「それで、海にはいつから行く?」「明日から行きましょう。せっかく百合が来たんだもの。この街から離れてみるのも面白そうじゃない?」「ふふ、そうね。何日くらいがいい? 私は何日でも構わないけど」「そうねぇ。畑のこともあるから、長くて3日かしら。この時期はそこまでこまめに水やりしなくても大丈夫みたいだけど、あんまり放置したら可哀想でしょ」「じゃあ、3泊4日で。ここから近い海は……」 ふたりでスマホを見て、どこの海に行くかを決める。その周辺のホテルや観光地を一緒に見ていたが……。「母さん、やっぱりスマホ苦手だわ。目がチカチカしてきた……」 藤子は目頭を指先でもみほぐしながら、ため息をつく。「じゃあ、本見てみようか。ついでに、夕飯も外で食べない?」「ふふ、そうしようか」 ふたりは歩いて百合達の家に行くと、百合の運転でショッピングモールに行く。本屋で目的地の観光本を数冊買うと、レストラン街にある洋食屋で食事をしながら、どこに行くかを決めていく。「せっかくだから、海が見える部屋に泊まりたいわ」「オーシャンビューってやつね! 母さん、旅番組を見て、そういうのに憧れてたの」 目を輝かせる藤子を見て、ホテルはなおさら妥協したくないと思い、ホテルや宿が載っているページを開く。「それなら、ここなんてどう?」 まるまる1ページを使って紹介されているホテルを指差す。星付きの高級リゾートホテルで、絶景と料理を売りにしている。載っている部屋は水色を基調とした大人可愛い部屋で、青いソファには、貝やヒトデのクッションがのっている。「可愛いけど、お高いじゃない」「もう、値段は気にしないの」「百合ったら、すっかりセレブの感覚になっちゃって」「そんなんじゃないわ。ただ、お金を使うことを覚えろって、秋明さんに言われてるだけ」「充分セレブじゃない」「旅をするのは今回が初めてだけどね。さ、お金の
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