Alle Kapitel von もう一度、やり直せるなら 〜告白成功から始まる、それぞれの選択〜: Kapitel 31 – Kapitel 40

45 Kapitel

4-6 力になりたい

 次の日の朝。 柔らかな朝日が街を照らす中、駿は果奈と並んで学校へ向かっていた。◆◆◆ 果奈が学校へ戻ってきてからというもの、この時間は二人にとって当たり前になりつつあった。 待ち合わせをしたわけでもない。 どちらから誘ったわけでもない。 気がつけば同じ道を歩き、他愛もない話をしながら学校へ向かう。 そんな何気ない朝が、心地良かった。「ふぁ……」「凄く眠そうにしているけど、やっぱり、昨日何かあった?」 その質問に果奈が身体に電撃が走ったかのようにびくっと反応した。「ううん、なんでもない。強いて言うなら、弟のことを寝かしつけていたくらい」 そして思い出したようにこちらを見る。「それと、昨日はごめんね。急に電話切っちゃって」「そ、そうなんだ……」 果奈が焦りながら答える様子を見ていると、電話を切られた後、俺が何を考えていたのか思い出してしまった。(……駄目だ) 頭の中に昨夜の記憶がよみがえる。 急に電話を切った果奈。 “お風呂に入る”という言葉。 そして。 そのまま果奈がお風呂に入る様子を、勝手に想像してしまった。(俺、何考えてたんだ……) 思い出しただけで耳まで熱くなり、果奈と同じように、少しだけ視線を泳がせた。「どうしたの、なんか凄い反応してたけど?」 果奈が不思議そうに覗き込む。「本当に、本当に!なんでもない」 果奈がお風呂に入ってる姿を想像してたなんて、口が裂けても言える訳がない。「逆にそこまで返されると、怪しいんだけど……」「本当に何もないから」 これ以上この話題を続けたら危ないと思い、果奈の弟の話題へと変える。「それよりも弟の寝かしつけるのって
Mehr lesen

4-7 チャンス到来

 次の日の朝。 駿が朝食を食べていると、向かいに座っていた結がふと思い出したように口を開いた。◆◆◆「兄さん」「ん?」「美生姉さんと買い物でノート買ってきてくれない?」 その一言で、箸がぴたりと止まった。「えっ!?今日って美生と買い物に行く日だっけ?」「はぁ?まさか忘れてたの?」「はい……」「はぁぁ……」 結が呆れたように、大きなため息を吐いた。「しかも今日、大会前の模擬戦でなかなか部活抜けられないんだよな……」 今日は代表メンバー同士の実戦形式の練習があり、途中で抜けられる雰囲気ではない。 すると結が静かに言う。「仕方ないから、今日は私が行くね」「部活は大丈夫?」「顧問の先生に部活を休んでもいいか聞くのは面倒臭いけど、大きな大会も近くにないから、大丈夫」 結は大丈夫だと言っていたが、長男として結にあまり負担をかけたくないという気持ちが勝り、何か良い方法がないかと考え始める。 そんな時だった。 スマートフォンが震え、画面を見ると、直己からLINEが来ていることに気づく。『新作RPGがやばい!』 学校で言えばいいだろと思った瞬間、頭の中に一つの案が閃く。(そうだ、直己に頼んでみよう) 美生と買い物に行かせたら、何かしらのきっかけに繋がるかもしれないし、直己は写真部だけど、幽霊部員で部活行ってない。 美生も中学三年の時、俺と直己の三人で受験勉強をよくやっていたから、多分了承してくれると思う。 そう考えた後。 すぐに直己へメッセージを送る。『今日、どうしても部活を抜けられなくて、美生と一緒に買い物に行ってくれるとありがたい』 続いて、美生にも送る。『ごめん、美生』『今
Mehr lesen

