جميع فصول : الفصل -الفصل 65

65 فصول

Love too late:難儀なキモチ

「何やってんだよっ、もう!」 自分の不甲斐なさに苛立ち、誰もいない高台で思い切り叫んでしまった。木枯らしが舞っていて、その冷たさが頬を撫でるせいで、惨めさに余計拍車がかかってしまう。 あんなに逢いたくて堪らなかった歩に、やっと出逢えたというのに、第一声がこのセリフって、ホントありえないだろ。『おまえ、なにやってんだっ?』 俺がこれを言ったときの歩は、悲しげに瞳が揺れていた。叱られ慣れているだろうに、こんな顔をしたことがなかったせいで、俺もしまったって思った。 しかも人前で激しく叱り飛ばして、歩のメンツをぶち壊してしまうなんて――自分のイライラした感情を、思いっきりぶちまけてしまったあのときの俺は、本当に大人げない。(自分の感情がままならないって、いったいどうしたらいいんだ。きっと歩に、嫌われてしまったに違いない) 力なく傍にある背もたれのないベンチに座り込み、はーっと深いため息をついた。短く切った爪が手のひらに食い込むくらい、ぎゅっと握りしめる。今更後悔しても、手遅れなのに。 涙で滲んだ瞳で、目の前の夜景を眺めてみると、なにもかもが水の中に入って、キラキラと光っているように映った。まるで俺に向かって瞬いているように思える。 出ている月も雲で陰っているから、尚更夜景の光が突き刺さった。キレイすぎるから痛い――自分の心が醜く感じてしまう。 ドーン! 破裂音と眩い光の塊が突然、右端で起こった。滲んだ涙を拭ってよく見てみると、それは花火だった。「……そっか。学祭の最後を飾る、打ち上げ花火だ」 きっとアイツは大学で、この景色を見ているに違いない。俺に叱られたせいで、沈んだキモチでこの花火を、見ていなきゃいいけどな。 そんな心配をしながら寒さを忘れて、次々に打ち上げられるキレイな花火を、ぼんやりと眺めた。「一緒に見たかった……」 そう呟いたとき、いきなり息が止まるくらいの強さで、後ろから体が抱きしめられる。その手にはたくさんのビニール袋がぶら下がっていて、ソースの香りがふわりと鼻についた。「なんで、おまえ……ここにいるんだ?」 震える声で、告げるのがやっとだった。俺の声がきちんと伝わっていないのか、ソイツはそれに答えず、腕の力を痛いくらいに入れる。 やっと逢えて嬉しいはずだというのに、相変わらず自分の言葉は、思いやりの欠片がなく、自然と落
last updateآخر تحديث : 2026-08-21
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Love too late:難儀なキモチ2

*** やりすぎた――反省してもとき既に遅し……。 いくら恥ずかしかったからって、横っ面を思いっきりクリーンヒットさせる恋人は、俺くらいしかいないんじゃなかろうか。 痛めた頬を撫でながら、怒って先に帰ってしまった歩。せっかく仲直りできたのに、俺はなにをやってんだろ。 ガックリと肩を落してベンチから腰をあげ、俯きながら階段に向かって歩いて行くと、目に映る細身のシルエット。 ゆっくり視線をあげて、シルエットの正体を見つめた。「……歩?」 口を尖らせて、明らかに怒ってますという表情を浮かべているのに、左手を差し出してくれる。(差し出しているのは、なぜか左手人差し指なんだが……。これって地面に指を差してるワケじゃないよな?) まじまじと地面を見て確認してみたが、なにも落ちてるものはない。「タケシ先生、んっ……」 歩は不機嫌な声色で、人差し指を俺に向かって伸ばした。どうしようかと思いながら、恐々と右手で指先を掴んでみる。爪先をちょっと摘んだ感じ。 すると、それを合図に歩き出した。微妙な感じで摘んだまま、トボトボと後ろを歩く俺。 ――なんなんだ、この絵面。おかしすぎるだろ。指先1本に連れられるっていったい。普通なら洋服の裾なんかを掴んで、嬉しそうに歩くものじゃないのか!? 目の前にある大きな背中と、繋がれてる指先をチラチラ見比べながら、ゆっくりと階段を下りる。 どうして俺たちは高台から帰るときって、いつもケンカばかりしているんだろうか。朝焼けや夜景を見てる最中は、いい雰囲気なのに。 だけどいつもなら俺を置いて、ひとりで帰ってしまう歩が待っていてくれた。怒ってはいるけど手を差し伸べて、俺と一緒に帰っている。正確には、左手人差し指だけど。 それだけでも、嬉しさが胸の中に湧きあがってきたのに、残念なことにそれを伝える術がないから、一生懸命考えてみた。(そうだな。せめて少しでもいいから、接触している部分を増やしてやろう) ちょっとずつ摘んでいるところを開拓すべく、親指と人差し指を使って、じりじり移動させ、手のひらで包むことに成功。歩の指をぎゅっと握りしめてやる。そしたら親指の腹を使って、俺の手の甲をスリスリと撫でてくれた。その感じがなんだか、犬が喜んでしっぽを振ってるみたいに見えた。 たったそれだけのことなのに、俺のキモチが伝わったみたいで、す
last updateآخر تحديث : 2026-08-22
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Love too late:想いを重ねて――

