Semua Bab 恋わずらいの小児科医、ハレンチな駄犬に執着されています: Bab 61 - Bab 70

108 Bab

Love too late:難儀なキモチ

「何やってんだよっ、もう!」 自分の不甲斐なさに苛立ち、誰もいない高台で思い切り叫んでしまった。木枯らしが舞っていて、その冷たさが頬を撫でるせいで、惨めさに余計拍車がかかってしまう。 あんなに逢いたくて堪らなかった歩に、やっと出逢えたというのに、第一声がこのセリフって、ホントありえないだろ。『おまえ、なにやってんだっ?』 俺がこれを言ったときの歩は、悲しげに瞳が揺れていた。叱られ慣れているだろうに、こんな顔をしたことがなかったせいで、俺もしまったって思った。 しかも人前で激しく叱り飛ばして、歩のメンツをぶち壊してしまうなんて――自分のイライラした感情を、思いっきりぶちまけてしまったあのときの俺は、本当に大人げない。(自分の感情がままならないって、いったいどうしたらいいんだ。きっと歩に、嫌われてしまったに違いない) 力なく傍にある背もたれのないベンチに座り込み、はーっと深いため息をついた。短く切った爪が手のひらに食い込むくらい、ぎゅっと握りしめる。今更後悔しても、手遅れなのに。 涙で滲んだ瞳で、目の前の夜景を眺めてみると、なにもかもが水の中に入って、キラキラと光っているように映った。まるで俺に向かって瞬いているように思える。 出ている月も雲で陰っているから、尚更夜景の光が突き刺さった。キレイすぎるから痛い――自分の心が醜く感じてしまう。 ドーン! 破裂音と眩い光の塊が突然、右端で起こった。滲んだ涙を拭ってよく見てみると、それは花火だった。「……そっか。学祭の最後を飾る、打ち上げ花火だ」 きっとアイツは大学で、この景色を見ているに違いない。俺に叱られたせいで、沈んだキモチでこの花火を、見ていなきゃいいけどな。 そんな心配をしながら寒さを忘れて、次々に打ち上げられるキレイな花火を、ぼんやりと眺めた。「一緒に見たかった……」 そう呟いたとき、いきなり息が止まるくらいの強さで、後ろから体が抱きしめられる。その手にはたくさんのビニール袋がぶら下がっていて、ソースの香りがふわりと鼻についた。「なんで、おまえ……ここにいるんだ?」 震える声で、告げるのがやっとだった。俺の声がきちんと伝わっていないのか、ソイツはそれに答えず、腕の力を痛いくらいに入れる。 やっと逢えて嬉しいはずだというのに、相変わらず自分の言葉は、思いやりの欠片がなく、自然と落
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-21
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Love too late:難儀なキモチ2

*** やりすぎた――反省してもとき既に遅し……。 いくら恥ずかしかったからって、横っ面を思いっきりクリーンヒットさせる恋人は、俺くらいしかいないんじゃなかろうか。 痛めた頬を撫でながら、怒って先に帰ってしまった歩。せっかく仲直りできたのに、俺はなにをやってんだろ。 ガックリと肩を落してベンチから腰をあげ、俯きながら階段に向かって歩いて行くと、目に映る細身のシルエット。 ゆっくり視線をあげて、シルエットの正体を見つめた。「……歩?」 口を尖らせて、明らかに怒ってますという表情を浮かべているのに、左手を差し出してくれる。(差し出しているのは、なぜか左手人差し指なんだが……。これって地面に指を差してるワケじゃないよな?) まじまじと地面を見て確認してみたが、なにも落ちてるものはない。「タケシ先生、んっ……」 歩は不機嫌な声色で、人差し指を俺に向かって伸ばした。どうしようかと思いながら、恐々と右手で指先を掴んでみる。爪先をちょっと摘んだ感じ。 すると、それを合図に歩き出した。微妙な感じで摘んだまま、トボトボと後ろを歩く俺。 ――なんなんだ、この絵面。おかしすぎるだろ。指先1本に連れられるっていったい。普通なら洋服の裾なんかを掴んで、嬉しそうに歩くものじゃないのか!? 目の前にある大きな背中と、繋がれてる指先をチラチラ見比べながら、ゆっくりと階段を下りる。 どうして俺たちは高台から帰るときって、いつもケンカばかりしているんだろうか。朝焼けや夜景を見てる最中は、いい雰囲気なのに。 だけどいつもなら俺を置いて、ひとりで帰ってしまう歩が待っていてくれた。怒ってはいるけど手を差し伸べて、俺と一緒に帰っている。正確には、左手人差し指だけど。 それだけでも、嬉しさが胸の中に湧きあがってきたのに、残念なことにそれを伝える術がないから、一生懸命考えてみた。(そうだな。せめて少しでもいいから、接触している部分を増やしてやろう) ちょっとずつ摘んでいるところを開拓すべく、親指と人差し指を使って、じりじり移動させ、手のひらで包むことに成功。歩の指をぎゅっと握りしめてやる。そしたら親指の腹を使って、俺の手の甲をスリスリと撫でてくれた。その感じがなんだか、犬が喜んでしっぽを振ってるみたいに見えた。 たったそれだけのことなのに、俺のキモチが伝わったみたいで、す
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-22
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Love too late:想いを重ねて――

