Alle Kapitel von もう一度、やり直せるなら 〜告白成功から始まる、それぞれの選択〜: Kapitel 41 – Kapitel 45

45 Kapitel

5-7 約束と決意

 その日の夜。 自室で駿は、ベッドに腰掛けながら果奈と電話をしていた。◆◆◆「明日、果奈の県大会だったね。俺も部活をサボってでも見に行きたかったけど、大会を近くに控えてるから、さすがに行けないな」 すると電話の向こうから、少し強めの声が返ってくる。「もし、部活サボって大会見に行きたら、駿と別れるよ」「えぇっ!?」 思わず大きな声が出た。「そこまで言う?」 果奈は小さく笑う。「言うよ。駿が今までどれだけ頑張ってきたか知ってるし、そんな努力を自分から無駄にするようなことだけはしてほしくない」 その声は優しく、怒っているわけでも、意地悪を言っているわけでもない。 俺の夢を大切に思っているからこその言葉だった。 その気持ちが伝わってきて、自然と笑みが溢れる。「……分かった。ちゃんと部活に行くよ。」「うん、その代わりじゃないけど、ちゃんと守ったら、駿の大会、応援しに行くから」「本当に!?」 嬉しさのあまり、小さくガッツポーズを作ってしまう。 本当は来週、自分から誘おうと思っていたからこそ、果奈の方からそう言ってくれたことが何より嬉しかった。「駿がちゃんと守ったらの話だからね。あと、行けるとしたら、土曜日かな」「分かった。果奈が来るなら、もっと練習頑張るよ」 電話の向こうで、くすっと笑う声が聞こえる。「私関係なしに頑張りなさい」「はい……」「ちょっと早いけど、明日大会あるし、もう寝るね」「分かった。大会頑張って」「うん、おやすみ」「おやすみ」 通話が切れ、静かになった部屋で、スマホの画面だけが淡く光っていた。 そして、ベッドへ倒れ込むように横になる。(果奈が応援に来てくれる。)
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5-8 支えられて

 大会会場へ到着すると、果奈は荷物を自分の席へ置き、先輩と一緒にウォーミングアップを始めた。◆◆◆ 県大会へ駒を進めたのは、私と先輩の二人だけで、他の部員たちは学校でいつもどおり練習に励んでいる。 ウォーミングアップを終え、開会式が始まる。 県内各校の選手たちが一堂に集まり、会場は独特の緊張感に包まれていた。 開会式が終わると、間を置かずにトーナメント戦が開始する。 試合順が遅く、ただ座って待っているだけだと緊張ばかりが膨らんでしまう。(身体を動かそう) そう決めて、体育館の周りをゆっくりと走り始める。 一定のリズムで足を運ぶ。 呼吸を整えながら走っていると、少しだけ気持ちも落ち着いてきた。 その途中、ふと観客席へ視線が向く。「……」 無意識に視線が人混みを追ってしまう。 もしも、なんてことはない。 そう分かっているのに、小さな期待だけがどこかに残っていた。 その時、名前を呼ぶアナウンスが体育館へ響く。「――早川果奈選手」 小さく息を吸い、表情を引き締めた。(よし) 迷いを振り払うようにコートへ向かう。 初戦。 立ち上がりは思うように身体が動かず、苦しい展開が続いたけど、中盤から少しずつリズムを取り戻し、得意のラリーへ持ち込み、相手を左右へ揺さぶる。 一点。 また一点。 積み重ねるごとに身体も心も軽くなっていき、そのまま流れを渡すことなく初戦を勝ち切った。 勝利報告した後、観客席に戻る時も誰かを探すように辺りを見渡しながら戻った。 その後。 接戦の末に二回戦を突破し、地方大会出場まで後一歩へと迫り、三回戦に向けて準備をしていた。 そんな最中、
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5-9 力になる