4-8 恵んでくれたチャンスを活かす

 放課後。 直己は待ち合わせ場所である複合商業施設へと向かっていた。◆◆◆ 約束の時間より少し早く着けば、余裕を持って迎えられると思って、家を出た筈だった。 しかし、待ち合わせ場所へ着いた瞬間、その考えはあっさり覆される。 そこには、すでに島内さんが立っていた。 スマホを眺めながら待っている姿は、どこか穏やかで、その姿を見ただけで鼓動は一気に速くなる。(やっちまった……。) せっかく早く来たつもりだったのに、結局待たせてしまい、申し訳なさが先に立つ。「島内さん、すいません。待たせてしまったみたいで」  中学校の時は普通に話せていたけど、今は異性として意識していることもあり、軽く謝るつもりが堅苦しい言葉で謝ってしまった。「私がちょっと早く着いちゃっただけだからそんな謝らないで。それに中学校の時みたいに普通な感じで大丈夫だよ」「りょ、了解」 さっきよりかは普通に対応出来たけど。島内さんの優しさに胸が締め付けられそうになる。 最初に日用品売り場へと向かう。 歩幅を合わせて歩くだけなのに、妙に緊張してしまう。 沈黙が続く。 何か話そう。 そう思うほど、頭の中は真っ白になる。 すると、島内さんの方から口を開いた。 「駿君から何買えばいいのか聞いていない?」 慌ててスマートフォンを取り出し、駿から送られてきたメッセージを開いた。「買う物は歯磨き粉、男用のシャンプー、ゴミ袋、ノートだって」「分かった。まずはゴミ袋が売ってるところから行くね」 島内さんは迷いなく歩き出し、少し遅れて後を追った。 ゴミ袋を手に取った後、続けてノート、歯磨き粉と、買い物自体は驚くほど順調に進んでいた。 けれど。 俺の心だけは順調とは言えな
Mehr lesen

4-9 自信と安心と…

 部活を終えた駿は家へ帰ると、茶の間へ向かった。 ◆◆◆ カレーの香りが家中に広がっていて、思わず腹が鳴りそうになるほど食欲を誘う匂いだった。 しかし、その匂いとは正反対の空気を目にする。「直己、落ち込んでそうだけど大丈夫か?」 その姿を見て、一瞬胸がざわつく。 美生と買い物をした時、関係を思ったより縮められなかったのだろう。 そんな考えが頭をよぎる。「はぁ……結ちゃんがまだ俺に冷たくてさ、いつになったら忘れてくれるんだよ…」「あのことね、結も頑固なところがあるからそこまで気にしなくてもいいよ」 そうは答えたが、美生との買い物じゃなくて、結との蟠りで落ち込んでいたのかよと、ツッコミそうになる。 「そんなことよりも美生との買い物はどうだった?」 その瞬間、さっきまで曇っていた直己の表情が、少しだけ明るくなった。「最初は会話が続かなかったり、会話の頻度が少なかったけど、一緒に買い物をするにつれて会話が弾むようになって、駿の家に向かう時は一度も途切れることなく会話出来た」 いい報告が聞けて、自然と口元が緩む。「良かったじゃん」 心からそう思えた。 あれほど悩んでいた親友が、一歩踏み出せた。  その事実だけで嬉しかった。「ありがとな駿、この話を持ち出してくれて。こういう機会がなかったら、ずっと島内さんとの距離を縮められないで、もがいていたと思う」「お礼を言いたいのはこっち。今日は買い物行ってくれてありがとう」 二人で笑い合う。 少し前なら、お互いこんな素直な言葉は照れくさくて言えなかったかもしれない。 それでも今は、不思議と口に出来た。「お礼がてらじゃないけど、一つお願いいいか?」 「いいよ」「また島内さんと買い物する機会があっ
Mehr lesen