仲良く手を繋いだまま家の中に入り、階段を上がってリビングに足を踏み入れたときだった。「あ、スマホが鳴ってる」 歩は渋い顔をしながら制服のポケットからスマホを取り出し、無言で出る。しかも、耳からスマホを遠ざけた状態で。『おに~ちゃんっ! 今、どこにいるの?』 ――ああ、妹さんが心配して電話をかけてきたのか。「うっせぇな。落ち着けって……学祭が盛りあがっちゃって、今夜は友達の家に泊まるから」 俺の顔をチラチラ見ながら、歩は意味深に笑った。今夜は泊まるって、つまりアレだしな。『ウソついてもバレバレなんだからね! お兄ちゃん、すおー先生の家にいるんでしょ』 「なっ、なんで?」 スピーカーにして話をしていないのに、兄妹の会話が筒抜けって何気にすごいな。しかもウソが簡単にバレるとなると、お兄ちゃんは大変だ。 いつも自信満々な歩が、小さい妹にやられてる姿はかなり貴重なもので、口元を手で覆って笑いを必死になって堪えた。『だって友達の家に泊まるとき、ちゃんと誰々って名前を教えてくれるのに、今は言わなかったから』 「やっ、それは大人数で、まだどこに泊まるか決まってなくて……」 『茜にウソついてもムダだよ』 その言葉に、ウッと息を飲む歩。バカ犬の素直さを、こういうところで発揮して、どうするんだか。 俺は頭を掻きながら思案して、目の前にあるスマホを迷うことなくひったくった。ギョッとした歩を無視し、勝手に話し出す。「茜ちゃん、こんばんは。久しぶりだね」 『わっ!? すおー先生』 「茜ちゃんのお兄さん、ずっと学祭で忙しかったでしょ?」 『うん。帰ってくるのが遅くなってた』 やっぱり心配してるんだな、兄思いのいい妹じゃないか。 ほほ笑みながら歩を見ると、テレながら人差し指でポリポリ頬を掻いていた。「今日、病院がお休みだったから、お兄さんの高校に行ってみたんだ。そしたら、顔色が結構悪くなっていたの。それで検査を兼ねてウチに泊まってもらおうと、さっき決まったんだ。茜ちゃんに心配かけたくなくて、お兄さんはウソを言っちゃったんだよね」 『そうだったんだ。お兄ちゃん、大丈夫ですか?』 「うん、大丈夫なようにちゃんと検査して、お薬を出しておく。元気になって、帰ってくるからね」 『お兄ちゃんを、よろしくお願いします』 しっかり挨拶をして電話を切った、しっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-23
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Love too late:想いを重ねて――2