 大会会場へ到着すると、果奈は荷物を自分の席へ置き、先輩と一緒にウォーミングアップを始めた。◆◆◆ 県大会へ駒を進めたのは、私と先輩の二人だけで、他の部員たちは学校でいつもどおり練習に励んでいる。 ウォーミングアップを終え、開会式が始まる。 県内各校の選手たちが一堂に集まり、会場は独特の緊張感に包まれていた。 開会式が終わると、間を置かずにトーナメント戦が開始する。 試合順が遅く、ただ座って待っているだけだと緊張ばかりが膨らんでしまう。(身体を動かそう) そう決めて、体育館の周りをゆっくりと走り始める。 一定のリズムで足を運ぶ。 呼吸を整えながら走っていると、少しだけ気持ちも落ち着いてきた。 その途中、ふと観客席へ視線が向く。「……」 無意識に視線が人混みを追ってしまう。 もしも、なんてことはない。 そう分かっているのに、小さな期待だけがどこかに残っていた。 その時、名前を呼ぶアナウンスが体育館へ響く。「――早川果奈選手」 小さく息を吸い、表情を引き締めた。(よし) 迷いを振り払うようにコートへ向かう。 初戦。 立ち上がりは思うように身体が動かず、苦しい展開が続いたけど、中盤から少しずつリズムを取り戻し、得意のラリーへ持ち込み、相手を左右へ揺さぶる。 一点。 また一点。 積み重ねるごとに身体も心も軽くなっていき、そのまま流れを渡すことなく初戦を勝ち切った。 勝利報告した後、観客席に戻る時も誰かを探すように辺りを見渡しながら戻った。 その後。 接戦の末に二回戦を突破し、地方大会出場まで後一歩へと迫り、三回戦に向けて準備をしていた。 そんな最中、
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5-10 確実に進んでる

 次の日の放課後。 直己は美生と買い物する為、待ち合わせ場所に待っていた。  ◆◆◆ (今日は絶対に待たせない) 前回は島内さんよりも遅く到着してしまい、『気にしなくていいよ』と笑ってくれたけれど、その優しさに甘えたくはなく、今日は十二分に余裕を持って家を出た。 スマホで時計を見ると、待ち合わせ時間まではまだ十分ある。(これなら大丈夫だろ) そんなことを考えながら待っていた数分後。 「鈴木君」 聞き慣れた優しい声が耳に届き、振り向くと、島内さんが歩いてくる。「待たせてしまってごめんね」「俺もさっき着いたばっかだから大丈夫」 本当は少し前から待っていたけど、それを言えば島内さんはきっと気を遣ってしまう。 だから、それくらいの嘘がちょうど良かった。「それじゃあ、行きますか」 ただ島内さんよりも早く到着しただけなのに、これなら今日は上手くいきそうだと思った。 その勢いに乗れたお陰か、前回は買い物の時では会話が弾まなかったが、今回は駿の話題などで盛り上がり、会話が自然と弾み、いい雰囲気のまま、買い物を終えることが出来た。 買い物を終え、島内さんと共に駿の家へ向かう。 夕暮れの風が心地よく吹き抜ける。 前回は沈黙が気まずく感じた帰り道だったけれど、今日は違った。 歩幅も自然と揃い、会話も途切れない。 そんな穏やかな空気の中、島内さんがふと思い出したように口を開いた。「そういえば、もうすぐ期末テストだけど、鈴木君は勉強してる?」「まだやってない。テスト勉強は1週間前に少しずつ手をつけ始めて、テスト前日に徹夜するって感じ」 島内さんは思わず目を丸くした。「テスト当日大丈夫なの?テスト中に眠くなったりしない?」「テストの日って早く帰れる
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5-11 理想の未来

 二日後の放課後。 駿は部活を終え、果奈と並んで歩いていた。 ◆◆◆ 今日は果奈が『どうしても行きたい場所がある』と言うので、その場所へ向かっている最中だった。 夕暮れが近づき始めた街は、昼間の熱気が少しだけ和らぎ、吹く風にもどこか初夏らしい匂いが混じっている。「行きたい場所があるって言ってたけど、どこに行くの?」 そう尋ねると、果奈はいたずらを企んでいる子供のような笑みを浮かべた。「着いてからの秘密」「教えてくれてもいいじゃん」「駄目」 くすくすと笑う果奈の横顔を見ていると、自然と頬が緩む。 こうして隣を歩くだけでも楽しかった。  学校から十分ほど歩いた頃、公園の入口へと辿り着く。「ここ?」「うん」 果奈は嬉しそうに頷くと、そのまま公園の奥へと歩き出したので、その後を追う。 やがて木々の間を抜けた先で――思わず足が止まった。「うわ……」 思わず声が漏れる。 そこには一面の紫陽花が広がっていた。 青。 紫。 白。 淡い桃色。 無数の花々がライトアップされ、幻想的な光景を作り出している。 昼間に見る紫陽花も綺麗だが、夜の光に照らされた紫陽花はまるで別物だった。 静かで。 優しくて。 少しだけ夢の中みたいだった。「凄い数の紫陽花。学校の近くの公園にこんな所があるなんて知らなかった」「私も去年知ったの」 果奈が紫陽花を見つめながら言う。「友達に誘われて見に行って、あまりにも凄くて感動しちゃった」 その声はどこか懐かしそうだった。「だからね――」 果奈が少しだけ視線を落とす。
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