5章 目標に向かって5-1 好きな人の初めて知った一面 1

 次の日の放課後。  駿はもうすぐ行われる地区大会に向けて練習をしていた。◆◆◆ 照り返しの強いコート。 ラケットを振るたびに腕へ衝撃が伝わり、額から流れた汗が頬を伝って落ちていく。 容赦のない球出し練習が終わると、コートの隅でボールを拾っていた隆二へ声を掛ける。「玉拾い、お疲れ様」 「代表メンバーに選ばれなかったからしょうがない」 その言葉は冗談めいていたが、代表入りを逃した悔しさが完全に消えたわけではないことを、知っていた。「そっちもお疲れ、今江先生が球出していたから、相当きつかっただろ?」「ガチできつかったし、最後なんて腕が上がらなくなるかと思った」 そんな話をしていると、あることを思い出す。「この後祐希とラリーする約束してるんだけど、水飲んだりトイレ行ったりしたいから、少しだけ代わり頼める?」「勿論」「助かる。少しの間、頼んだ」 そう言って、学校の玄関へと向かう。  校舎へ入り、上履きへ履き替え、そのまま部室近くのトイレへ向かおうとする。 だけど。 今日は、途中で足が止まった。 体育館の方から聞こえてくる。 ――パンッ! 乾いた羽根を打つ音。(……もしかして) 自然と体育館の方へ視線が向き、何かを察したように、体育館の方にあるトイレへ向かうことにした。 少しだけ迷ったけど、足は体育館へ続く廊下を歩いていた。 体育館へ入ると、熱気が一気に身体を包み込み、汗と体育館特有の床の匂いが鼻をくすぐる。 手前ではバドミントン部。 奥ではバスケットボール部。 それぞれが大会へ向けて声を張り上げ、体育館全体が活気で満ちている。 邪魔にならないよう壁際を歩きながら、自然と視線を巡ら
Mehr lesen

5-2 恋人として、競技者として

 練習が終わった後。 駿はさっき笑っていた隆二を問いただす為に話しかける。  ◆◆◆「俺が祐希との試合の後、喋っていた時に、後ろでこそこそ笑っていたけど、何か面白いことでもあった?」 真正面から問い掛けるが、隆二は眉一つ動かさなかった。「別に笑ってないけど」 あっさり否定し、何もなかったように続ける。「早く早川の元に行かなくて大丈夫なのか?」 話題を見事にすり替えられる。「隠し通そうとしても、無駄だぞ」 そう言うと、隆二は観念したように大きく息を吐いた。「だって、祐希の言葉に、浅村が分かりやすく反応するものだから、笑わないでいる方が無理」 思わず顔を顰めてしまう。「そんなに分かりやすかった?」「凄い分かりやすかった」「マジか……」 思わず額を押さえた。 自分では必死に誤魔化したつもりだったのに、それが全部顔に出ていたらしい。「にしても、その都度思うんだけど、祐希って、こういうことに関する感が鋭いんだ?」「さーな、強いて言うなら、祐希も気になってる人が居るから、感が鋭いんじゃないか?」「へえ……祐希にも気になる人がいるんだ」「それよりも、本当に早川の所に向かわなくて大丈夫なのか?」 その一言で、時計を見てみると。待ち合わせ時間が近づいていた「ヤバい、そろそろ行かないと。じゃあ、また明日」「じゃあな」 部室を後にして、果奈と待ち合わせしている場所へと急いで向かった。 待ち合わせ場所には、既に果奈が待っていた。「ごめん、少し待たせちゃった。」 息を整えながら謝ると、果奈は首を横に振った。「ううん、今日は練習長引いたんでしょ?それくらい分かるよ。」 責めるような様子は全くなく。その優しい笑顔に、胸を撫で下ろした。「ありがとう。」 二人は並んで歩き始める。 夕暮れに染まる住宅街。 部活帰りの生徒たちが、それぞれ家路についていた。 しばらく歩いたところで、果奈は両腕を大きく伸ばす。「今日も部活の練習疲れた~」「そういえば、果奈の県大会って今週末だったよね。俺も見に行きたかったな~」 果奈は少し驚いたようにこちらを見る。 けれどすぐに、小さく笑った。「駿も大会前で練習が忙しいからしょうがないよ。今は自分の練習を優先して」「分かった。目標に向かって頑張るよ」 部活動の話題が盛り上がったので、果奈の
Mehr lesen