歩は力なくグッタリした俺を担いだまま扉を開け、パッと電気を点けた。「うげっ! なんだよコレ……泥棒にでも入られたのか?」 「……見てわかっただろう。さぁ引き返せ、今すぐに!」 「その前に説明しろって。キレイ好きのタケシ先生がこんなに散らかすなんて、らしくないよ」 突っ込んでほしくないトコ、いつも指摘するなんて。少しは見逃すことを覚えてほしいのに。しかも担がれたままって、なんの拷問なんだか。ただでさえこの状況を見られてハズカシさの極みで、余計頭に血がのぼってしまう。「らしくなくて当然だろ。はじめておまえの通ってる大学に顔を出すんだし、久しぶりに逢うんだから」 ベッドの上や床に散乱したままの、朝のファッションショーの服。すぐに片付けられなくて、帰ってきてから整理しようと、そのままの状態だった。ただ、散らかしているだけじゃない。その理由を知られて、恥ずかしくないヤツがいるのなら見てみたい。 俺が告げた力ない言葉を聞き、歩はゆっくりと床に下ろしてくれた。そしてわざわざ頭の先から足先まで、俺の姿を見つめる。「ただ俺に逢うだけなのに、こんなに散らかして、なにやってんだタケシ先生」 「笑ってくれ。なにを着ても変わらないのがわかっているのに、バカみたいに舞いあがってさ。ハハハ……」 「すげぇキマってる。さすが俺の恋人って感じ」 歩の言ってくれた言葉が、じんと胸を疼かせた。それと同時に感じる、頬を染めあげる熱――どうしていいかわからず、瞳が忙しなく動いてしまった。 恥ずかしくなって背中を向けると、後ろからぎゅうっと体を抱きしめられる。「寝室に入らなかったらタケシ先生のキモチ、全然わからなかった。どうして隠すんだよ? 俺は全部知りたいっていうのにさ。今だってそうやって、かわいいい顔を隠そうとしちゃうし」 「やっ、だって……らしくないトコ、見せたくなくて。まるで俺がおまえに――」 「ん。わかってる、バレバレだし。耳まで赤くなってる」 甘ったるい声で囁いたと思ったら、首筋にキスを落とした。「くっ、いきなりなにするんだ!?」 「だって、こっち向いてくんないから仕方なく、目の前にあるものにキスをしただけだよ。俺のだって印、つけたいし」 耳元で囁くと、同じところに噛み付くようなキスをした次の瞬間、肌に残るであろうチリッとした痛みが走った。「こらっ、目立
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-24
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Love too late:想いを重ねて――3

 店内でのやり取りを想像しただけで、自然と笑みが浮かんでしまった。そんな俺の左腕を、強引に自分に引き寄せた歩。「うわっ!?」 胸元に飛び込んだ体を、ぎゅっと抱きしめてくれる。胸の高鳴りを知られたくなくて、慌てて両腕を使い、なんとか抵抗しようとしたけど、全然ビクともしなかった。「なに、赤い顔しながら抵抗してんだ、タケシ先生」 「ま、まだ片づけが終わってないのに……」 「タケシ先生が俺のことを考えながら畳んでる間に、ベッドの上をキレイに片付けました」 「……なっ!?」(――なんで歩のことを考えてるってバレてんだよ) 口をパクパクさせてる俺を見て、歩は心底おかしそうに笑う。「目尻をデレデレ下げて、楽しそうな表情をしていたら、誰でもわかるっちゅーの。大方、俺とのデートシーンでも考えていたんだろうな」 言い終わらない内に抵抗していた両腕を掴み、引き上げるとそのままベッドに押し倒す。「もう、ぜってー逃がさない」 囁くように言うと、唇を合わせてきた。高台で俺が歩にしたキス――舌を甘噛みされた瞬間、胸の奥がきゅっとしなる。その後におとずれてきた、呼吸を奪う荒いキスに、体がどんどん熱くなっていった。「はぁ、あっ……んぅ……」 大好きな歩に求められ、普段はあげないような鼻にかかった声を出してる自分。素直になるにはまず、テレをなんとかしなければならないな。「なぁ……もっと教えてよ、タケシ先生のこと」 「な、にを?」 「他にどんなことをすれば、感じさせることができるのかって」 濡れているであろう唇を、右手人差し指でそっとなぞられる。それだけなのに感じてしまい、ゾクゾクしてしまった。 お返しといわんばかりに、なぞっていた歩の手を掴んで人差し指を口に含み、音をたてて食んでやる。 ――簡単には、教えてやらない……。「ちょっ、その顔すっげぇ反則。かわいすぎるんだけど」(おまえを感じさせたいから、教えてやるもんか)「俺のことを感じさせたいなら、自分で探せバカ犬」 歩は挑戦的な俺の言葉に目を細めてから、両手の関節を鳴らした。「じゃあ遠慮なく探して、感じさせてやるよ!」 ムダにでかい声で宣言し剥ぎ取る勢いで、俺の服を脱がしにかかる。「おっ、おいこら! 服が破れる破れる! 丁寧に扱えって高いんだぞ、これは!!」 「いいじゃん、そんなの。破れたら買っ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-25
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ある日、太郎が――