仲良く手を繋いだまま家の中に入り、階段を上がってリビングに足を踏み入れたときだった。「あ、スマホが鳴ってる」 歩は渋い顔をしながら制服のポケットからスマホを取り出し、無言で出る。しかも、耳からスマホを遠ざけた状態で。『おに~ちゃんっ! 今、どこにいるの?』 ――ああ、妹さんが心配して電話をかけてきたのか。「うっせぇな。落ち着けって……学祭が盛りあがっちゃって、今夜は友達の家に泊まるから」 俺の顔をチラチラ見ながら、歩は意味深に笑った。今夜は泊まるって、つまりアレだしな。『ウソついてもバレバレなんだからね! お兄ちゃん、すおー先生の家にいるんでしょ』 「なっ、なんで?」 スピーカーにして話をしていないのに、兄妹の会話が筒抜けって何気にすごいな。しかもウソが簡単にバレるとなると、お兄ちゃんは大変だ。 いつも自信満々な歩が、小さい妹にやられてる姿はかなり貴重なもので、口元を手で覆って笑いを必死になって堪えた。『だって友達の家に泊まるとき、ちゃんと誰々って名前を教えてくれるのに、今は言わなかったから』 「やっ、それは大人数で、まだどこに泊まるか決まってなくて……」 『茜にウソついてもムダだよ』 その言葉に、ウッと息を飲む歩。バカ犬の素直さを、こういうところで発揮して、どうするんだか。 俺は頭を掻きながら思案して、目の前にあるスマホを迷うことなくひったくった。ギョッとした歩を無視し、勝手に話し出す。「茜ちゃん、こんばんは。久しぶりだね」 『わっ!? すおー先生』 「茜ちゃんのお兄さん、ずっと学祭で忙しかったでしょ?」 『うん。帰ってくるのが遅くなってた』 やっぱり心配してるんだな、兄思いのいい妹じゃないか。 ほほ笑みながら歩を見ると、テレながら人差し指でポリポリ頬を掻いていた。「今日、病院がお休みだったから、お兄さんの高校に行ってみたんだ。そしたら、顔色が結構悪くなっていたの。それで検査を兼ねてウチに泊まってもらおうと、さっき決まったんだ。茜ちゃんに心配かけたくなくて、お兄さんはウソを言っちゃったんだよね」 『そうだったんだ。お兄ちゃん、大丈夫ですか?』 「うん、大丈夫なようにちゃんと検査して、お薬を出しておく。元気になって、帰ってくるからね」 『お兄ちゃんを、よろしくお願いします』 しっかり挨拶をして電話を切った、しっ
last updateآخر تحديث : 2026-08-23
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Love too late:想いを重ねて――2