5-3 夢と不安

その日の夜。 駿の家で夕食を終えた美生は、小さな弁当袋を手に抱えながら、夜道を歩いていた。 ◆◆◆ 住宅街は静かで、街灯がぽつりぽつりと道を照らし、夜風が頬を優しく撫でていく。 その穏やかな景色とは裏腹に、胸の中では一つの決意が静かに膨らんでいた。 (……今日、ちゃんと話そう) 何度も心の中で繰り返した言葉だった。 来年には高校三年生になり、進路を決める時期が近づいている。 もう、自分の夢から目を逸らしたくなかった。 少しだけ緊張しながら家へ帰る。 家に着くと、いつもは鍵がかかっている筈の玄関の鍵が空いていて、そのまま玄関に入り、茶の間に向かうと、そこにはお父さんが居た。 「お父さん、ただいま。今から夕飯準備するから、ちょっと待ってて」 「おかえり、お父さんも準備手伝うよ」 「お父さんは仕事で疲れてるんだから、休んでいて」 「分かった」 手際よく夕飯の支度をこなし、お父さんに料理を出す。 「美生、また料理の腕上げたね。生姜焼き凄く美味しい」 「ありがとう、夕飯の買い物の前にお父さんが帰って来るの知れたから、お父さんの大好きな生姜焼きにしたの」 「今のお父さんにとって一番の楽しみは美生の料理を食べることだよ」 「そんな褒めても何も出ないよ」 お父さんは笑った後、少しだけ表情を曇らせる。 「でも、仕事の関係とはいえ、帰ってくるのが遅い時間ばかりで、ごめんな」 申し訳なさそうに視線を落とすお父さんを見て、自然と言葉が出ていた。 「お
Mehr lesen

5-4 1ヶ月記念日

 次の日の昼休み。 駿は果奈といつものように、二人の時間を過ごしていた。  ◆◆◆ 初夏の風がゆるやかに吹き抜け、昼休みの校舎からは生徒たちの笑い声が遠く聞こえてくる。 そんな穏やかな昼だった。「三時間目の体育きつかった。グラウンド七周とか次の日、筋肉痛確定」 情けない声を漏らすと、果奈は小さく笑う。「私は男子と違ってサッカーだったから、全くきつくなかったし、どちらかと言えば楽しかったよ」「俺もサッカーの方が良かったな~」「近いうちに男子と女子で種目変わるんだから、もう少しの辛抱」「まぁ頑張るよ」 そんな何気ないやり取りが楽しかった。 けれど。 そこで会話が途切れる。 いつもなら、そこから自然に話題が広がっていく。 部活のこと。 クラスのこと。 昨日の出来事。 どちらかが何か話せば、もう一人が笑って返す。 それが二人の日常だったのに今日は違った。 静かな時間だけがゆっくり流れていく。(……あれ?) 違和感を覚え、視界の端で、果奈が時折こちらをちらりと見ていることに気付く。 何か言いたそうなのに、何も言わない。 視線が合うと、すぐ逸らしてしまう。  このまま昼休みが終わるのは嫌だったので、なんとか話題を探す。「そういえば、月末にあるテストに向けて勉強やってる?」「少しずつやってます」 その返事は短く、どこか拗ねているようにも聞こえた。「果奈、いつもと様子が違うけど何かあった?」「なんでもない!」 その声は明らかに不機嫌だった。「なんでもなくないじゃん、絶対に怒ってるでしょ」「別に、怒ってないって」 そう返しながらも、視線は一度もこちらへ向かない。 その横顔を見て、ますます分からなくなる。(え、本当に何だ?) 部活? クラス? 家で何かあった? 頭の中でいくつも理由を探すが、どれもしっくりこない。 また沈黙が落ちようとしたその時、昼休みの放送が始まった。「六月十二日、木曜日、今日の放送を開始します」 その放送を聞いた瞬間、一ヶ月前の景色が、一気によみがえった。 教室。 放課後。 震える声で伝えた告白。(……しまった) 今日がなんの日なのかようやく思い出したのと同時に、どうして今まで気付かなかったのかと、自分を責めたくなった。「今日は付き合い始めてから、一ヶ月だったね」「
Mehr lesen