「にゃー! にゃー!! タケシ先生ってば、構ってにゃー!!! 構ってくんないと、困らせることしちゃうにゃー!!!!」 「…………」 困ったことって、一体ナニをする気なんだか。てかウザい、ウザすぎる! 仕事になりゃしねぇ。「太郎っ、お前はバカ犬なんだ! 何で猫なんかになったんだよ。あっちの隅っこに行って、ワンワン寂しく鳴いてな」 タケシ先生――怒るトコ、そこなのか?(もしかして猫ギライ?)たまに違う動物になったら、構ってもらえると思ったのに……。 にゃんこ作戦、失敗かよ(;へ:) 結構この恰好、恥ずかしいというのに。すっげぇ凹むんだけど。・・・・・Σ( ̄⊥ ̄lll)・・・・・ *** おっと、ちょっとばかり強く叱りすぎて、かなり落ち込ませてしまったな。まったく面倒くさい、バカ犬なんだから。 しょうがない。久しぶりに俺から脱いで、誘ってやろう。きっとしっぽを振って、喜んで飛びついてくるだろう。 読んでいた書類を机に置いてネクタイに手をかけ、いそいそ外し始めた矢先だった。落ち込んでしゃがんでいた太郎が、嬉しそうな顔をして立ち上がると、俺を見下ろしてきた。その姿は――。 うげっΣ( ̄□ ̄!) 太郎のヤツ、何でそんな恰好してんだよ……バニーガールならぬ、バニーボーイのつもりか!?「タケシ先生よぉく聞くだぴょん。ウサギは寂しすぎたら、死んじゃうだぴょん。構わないと、死んじゃうだぴょんよ!」 「……分かった、よく分かったから。頼むから、ウサギは止めてくれ。見ていて恥ずかしいから。くねくねしながら、その恰好で迫られる、こっちの身にもなってくれよ・゜・(ノД`;)・゜・」(さすが、自分の命をかけたことがあるヤツは、することが他人と一味違う。コイツと付き合うのに、こんなに苦労させられるとは) やった、ウサギ作戦、成功だぴょん(・∀・) どんなに頑張っても、このふたりの恋は甘くない――*** そんでもってこのお話の裏話! 周防先生と太郎こと歩が、はじめて結ばれた次の日。高台の絵をキッチンに残して、何も言わず、勝手に出て行きましたよね。 置いていった場所は、何故かキッチン。 どうして、キッチンだったのでしょうか? ??(・_・*)(*・_・)(*~^~)/?? 読んでいて、疑問に思いませんでしたかね。 それはですね、周防先生がしていたこと
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-26
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ほろ苦いプリン

※【ピロトークを聴きながら】後半部分に出てきた内容を元に、SSを書きました。 あんだけ、毛嫌いしていた桃瀬と仲良くなった太郎。それを見て周防先生は不機嫌になったのであります。さてさてここから、美味しい話が展開していきますよ。「どうして桃瀬と仲良くなれたんだ?」 疑問に思ったことを仕事が終わって、自宅に帰ってから出会い頭で訊ねてみる。するとバツが悪そうな表情を浮かべ、口をパクパクした太郎。何だっていうんだ、いったい……。「言えないのか?」 「そんなことないんだ。ただ何ていうか、勉強を見てもらっているうちに、自然と打ち解けた……みたいな」 キョロキョロと目を泳がせながら言う。アヤシイ――もしかして何か物で買収されたとか? 例えば太郎の好きな、涼一くんオススメのプリンだったりして。 本の出版記念で涼一くんの好物のプリンをお祝いに貰ったのはいいけど、桃瀬と一緒でも食べきれない量だとかで、俺のところに持ってきたことがあった。 それをふたりで食べたとき――。「うんめぇ!! 今まで食べたプリンの中で最高ランクの美味さだよ、このプリンっ」 そんなことを言ったので、恐るおそる食べてみたのだが。「甘い……」 やはりプリンはプリンなのである、ゆえに甘いワケで。 しかめっ面をしながら、舌の上でその甘さを堪能していると。「うわー、このカラメル絶妙!! ちょびっとだけほろ苦い感じが、プリンの甘さを引き立ててるっ」 くーっとスプーンを握りしめ、感動してる太郎を呆れた顔で見つめつつ、褒めたたえたカラメルをすくって口に運んでみた。「これは――」 舌の上に乗っていた甘ったるいモノが瞬く間に消え失せ、じわりとほろ苦さが沁み込んでくる。太郎が指摘したとおりの、丁度いいほろ苦さ。 ――これは美味い! プリン本体を避けながらカラメルだけすくい取り、それだけをすべてなくして、太郎の目の前に置いてやった。「それ、やるよ」 「マジで? ラッキー」 「その代わり、お前が手にしてるのを俺によこせ」 言いながら手を伸ばすと、不思議そうな顔して首を傾げる。「もしかしてタケシ先生ってば、俺と間接チューがしたいとか?」 その言葉に、ガックリとうな垂れてみせた。「このバカ犬っ! そんなの望んでないってば。俺は甘いのが苦手だから、底にあるカラメルしか食べられないんだよ」 「そ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-27
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まどろみのkiss