歩は力なくグッタリした俺を担いだまま扉を開け、パッと電気を点けた。「うげっ! なんだよコレ……泥棒にでも入られたのか?」 「……見てわかっただろう。さぁ引き返せ、今すぐに!」 「その前に説明しろって。キレイ好きのタケシ先生がこんなに散らかすなんて、らしくないよ」 突っ込んでほしくないトコ、いつも指摘するなんて。少しは見逃すことを覚えてほしいのに。しかも担がれたままって、なんの拷問なんだか。ただでさえこの状況を見られてハズカシさの極みで、余計頭に血がのぼってしまう。「らしくなくて当然だろ。はじめておまえの通ってる大学に顔を出すんだし、久しぶりに逢うんだから」 ベッドの上や床に散乱したままの、朝のファッションショーの服。すぐに片付けられなくて、帰ってきてから整理しようと、そのままの状態だった。ただ、散らかしているだけじゃない。その理由を知られて、恥ずかしくないヤツがいるのなら見てみたい。 俺が告げた力ない言葉を聞き、歩はゆっくりと床に下ろしてくれた。そしてわざわざ頭の先から足先まで、俺の姿を見つめる。「ただ俺に逢うだけなのに、こんなに散らかして、なにやってんだタケシ先生」 「笑ってくれ。なにを着ても変わらないのがわかっているのに、バカみたいに舞いあがってさ。ハハハ……」 「すげぇキマってる。さすが俺の恋人って感じ」 歩の言ってくれた言葉が、じんと胸を疼かせた。それと同時に感じる、頬を染めあげる熱――どうしていいかわからず、瞳が忙しなく動いてしまった。 恥ずかしくなって背中を向けると、後ろからぎゅうっと体を抱きしめられる。「寝室に入らなかったらタケシ先生のキモチ、全然わからなかった。どうして隠すんだよ? 俺は全部知りたいっていうのにさ。今だってそうやって、かわいいい顔を隠そうとしちゃうし」 「やっ、だって……らしくないトコ、見せたくなくて。まるで俺がおまえに――」 「ん。わかってる、バレバレだし。耳まで赤くなってる」 甘ったるい声で囁いたと思ったら、首筋にキスを落とした。「くっ、いきなりなにするんだ!?」 「だって、こっち向いてくんないから仕方なく、目の前にあるものにキスをしただけだよ。俺のだって印、つけたいし」 耳元で囁くと、同じところに噛み付くようなキスをした次の瞬間、肌に残るであろうチリッとした痛みが走った。「こらっ、目立
last updateآخر تحديث : 2026-08-24
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Love too late:想いを重ねて――3

 店内でのやり取りを想像しただけで、自然と笑みが浮かんでしまった。そんな俺の左腕を、強引に自分に引き寄せた歩。「うわっ!?」 胸元に飛び込んだ体を、ぎゅっと抱きしめてくれる。胸の高鳴りを知られたくなくて、慌てて両腕を使い、なんとか抵抗しようとしたけど、全然ビクともしなかった。「なに、赤い顔しながら抵抗してんだ、タケシ先生」 「ま、まだ片づけが終わってないのに……」 「タケシ先生が俺のことを考えながら畳んでる間に、ベッドの上をキレイに片付けました」 「……なっ!?」(――なんで歩のことを考えてるってバレてんだよ) 口をパクパクさせてる俺を見て、歩は心底おかしそうに笑う。「目尻をデレデレ下げて、楽しそうな表情をしていたら、誰でもわかるっちゅーの。大方、俺とのデートシーンでも考えていたんだろうな」 言い終わらない内に抵抗していた両腕を掴み、引き上げるとそのままベッドに押し倒す。「もう、ぜってー逃がさない」 囁くように言うと、唇を合わせてきた。高台で俺が歩にしたキス――舌を甘噛みされた瞬間、胸の奥がきゅっとしなる。その後におとずれてきた、呼吸を奪う荒いキスに、体がどんどん熱くなっていった。「はぁ、あっ……んぅ……」 大好きな歩に求められ、普段はあげないような鼻にかかった声を出してる自分。素直になるにはまず、テレをなんとかしなければならないな。「なぁ……もっと教えてよ、タケシ先生のこと」 「な、にを?」 「他にどんなことをすれば、感じさせることができるのかって」 濡れているであろう唇を、右手人差し指でそっとなぞられる。それだけなのに感じてしまい、ゾクゾクしてしまった。 お返しといわんばかりに、なぞっていた歩の手を掴んで人差し指を口に含み、音をたてて食んでやる。 ――簡単には、教えてやらない……。「ちょっ、その顔すっげぇ反則。かわいすぎるんだけど」(おまえを感じさせたいから、教えてやるもんか)「俺のことを感じさせたいなら、自分で探せバカ犬」 歩は挑戦的な俺の言葉に目を細めてから、両手の関節を鳴らした。「じゃあ遠慮なく探して、感じさせてやるよ!」 ムダにでかい声で宣言し剥ぎ取る勢いで、俺の服を脱がしにかかる。「おっ、おいこら! 服が破れる破れる! 丁寧に扱えって高いんだぞ、これは!!」 「いいじゃん、そんなの。破れたら買っ
last updateآخر تحديث : 2026-08-25
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