驚いたように首を傾げる。「相良さん、お花にも詳しいんですか?」 相良は少しだけ照れたように微笑んだ。「私も一応、神宮寺流の門下生ですので」「……え?」 澪は一瞬、固まる。「ええぇぇぇぇっ!?」 そして、その言葉を咀嚼し終わったあと、大きな声が出た。 その反応に、佐伯がくすりと笑う。「実は私も」「えっ?」 次に、ひまわりが元気よく手を挙げた。「もちろん私もですー!」 芹香もその隣で穏やかに頷く。「私も少々嗜んでおります」 桜も、おずおずと小さく手を上げた。「わ、私も……です」 澪は目をぱちぱちさせながら、一人ひとりを見る。「み、みんな!?」 全員が笑顔で頷いた。 澪は思わず頭
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