今日は日曜日。病院は休みなので1日まるまる、タケシ先生を独占できる日。土曜の昨日だって午前中は病院で、午後からフリーだっていうのに、普段できない掃除や洗濯や買い物など、雑務に追われていたため、全然構ってもらえなかった。 それだけじゃなく、俺の過去のことでいろいろ心労かけさせたのに。『お前の飼い主として、当たり前のことをしたまでだ。そんな、情けない顔するんじゃない』 そう言って、ぐちゃぐちゃと頭を撫でられてしまった。 だったら飼い犬として夜はサービスすべく、吼えさせてもらうぜ! なぁんて意気込んで、ベッドに忍んでいったら昼間の疲れのせいか、死んだように寝ているタケシ先生がいて、がーっと襲う気力が失われたのは、いうまでもない。 一緒に寝られるだけもいいかと、無理やり気分を変えて添い寝をしたんだけど、もう朝の8時過ぎなのに、未だにぐーすか寝ている愛しい人が目の前にいる。 以前なら背中を向けて寝ていたのに、付き合うようになってからコッチを向いて寝てくれるようになった。 それは後ろから、俺が襲うのを防ぐためなのか。はたまた目が覚めたとき、俺が目の前にいるのを、いち早く確認するためなのか――。 大好きな泣きボクロとはねた後ろの髪が見えないのは残念だけど、それでもすぐ傍で寝ている姿を、こうして見られるのは幸せなワケで。 しかも死んだように寝ているから、何をしても怒られない(笑) ちょっと触っただけでいつも、『こらっ! 勝手に触るなバカ犬っ』 なぁんて叱られた挙句に殴られるから、触りたくても命がけなのである(涙) 寝ているタケシ先生の左手をそっと掴み、引き寄せて薬指にKISSをした。そしてまじまじと指先や、てのひらをじーっと見つめてみる。 (o._.)o ドレドレ・・・ キレイに整えられた爪の形は全然男っぽくなくて、ほっそりした指をこれでもかとキレイに見せていた。「生命線(σ`з´)σ見ぃ~けっ! うおっ、長生きしそうなくらい長いじゃん」 てのひらを見つめて、その長い生命線をそっと指でなぞってみる。俺よりも年上だから、一緒にいるためには少しでも、長生きしてもらわなくちゃいけない。 なので――「疲れを引きずらせちゃダメだもんな。イチャイチャしたいけどガマンだ」 散々左手を見続けてから自分の頬に、その手を乗せてスリスリ。傍から見たら変に思うか
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-28
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まどろみのkiss周防編

