平日の昼休み、瑠衣は弁当を食べ終えてからスマートフォンを手に取った。画面を開くと、昨日の真衣とのやり取りが残っている。「そうだといいね」と送ったところで終わっていた。瑠衣はその画面をしばらく見たあと、指を動かして真衣の名前を開いた。文章を打ちかけて消す。もう一度入力する。「今度、会える?」 送信したあと、スマートフォンを机へ置いた。画面を伏せようとして、手を止める。もう一度だけ真衣の名前を見てから机の端へ置いた。箸を片付け、弁当箱の蓋を閉める。通知はすぐには来なかった。瑠衣は水を一口飲み、時計を見る。昼休みが残り少なくなった頃、画面が震えた。「うん」 瑠衣は短い返事を確認し、日程を尋ねた。真衣から候補の日が届く。瑠衣は手帳を開き、予定を確かめてから一つを選んだ。場所を決め、最後に「分かった」と返す。送信したあと、スマートフォンを鞄へしまった。 休日の午後、瑠衣は真衣の家の前に立っていた。門の脇にある植木を眺めてから、表札へ目を向ける。以前にも来たことのある場所なのに、今日は玄関までの距離が少し長く感じられた。瑠衣は鞄の持ち手を握り直し、インターホンへ手を伸ばす。 音が家の中へ消えていく。少しして、玄関の鍵が動く音がした。扉が開く。真衣が顔を出した。髪は整えていたが、目の下に薄く疲れが残っている。瑠衣を見ると一度だけ目を伏せ、それから小さく笑った。「久しぶり」「うん」 真衣は扉を大きく開けた。瑠衣は一歩中へ入り、靴を脱ぐ。玄関には以前来たときと同じ靴が並んでいた。真衣が先に歩き出す。瑠衣はその背中を見ながら、黙って後を追った。 近くのカフェに入り、二人は窓際の席に向かい合って座った。注文した飲み物が届いても、真衣はすぐには口をつけなかった。店員が離れてから、真衣はカップを少しだけ瑠衣のほうへ寄せた。ストローの袋を指先で折り、開いて、また折る。瑠衣は向かいに座ったまま、その手元を見ていた。「雅之、謝ってきたんだけど」 真衣の指が止まる。「そう」「でも、なんか……」 真衣はカップへ目を落とした。しばらくしてから、両手でカップを包む。「信じられなくて
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