5-5 負けてられない

 週末。 駿は来週の地区大会に向けての追い込み練習をしていた。 ◆◆◆ 初夏の日差しは容赦なくコートへ降り注ぎ、地面から立ち上る熱気が足元を包み込む。 そんな中、取り組んでいたのは、二人の相手を一人で受ける2対1ラリー。 大会を想定した、体力と判断力の両方を極限まで鍛えるメニューだった。「はぁ……はぁ……!」 額から流れ落ちる汗が視界へ入り込む。 それを拭う暇もなく、次のボールが飛んでくる。「もう一本お願いします」「分かった。行くよ」 大会に出場出来なかった先輩がそう言うと、ラインギリギリに向かってサーブを放つ。 それを返すと、別の先輩が逆側のラインに向かって返してくる。 やっとの思いでその球を取ったが、球はラインからオーバーしてしまう。「きっつ……」 左右へ振られ続けるたび、体力が削られていく。 それでも大会を勝ち抜くには、この程度で音を上げてはいられなかった。「浅村、交代」「分かりました」 返事をすると、ラケットを肩へ担ぎながら日陰へ移動し、スポーツドリンクを一気に喉へ流し込む。 冷たい水分が身体中へ染み渡っていく感覚に、ようやく少しだけ息が整った。 そこへ、同じく休憩へ入った祐希が歩み寄ってくる。「浅村先輩、お疲れ様です。ほんと、2対1ラリーきついですよね」「ガチできつい。左右の振られると、シャトルランをやってるみたいで疲れる……見た感じ、祐希は俺よりも対応出来てると思うけどな」「そんなことないですって、俺も返すの精一杯なんですよ」「まぁ、これも来週ある地区大会の為だからしょうがない。互いにベストを尽くそう」「はい」 祐希と共に再び照り返しの強いコートへ足を踏み入れた。 しば
Mehr lesen

5-6 背中を追って

 駿が部活をしている間、美生は結と共に買い物に出掛けていた。 ◆◆◆ 休日の館内は多くの家族連れや学生で賑わい、楽しそうな笑い声があちこちから聞こえてくる。 そんな穏やかな空気の中、肩を並べながら洋服店へ足を運んでいた。「美生姉さん、この服似合ってます?」 結ちゃんは一着のブラウスを胸元に合わせながら、小さく首を傾げる。「うん、似合っているよ。でも、私はこっちの方が結ちゃんに似合っていると思う」 ラックから淡い色合いのブラウスを取り出して差し出す。 結ちゃんは受け取ると鏡の前へ立ち、二着を見比べ始める。「確かに、美生姉さんが選んでくれた方が柄も可愛いし、私にも似合ってる気がします」「じゃあ、それにする?」「はい!」 迷いなく頷く結ちゃんを見て、こっちまで自然と笑顔になる。 こうして一緒に買い物へ来ることも、今では当たり前になっていた。 昔は一方的に結ちゃんの面倒を見ることが多かったけど、今は違う。 洋服を選び合ったり。 他愛ない話で笑い合ったり。 本当の姉妹のような時間が、少しずつ増えていた。  服を買った後、近くにあるカフェに寄る。 窓際の席へ腰掛けると、店内にはコーヒーの香ばしい香りが広がっていた。 運ばれてきたアイスカフェオレを一口飲んだ結ちゃんは、目を丸くする。「このカフェオレ、凄く美味しいです」「気に入ってくれて良かった。私もたまにこのカフェオレが飲みたくて、このカフェに行くんだよね」「今度、友達にこのカフェ紹介しますね」 二人でそんな何気ない話をしながら、ゆっくりと時間を過ごしていく。 学校のこと。 最近流行っているお店のこと。 結ちゃんの友達の話。 どれも特別な話ではない。 そ
Mehr lesen
ZURÜCK
12345
CODE SCANNEN, UM IN DER APP ZU LESEN
DMCA.com Protection Status