せっかくの休日だっていうのに、枕元にいる飼い犬が、朝からウルサイ。散歩に連れて行けと騒いでるワケじゃなかったけど、俺の体を勝手に触りまくりって、好き放題している。 どのタイミングで起きてやったら、一番驚くだろうか――『疲れを引きずらせちゃダメだもんな。イチャイチャしたいけどガマンだ』 なぁんて労わるようなことを言ってくれた言葉を聞きながら、されるがままでいてやることにした。 そしたらいきなり左手を掴んで、スリスリ自身の頬に擦りつける。頬擦りなんてして、何を考えているのやら。構える時間はそれなりに遊んでやっているというのに、まだ足りないのかコイツ。 内心呆れ果てている俺を尻目に、どんどん行動をエスカレートさせていく太郎。顔に息がかかったと思ったら、『タケシ先生、大好き……』 囁くように言ってから、オデコにちゅっとKISSをした。(っ……ちょっ、いきなりそれはないだろうよ) 太郎の予測できない行動に、バクバクと心臓が高鳴ってしまう。 オデコの次は頬っぺたか? それとも唇にKISSされるかもしれない。次の衝撃に対して、心の準備をすべく身構えていたら。「タケシ先生の迷惑にならない程度に、力になりたいんだ」 ぽつりと呟かれた言葉に、疑問符が頭の中に浮かぶ。もしかして――(忙しいとか邪魔だとか、結構乱発してるところがあるかもしれないな。だからコイツなりに、気を遣っているのか) ずーんと反省した矢先だった。『タケシ先生……タケシせんせ』 俺の名前を愛おしそうに連呼する太郎。 ――俺は寝ているというのに気を遣うなら、そういうトコからしろっていうんだ! デリカシーのない行動にイライラして、起きてやろうかと思ったら。『タケシ――』 いきなりの呼び捨てのせいで、胸がぎゅっと鷲掴みされたみたいになった。普段から呼ばれるのは苗字ばかりで、こうやって名前を使うのは太郎だけ。特別な感じがしていたけれど、呼び捨てにされるというのは、思っていた以上に衝撃が半端ない。 動揺しまくりの俺の手に、太郎の手が重ねられる。その大きな手に包まれて、安心感に身をゆだねていると。『タケシ……好きだよ』 大胆に告げられる告白に、どうしていいか分からない。ヤバイよ、ヤバイよと頭の中で、出○哲郎が走り回っていた。 なのに――『――タケシ、すっげぇ愛してる』 (*・-
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-29
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伝えられるキモチ

「タケシ先生悪いけどさ、コイツの面倒3日間見てくんない? 連休使って家族旅行に行くことになっちゃって」 リビングで勉強してた太郎が、病院の仕事が終わった俺に言った第一声。 ――おいおい、これは。「俺の病院がアレルギー専門のトコだと分かっていて、こんなものを持ち込んだのか!?」 「でも大丈夫っしょ♪ 連休中は病院休みなんだし。世話の仕方はこの紙に書いたから、その通りに、してくれたらいいから」 そう言うと旅行の準備があるからと、そそくさと帰ってしまった。「動物の世話って、小学生以来かも」 目の前にいるのはあざやかな朱色を頬につけた、オカメインコだった。丸い目でじっと俺を見つめ、首を傾げたと思ったら。「キュッ…タケシ、スキっ! キュキュッ……スキスキッ」 なぁんて、口煩く言ってのける。「ガーッ! アイツ、なんてことを覚えさせたんだっ!?」 テーブルに置かれたそれを殴るワケにもいかないので、しゃがみ込んで頭を抱えた。「おいおい……ひとりきりの楽しい連休に、こんなのと一緒にいなきゃならないって、一種の拷問だろうよ」 「タケシッ、タケシタケシ! キュピッ……ワラッテワラッテ!」 「何を言ってんだ。可笑しくないのに笑えないって」 「ワラッテ! カワイイカラ! カワイイ~カワイイ!!」 コイツ――「おいコラ、よく聞けよ! 3日間俺が世話するんだ、だから少しは大人しくするんだぞ!」 「キュキュ? タケシ、スキスキ」 「……くっそ。ダメだ、口撃できん。これは上書きでもして、封じさせるしかないか」 太郎が置いていった世話の仕方を書いた紙を手に取り、しげしげと見つめてみたのだが――「こんなに可愛らしい顔してんのに、名前が『オカメちゃん』ってどんなネーミングセンスしてんだか」 オカメちゃんの毎日のお世話の仕方と題して、事細かに書いてあることは難しいことじゃなかったけど、いかんせん言ってる言葉が、俺が逝きそうなことばかり連呼するので、なんとかせねばと思った。「これ……家族が聞いたら、何ていいわけするんだろ」 「タケシタケシッ! アイッ…アイーン」 「タケシタケシってウルサイね、もう……」 「アイシテルッ、アアッ、アイシテルッ」 「オカメちゃん……まんま太郎状態じゃないか。もうなんでこんなのばかり、覚えさせたんだアイツ」 太郎に言われたん
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-30
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